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2010 10/27読了。書泉ブックタワーで購入。
以前から少し気にはなっていたけど、単行本だと手が出しづらいなあ、と思っていた本。文庫化を機に購入。
上巻でひたひたと盛り上げ、中盤からぐいぐい引き込まれ、下巻までいっきに読んでしまった。
開戦に至る経緯、攻城戦、水攻め、終戦処理と映像にしたら迫力がありそうなシーンと人物描写が面白くなりそうなシーンが満載で、なるほどこれは映画になるのもわかる・・・と思ったら話は逆で、もともと映画脚本として書かれたものを映画化を前提に小説化したもの、ということらしい。納得。
主人公、「のぼう様」、成田長親について。
最初、昼行燈であなどられていた主人公が戦争を機に才を発揮し・・・というような流れかと思って、それなら今までにない英傑像ってこともないよなあ、と思っていたのだが、読み進めているうちにそうではないことがわかった。
成田長親、重要な決定を下すことと、領民や武将に好かれること以外、何もしてねえ。
なるほどこれは将器だ。
っていうか王の器ですらあるかも知れない。
にも関わらず、長親も、大活躍を見せた配下の武士たちも、忍城攻めの後はそれぞれに散って行って歴史の舞台の上に出てこないっていう一回性がまた映画らしいというかなんというか。
敵役、石田三成について。
今まで自分が読んだ創作物の中の三成で一番の好漢として描かれているかも知れない。
読了後に少しの寂しさと、圧倒的な爽快感が残るのは終戦後の三成の態度によるものが大きかった。
のぼう様と対面してこの三成はどうなっちゃうんだろうとも思ったが、敵役として長親を理解できる(うえに、長親と違って何を考えているのかちゃんとわかる(笑))三成の存在がこの物語を支えているんだな、とかなんとか。
・・・それにしても、下巻の表紙の三成、格好いいなあ・・・
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待望の文庫化。表紙もオノさんのままで嬉しかったです。
想像するにはちょっと特殊な形状の忍城。なんで埋めちゃったんだ、もったいない。残ってたらいい観光スポットになったのに。
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最初は時代背景とかの描写が多くてかなり読みにくく、寝そうになってしまったのだけど、途中からぐんぐん引き込まれ、最後には涙しました。でも、戦国の世は嫌だなあ。サムライの美学は嫌い。美しく散るとか考えずに醜くてもいいから、しぶとく生きて欲しいなあ。でも、そんなこと思いながらも、サムライの美学に涙する私は日本人だなあと思いました。のぼう様は、側にいたら絶対困ると思うなあ。結果オーライだけど、のぼうはのぼうだと思った私でした。違うかなあ。
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三成よ、コテンパンに負けるがいい!
下巻からついに逆転劇の幕開け!
でくのぼうの城代の最大の武器は己の使い方をしっている所。
のぼう様が見せる何気ない顔ですら全て策略に見えてくるこの巻。
最後はあっけないながらも爽快感のある終わりで、全体を通して、素人目にとても優しい歴史小説だったし、絶賛される所以がよくわかる作品だった。
もっと早くに読んで、友人とかにお勧め&ちょっと自慢したかった作品です。
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いよいよ合戦。どきどき感もあるし、ほっとする話もあるし。野村万斎というのはどうかなあ。まあ、映画もちょっとみてみたいが。
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(Amazonより)
「戦いまする」
三成軍使者・長束正家の度重なる愚弄に対し、予定していた和睦の姿勢を翻した「のぼう様」こと成田長親は、正木丹波、柴崎和泉、酒巻 負ら癖のある家臣らの強い支持を得て、忍城軍総大将としてついに立ちあがる。
「これよ、これ。儂が求めていたものは」
一方、秀吉に全権を託された忍城攻城軍総大将・石田三成の表情は明るかった。我が意を得たり、とばかりに忍城各門に向け、数の上で圧倒的に有利な兵を配備した。
後に「三成の忍城水攻め」として戦国史に記される壮絶な戦いが、ついに幕を開ける。
読めば読むうちにのぼう様、こと成田長親の人物像が
興味深くなります。
映画化の際にこの「のぼう様」の役は
野村萬斎。
この配役の意味を本作を読んで理解し、
にやっとなりました。
武士の考え方、戦の決まりごと、歴史的史実に基づく内容など
この本で色々と体感することができます。
おもしろかった!!
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買ったその日に読了してしまった。
読みやすい本だ。
のぼうという捕えがたい人物が魅力だ。
また、のぼうを取り巻く人物たちも個性的だ。
すべてが善人で清々しい。
三成さえ、いい人に描かれている。
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天下をおさめつつある豊臣秀吉が、関東の雄北条氏を討ちに出る。
そんな北条氏に仕えていた成田家と、彼らの城である忍城(おしじょう)の物語。
タイトルにもある「のぼう」は木偶の坊の略。
領民から面と向かってそんなふうに呼ばれても平然としている城代の成田長親。
そんな彼の下につくのは、丹波、和泉、靱負などの個性的な家臣たち。
北条氏に内密のうちに豊臣側へ降伏の意を表明していたにもかかわらず、
たった500の軍勢で、石田三成率いる2万の大軍と対峙することを選択し、
戦いきるさまを描く物語。
とっても読みやすくて面白い物語でした。
以下に、気に入らなかった点を挙げるけど、それでもよかったとは言える。
・「『(文献名)』によると~」や「筆者は~」なんて文章が多くて
物語の展開をいちいち切ってしまっているのが残念。
史実の客観性を持たせたかったのかもしれないけど、
純粋に物語を楽しむのには不要だったな。
・丹波、和泉、靱負。三成、吉継。
彼らの心情などは結構描写されていたけど、肝心の長親の心理描写が
ほとんどなく、つかみどころがないままに終わってしまったな。
領民たちがあれほどまでに彼を慕う理由が分からない。
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架空の城を舞台にしたオリジナル作品だと思っていたので、まさか、史実に基づいた作品だとは思いもしなかった
しかし、猛々し武士は勇ましく、狡猾な農民はずる賢く、出てくる人物たちは生活感に溢れていて、史実に基づいているとはいえ、エンターテイメント色は強い。
戦国時代を生き抜いた人たちの息吹を感じられて、あっという間に読み終えてしまった。
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これがすごく売れたのか…正直、物足りない感じだ…。「ハリウッド映画のような爽快感!」とは帯に書かれていた文句ですが、確かに映画のような、大ピンチ→個性的な面々が一致団結→逆転というわかりやすい展開ではあった。しかし、文章においては表現がうまいわけでもなく、人物描写もうすっぺらな感じで、うーん…おおまかな話の流れは確かに面白かったけど…自分の読解力が足りないのかもしれない。
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それぞれの動きや合戦の雰囲気が分かり易くスムーズに一気読みできる。
絶望なまでの戦力差なのにどこかしら緊張感が希薄なのはのぼう様がいるからか?
派手ではないが面白いエンタメ小説だと思う。
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(上下共通)
三成とか有名人の若い頃やら、忍城の家老連中やら、主人公の脇がしっかり固まっていて、読みやすくて面白い作品でした。
時代小説が苦手な人も読みやすいんじゃないかな。
特に、下巻の合戦シーンなんか、華がある感じ。
映画化するそうだけれど、はて、主人公より脇の配役が難しそうな。
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本屋さん大賞云々の添え書きがあり以前から気になってたところに映画化の話、それが文庫サイズで店頭に並べば即買いは然り。
個々の心的な描写は読み手に預ける感じで控えめに抑えており、その分史実に沿った展開だったこともあってか自身の少ない戦国史の理解であっても上下巻をあっという間に読み切るという引き込まれ様に少し驚いた次第でした。
のぼう(長親)が水攻めの際に舞う奉納の田楽が作品のキモだと個人では思うのですが、映像では野村萬斎さんが演じられると帯にあったんで、楽しみでなりません。またこの作品はのぼうの人となりを示す一方で石田三成公の人柄にも触れてる辺りが絶妙だったりします。
天晴れ!のぼう、天晴れ!三成
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下巻は面白かった。戦の様子、三成や吉継、正家の驚きも心地よかった。
長親の、他の武将たちとは一味違う『将器』に三成が魅せられていたのが読んでいて、嬉しかった。
しかし、忍城方の面々はキャラは濃いが、歴史上ではマイナーな武将たちのようで、コアな歴史ファンには面白いのかもしれない。私自信は、学校で習っただけが歴史ではなく、百姓から和尚、有名から無名の武士様々で作られてきた歴史なんだなぁ〜という方向で飲み込んだ作品だった。
言葉、漢字が少々読みとりにくいので映画の方がすんなり入ってくるかも。
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のぼう様:城島茂
正木丹波:山口達也
柴崎和泉;松岡昌宏
坂巻靭負:国分太一
石田三成:長瀬智也
で実写化したらリアルだと思う。