紙の本
はやみねかおるを知るのに最適な一冊
2002/04/18 02:16
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投稿者:ひで - この投稿者のレビュー一覧を見る
何故かどんな学校にあっても、七不思議というのは存在するものである。その多くは、階段が増えたり、トイレに花子さんがいたりと、どこかで聞いたことがあるものが多く、よくよく数えてみると七個以上あったりして、今考えると面白いものがある。しかし、七不思議は、不思議な怖さと魅力を持って、子どもたちの間に広がっていた。本作は、そんな七不思議に題材をとった魅力的な作品である。
たった6人の子どもたちしかいない村の小学校、大奥村小学校は、一学期をもって廃校になることが決まった。そんな子どもたちを前に、校長先生は学校に伝わる七不思議を話し出す。骸骨標本が踊り、大岩が歩き出し、絵の中の少女が一人増え、階段は減る等々。そして、再び学校を訪れる子どもたちの前で、本当に七不思議が発生する。その真相を探り始める子どもたち。そして花火大会の日、明らかになったその真相とは何か。
本作には、二つの魅力がある。一点は、もちろん、本格作品としての面白さである。本作には、「読者への挑戦状」が挿入されている。ミステリ好きには、おなじみであると同時に、作品の魅力を高めてくれる要素でもある。一方で、つまらない結末が待っていたときの失望は倍増するものであり、作者にとっては使いどころを誤れば、その作品を台無しにしてしまう危険をも秘めている。もちろん、本作にはおいては、そんな心配は要らない。「読者への挑戦状」は、作者の自信を裏書きするように、その後の面白さを倍増させてくれている。
もう一点は、結末に待つ真相の爽やかさである。氏の作品では、殺人事件等、子どもたちにとって陰惨で悪い影響を与えそうな部分を排除している。と同時に、その結末は必ずハッピーエンディングに仕立て上げており、安心して読むことができる。それは、大人が読んでもわざとらしさや無理がなく、作品の雰囲気にマッチしており、作中にしかけられた謎が、この結末によってよりひきたてられる相乗効果を産んでいる。本作においても、その結末の後に待つ掌編が、より作品をひきたてており、安心感すら受けることができる。本作には、そんな氏の作品の持つ両者の魅力が詰まっている。まずは読んで欲しい作品である。
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この作品で、はじめてわたしははやみねかおるに出会いました。
小学校2年の時に、移動図書館が学校に来て。
偶然発見した黄色いハードカバーの本を、何を思って手に取ったのか、まったく覚えてないのですが。
今では、きっとこれが廻り合わせと言うものなのだろうと思わずにはいられない。
廃校になる事が決まった、大奥村小学校の最後の夏休み。
終業式で校長先生が話してくれた、学校の七不思議がつぎつぎに起こります。
その謎には、やさしさとユーモアが隠されていたのでした。
(一部引用)
当時小学校の教師をしていたはやみねかおるの、子供たちに対する愛情がひしひしと伝わります。
私の原点はまさにこの本だと、胸を張って言える。
この本からはやみねかおるを追いかけて、早10年。
年上だったワコちゃんや亜衣ちゃんたちをいつの間にか追い越してしまいました。
当時この本を手に入れようとしたらすでに廃刊になっていて手に入らなかったのですが。
数年後、すでにはやみねかおるの別のシリーズを集め始めていた私は、ふと入った本屋で、青い鳥文庫で復刻版として出版されたこの本を発見しました。
その時の感動は今でも忘れられません。
個人的には★5つ。なのですが、やっぱり今と比べると未熟な面もあるので1個減らしときます。
何分はやみね作品に盲目なもので、客観的な判断ができません。
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小学生の時に、図書室で出会って約○年…(年齢は言えません(笑))この小説を読んで本が好きになった。と言って過言ではない。内容は結構楽しい。(笑)
七不思議と書かれているが、全く恐くない。逆に小学生くらいなら好奇心をくすぐられるかも…しれない。(^_^)
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小学生の時に読んだ本です!
はやみねかおるさんはほんまいいですよね〜!また久しぶりに読みたいです!
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はやみね作品の初期中の初期です
はやみねさんらしいギャグと謎解き、そして最後のふんわりと切ない話です
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娘のお気に入り。以前に読んで面白かったので本屋さんで探してたがなかなか見つからなかった本。やっと見つけて即買い再読。私にも薦めてくれた。吾妻ひでおのイラストも懐かしいし、内容も懐かしい。
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小学生の夏休みに読んで、こんな夏休みを過ごしたいと心から思った。
イラストが吾妻 ひでおさんだったなんて今知った。最近こんなことばかり。びっくり。
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この作品は懐かしいテイストの
さくひんですね。
ひと夏の思い出も見事な表現なので
大人でも十分に読めます。
それと七不思議に関しての表現も
非常に○
ただの不思議ごとでは済ませていないところがね。
ちゃんと恋の要素も出てきていて
子供が面白いと思わせる要素は
ばっちりそろっています。
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“大岩が歩いた。
絵の少女がふえた。
花の色が赤くかわった。
階段の数が十三段にへった。
理科室のがいこつ標本がおどった。
ボールが、ひとりでに階段をのぼった。
プールの水面に、女の人の顔がうつった。
こうして、大奥村小学校の七不思議は、すべてわたしたちの前にその姿を見せた。”
あっさりと。
現実的にちょっと無理があるんじゃない?と思ったりもしたけれど。
はやみねさんの描く主人公の少女像と探偵役の少年像が好きだな。
“わたしは、コウくんとの待ち合わせ場所の大奥小にいった。
大奥小の校庭も人だらけ。こんなとき、小さいコウくんをさがすのはたいへんだ。
そう思ってたら、コウくんのほうで、わたしを見つけてくれた。
「よく、すぐにわかったわね。」
「だってワコさん、背が高いんだもん。すぐわかるよ。」
傷つくせりふだ。それにしても、なんとなくコウくんのイメージがいつもとちがう。
「コウくん、ゆかた着てきたんだ。」
「うん。おばあちゃんが、ワコさんはぜったいゆかたを着てくるだろうから、おまえも着ていけって……。」
さすが、コウくんのおばあさん。よく、わたしがゆかたを着てくるって、わかったわね。
「いこ。」
コウくんが、わたしの手をとった。
大奥村大花火大会の開催をつげるアナウンスとともに、一発めの花火があがった。”
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小学校の時に読んだ本。
取りあえず学校でこの本を見つけた時は
すごくきれいな夕焼けだった記憶がある。
私が入っていた部活は活動の最後に生徒玄関に
整列してから解散するというのがあった。
その時私は一番最初に到着し暇だった。
ほかのみんなが来るまでぶらぶらしていたところ、
たまたま近くに置いてある低学年の本の棚にこの本があった。丁度夕日がさしていて窓から伸びた光が廊下に
射し込んでいた。
なぜか表題を読んだ時から無性に読みたくなり、
その場で拝借して家で読んだ。
正直中身は綺麗さっぱり忘れたが、廃校になる予定の
学校の話だったと思う。
当時私が通っていた小学校は地方の田舎の割に大所帯で
一クラスが約40人 一学年に5クラスほどもあり
人の多さにうんざりしていた私はこの本にでてくるような学校がよかったなぁと思った記憶がある。
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はやみねさんらしい、ほんわかした推理小説!
虹北恭助にでてくる法難さんの子ども時代もあって嬉し!ほうむずって読むのは気がつかなかった…笑
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廃校の決まった大奥村小学校最後の日、校長先生は全校児童6人を前にして学校の七不思議の話をした。その日から次々と七不思議が現実に起こるのだった。果たして七不思議の真相とは?
はやみねかおる初期作品。山奥の廃校となる小学校を舞台に、七不思議の謎と子どもたちの様子が見事に絡み合い物語を盛り上げます。個性豊かな子どもたちと先生がワイワイと集って遊んでいる様子だけでも楽しいのですよね。それに花を添えるのが吾妻ひでおによるイラスト。いやあなんて楽しい本なのでしょうか。
七不思議の謎については、じっくりと読めばわかるというこれまた絶妙のものなのです。七つの謎で、謎が解けてわかった喜びと、謎が明かされてそうなんだと驚く喜びどちらも味わうことができるのではないでしょうか。その喜びがミステリの面白さに繋がり、ミステリの読み手が増えてくれれば嬉しいですね。それがまた作者の思惑なのでしょう。
踊りだすがいこつ標本、校舎の階段が14段から13段に減る、プールの水面に映る巨大な女の顔、白から血の赤に色の変わる花壇の花…学校の七不思議に秘められた謎とは!?