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「2回目のミスが致命傷」 「大事なのはすべてを出し切ること」 東大に入るより難しいという「奨励会」をくぐり抜けた、 プロ棋士の世界の、「名人」のエッセイです。 (名人はボクシングのタイトルと同じ仕組みで、現在は羽生義治が名人に返り咲いています。) 将棋の世界に生きる方の話は、一見関係なさそうに見えて、 「勝負する」という点で共感できることがありました。
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○棋士の森内氏の作品。
○著者自身の将棋歴を振り返りつつ、各対局においてどのような心境でいたのか、どのような訓練をしたのか、ライバルに対してどのような思いを持っていたのかなど、著者の思いや経験をまとめた作品。
○みじかに天才と呼ばれる人がいるなかで、どのようにモチベーションを保ち、そして、ライバルを乗り越えていったのかという点は、将棋の世界とは別の部分でもたいへんに参考になる。面白かった。
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共感・参考になる点もある一方、勝負の世界での緊迫感・心理など、まず一般の人が経験することが無いような点も書かれている。
カレーの話、やりきれない思いから千駄ヶ谷から横浜の自宅まで走ったエピソードが森内さんらしく印象的。
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第18代永世名人でもある森内俊之の一冊。
彼が俗に言う羽生世代という同世代の強豪ライバルに中でもまれ、そして苦悩しつつもトップ棋士に上り詰める様子がよくわかった。
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一読して森内名人の円熟した人間性を感じました。謙虚に将棋に取り組み、敬い、親しんできた人生なのだな、というのを感じます。
将棋は完全な個人戦。
「勝負をひっくり返す妙手はないが勝負をひっくり返すミスや悪手はある」
「ミスは一回までなら取り返しがつくが二回やると取り戻せない」
「負けてもいい。負けるときは次につながる負け方をするべき」
羽生世代といわれる名人。羽生名人の強さ、棋風についても触れられていて、「これといった印象的な手はないのだがいつのまにか自由自在に局面をあやつられ、最後に負けてしまう」「羽生名人がミスをしても、実は何か意図があるんじゃないかと深読みしてこちらが自滅してしまう」と。
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少し前に、森内俊之が会社の同期の中高生時代の同級生ということを知り、それもきっかけとなって読んでみました。
羽生善治の本を読んだ時には、「キレ」のようなものを感じましたが、森内俊之は、ひたすら謙虚で、この本からは、「キレ」のようなものはほとんど感じませんでした。
きっと、まったくタイプが違うんでしょうね。
将棋などで、強い者どうしが対戦するとき、同じ場面では同じように考えるものだと思っていたのですが、まったくそうではないのですね。
言われてみれば納得ですが、新鮮な驚きもありました。
ちなみに、タイトルの『覆す力』は、あまり中身と関係ないですね。
強引に結び付けられないわけではないですが。
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森内俊之先生の本、面白い。謙虚な人柄だが、妙に熱い一面も。羽生先生や森内先生、佐藤先生など理系的な人の人の棋界での活躍が、将棋の歴史を塗り替えた事は確か。あ、負けました。
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勝負の世界に生きる人たちの考え方や習慣に興味を持って、羽生さんの「迷いながら、強くなる」の直後に読みました。私が完璧主義で打たれ弱い人間なので、厳しい状況でも前に進み続けるためのヒントが得られれば、というのがこの本を手に取った動機のひとつです。
自分を知って、受け入れ、自分に合った努力していくことで道が開けた、というのが本書の一番のメッセージだった気がします。そのためにはやはり余裕や自信は大事だな、と思いました。成功7割、失敗3割という言葉が出てきましたが、失敗との付き合い方、成功体験の作り方を私なりに考えていきたいです。
「ビジネスに役立つ勝負哲学!」というあおりから想像していたよりも自伝の色が濃い本でしたが、失敗談やその時の心境などもたくさん書かれており、永世名人というすごい人を少し身近に感じることができました。
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将棋は全然知らないのだけど、面白く読み進められ少し知識がついた。森内さんもなんとなーーく顔を知ってる?という程度でなぜこの本を読もうと思ったかは既に謎。私は深く考えるの苦手だから将棋も出来ないんだろうなぁ~(´・ω・`)
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森内十八世名人も超一流ではあるが、凡人の自分にとっては羽生十九世名人よりも近い存在だろう。
最近の羽生さんの著作は、「場」や「空気」について語ることが多く一種神がかっている。
それに比べると森内さんは人間らしい。
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将棋棋士と言えば、羽生善治先生くらいしか知らないという方も多いでしょう。
この本の著者・森内俊之先生は、羽生先生と同年代で、小学生の頃からのライバルなのです!
40代になって竜王・名人というタイトルを手にした著者の勝負哲学は、合理的かつクール。
ドラマチックな逆転の好手に対しても、「プロ棋士の対局で驚くような逆転が生まれるのは、相手が致命的なミスをしたときだけだ」とバッサリ(笑)
(タイトル戦二日目の昼食にカレーを食べる理由も解説されてます!)
その一方で、ライバルの羽生先生への思いは強い。本当に強い(笑)
数えてはいませんが、平均すれば見開きに1回くらいのペースで「羽生さん」と言ってるんじゃないだろうか?
その他、おもしろエピソードもちりばめられています。
・将棋教室に入ったばかりの頃、相手に持ち駒を見られないよう隠していた
・対局に負けた悔しさのあまり、千駄ヶ谷から横浜の自宅まで走って帰った(スーツ姿で!)
最後に、お気に入りの一文を引用します。
「私は遠くを見ることをやめて、一歩一歩足元を固めながらしっかりと歩くようにした」
大きな目標を意識しすぎると、かえって何も手につかなくなりますもんね…!
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同世代の羽生さんとは、常に圧倒的な実力差を感じながらも、その対戦自体を楽しんでいる森内さん。
勝負の世界ではあるけど、根本にあるのは、将棋が好きってこと。だから探求し続けられる。
羽生さんとは違くてもいい。
名人になれなくてもいい。
そう開き直ると、実力を発揮できる。
プロでも手を間違う。間違わない方が難しいと知った。
精神的、身体的な揺れが、指し手を誤る。
これからAIは人間に勝つ。そして負けなくなるかもしれない。だからこそ、人間同士の対局が面白いと気づいた。
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覆す力
森内俊之
2018年5月1日読了
森内俊之。1970年生。十八世名人。
2014年2月発刊なので当時のタイトルは名人・竜王。「羽生世代」を代表するトップ棋士の1人。
森内俊之と羽生善治
・羽生善治よりも早く永世名人を獲得するも、本人は羽生さんがいなければここまでの戦績は残せていない。羽生さんとの名人戦で負けはしたけども、そこからさらに成長できた。と羽生さんに対する尊敬の念と与えられた影響思い出の詰まった一冊。
考える根気
・羽生善治、佐藤康光、谷川浩司、渡辺明、米長邦雄、加藤一二三、升田幸三といった棋士の本を読んできたけども一番「控え目」な印象を受けた。
将棋界に名を残す棋士はいずれも個性あふれる性格の持ち主だけども、著者はまさに「正攻法」
佐藤康光の「長考力」にも通じる所として「考える根気」について自信がありそこは強みでそれを武器に長時間の名人戦では自分に向いていたとも話していました。
一方で、(故)村山聖が評した言葉に、「一方で正統であり、もう一方では言葉は悪いのですが、博打打ち的で一種野性的な面も持っていると思うのです。」と評されていて普段や対局でも理性が本能を上回るタイプなのかなと思いました。
それが限界突破すると攻撃的な面が出るのかと。
フリークラスとなりもう名人戦は出れませんがまだまだ活躍してほしい棋士の1人ですね。
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将棋好きの人からもらった本です。最初に読んだ当初は特に響かなかったけど、将棋に詳しくなって森内俊之さんのことを知るようになってから見返すと驚くほど面白い本だと思いました。
本で語られていた棋譜を検索してみるのも一興です。