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プロ野球選手の背番号にまつわる話をまとめたノンフィクション。
江夏や池山のエピソードや早逝した選手のエピソードなど興味深い内容が多く、単なる番号として片付けられないような不思議なものを感じた。
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テレビの番組企画が原点らしいけど、こういう切り口の野球本もなかなか興味深い。既知の話が多い中で唸らされたのは、阪神の「20」を背負った人のこと。「眞鍋、眞鍋ねえ。眞鍋っていう野球人は一人知ってるけど、まさかねえ」。で、読み進めて、その「まさか」だったと判明したときには、コーヒー吹き出すかと思った。いやもう、世の中、知らんことばっかりだ。毎度のことながら痛感した。だから自転車で球場に来たり、早くからグラウンドでランニングしたりするのかなあ、線でつながった気がするなあ、とか。背番号は題材。人に歴史あり、という一冊でありました。
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記憶している名プレイヤーのほとんどが網羅されていて,楽しく読めた.江夏と鈴木啓示の話が良かった.背番号にこだわりのある選手の話だが,テンポのある文体が野球の試合を表しているようで,面白かった.
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プロ野球選手の背番号から生み出される数奇なドラマを描いた一冊。
プロ野球を観ている時に自分たちが何気なく目にする背番号にここまでのドラマがあることに感動するとともに選手の番号へのこだわりや数字の持つ魔力など本書でプロ野球の新たな一面を知ることができました。
永久欠番についても初めて知ったことや絶対数や語呂合わせで数字が意味あるものになっていたりなど本書を読んで知ることが多くありました。
また、各球団で数字の持つ意味が異なったり、不吉と言われた背番号を背負って発奮し活躍したものや名選手の後を継いで重圧に負けた者など能力以外の部分で成績に影響しているところがあるところも驚きでした。
本書のエピソードはどれも素晴らしかったですが、特に元ダイエーの藤井選手や元近鉄の鈴木選手の話は感動しました。
本書を読んで、記録やプレーなど華やかではないですが、プロ野球に潜む魔力の部分である背番号の魅力に触れることができ、プロ野球を観る楽しみが増えた一冊でした。
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私が野球を観ていたのは父が大の巨人ファンであった為。父の在宅時には巨人戦がほぼついていたからだ。ある時期の巨人の選手の顔と名前と背番号は今でもスッと出てくる。不思議なことに背番号=選手でもあるのだ。
この本はそうした背番号に纏わる話だ。背番号と結びついているようであり結びついていないようでもある。色々なエピソードを読んでなるほどと唸ったりただただ感動したり。
そうした中で特に印象に残ったのは、池山の背番号の話。私が意識して観た頃には既に1番であったのでそんな経緯は知らなかったけれどその継承を含めて実にあの頃からのヤクルトらしい話だなと。
そしてやっぱり江夏豊。江夏が現役時代の試合を一度も見た事はないのに江夏のエピソードにはどんなものでもつい泣いてしまう。ファンにとって投手江夏はそうやって語りたくなるような魅力的な存在でその語りがツボに入ってしまうのだ。
この本を読む人には、読む人それぞれのツボ、思い出す背番号とそれを背負う選手が浮かんでくると思う。
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子どもの頃、他球団でも主力選手の背番号を
覚えていたのに、今やタイガースの選手でさえ
おぼつかず、僕の中では縦縞は6・22・25・28
31・44…、あたりで止まっている。
さて本書。日本プロ野球の80年の歴史を、
選手の「背番号」にフォーカスし、
そこにまつわる不思議な因縁・奇縁・魔力
奇譚・逸話を丹念な取材ですくい取った
スポーツ・ノンフィクション。
取り上げられている選手は、
江夏豊28・村山実11・鈴木啓示1・池山隆寛36
谷沢健一41…。
◉あの文藝春秋が企画運営した江夏豊の
東京多摩市一本杉球場での引退試合
◉球団合併で永久欠番1が消滅した鈴木啓示
◉年俸アップを勝ち取るために背番号1を付けたい
と直訴した池山隆寛
◉3割の壁を何としても超えたい一心で14から
41に変えた谷沢健一
◉タイガースでは不吉背番号11をあえて付け、
肩痛や怪我に見舞われながら投げ続けた
反骨の男 村山実
◉日本人が敬遠する「4」を背中に刻んだ巨人
と阪神のふたりの男」…。
言語明瞭・意味不明瞭な原辰徳が背番号を
評して言った「言葉に言霊があるように
数霊(かずだま)がある…」。分からなくはないが
冷静に考えれば「背番号に特別な意味や因縁が
ある」と考えるのは後付けの「こじつけ」の域を
出ない。ただ、ひとたび生身の人間が無味乾燥な
数字を背負うと、あたかも生命が宿ったように
思えてしまうから不思議だ。
とりわけ一流プレーヤーになればなるほど、
背負った番号に様々なエピソードや事実が加わり、
何かしらの「因縁」を見い出そうとしてしまう。
そう、それは我々の「思い込み」がそうさせている。
逆説的にいえば、この思い込みこそが時空を超えて、
たちまちにして往年の名選手のプレイが鮮やかに
甦り、ロマンを抱いてしまうのである。
これまで虫明亜呂無・近藤唯之・玉木正之・山際淳司
等、数多くの名うての書き手のプロ野球ノンフィク
ションを読んできたが、本書収録の逸話はすべて
初耳だった。
プロ野球ファンならずとも、よく知られた名選手の話
が横溢で一気読み必至。いずれも話も読み応えのある
人間臭いドラマが描かれ、鼻の奥がツーンと軽い痛み
を感じながら読み終えた好著。
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野球の背番号を巡るエピソードがふんだんに盛り込まれている本。江夏の引退試合、ソフトバンクの藤井ハリーなど、涙なしでは読めないような野球選手の生き様が胸を打つ。好著。