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初又吉。芥川賞受賞作。思っていたより読みやすく、面白かった!解散前のラストライヴでの漫才シーンはちょっと感動。タイトルの火花は、ラストの花火打ち上げシーン+解散ライヴのネタから採られたのではないかな?^^ 次作『劇場』も読みたい。
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話題の本。文庫化なって漸く手にする。
読み始めて「又吉さん、なかなかやるねぇ」と思った。
芸人の手慰みではなく、それらしく芥川賞の文体、言葉遣いになっているし、ある意味小難しいところもそれに相応しい。
淡々と進められる話の中で、随所に自らの漫才師としての悩みや生き方や覚悟や信念が垣間見える。
あの人、こんな感じでいろいろ物事を捉え、考えているのね。
好きか嫌いかと言われれば、こういう辛気臭いのは苦手だし、神谷の良さもピンと来ないので、★はようつけないのだけど、興味は深い。
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売れないコンビ芸人「スパークス」の徳永は、「アホンダラ」の神谷という先輩芸人を師匠と仰ぎ日々面倒を見てもらっていた。神谷の魅力、才能、笑いとの向き合い方、そして生き方に憧れ尊敬しつつも、同時にその純度に息苦しさも感じていた。神谷との出会いで漫才師として確実に成長していく徳永だったが、全身全霊で漫才師として生きる神谷の姿に「自分らしく生きる」ということの意味を教わり、新たな道を歩む決意が芽生える。世間と向き合う凡才と、笑いと向き合う異才の二人が、互いを励みに、互いを鏡に、笑いを追求し悶え葛藤する人間ドラマ。お笑い芸人ピース・又吉直樹のデビュー作にして第153回芥川賞受賞作。
文庫化を待ち購入。予想以上に面白く、読みやすく、笑いの追求により心理の深みにはまっていく様子が興味深かった。徳永と神谷のエピソードを積み重ねることで二人の距離感や互いに抱く感情がおぼろげに見えてくるという書き方がとても良い。情景描写も巧みで、芸人を本職とした人間が書いた小説とは到底思えない。デビュー作でいきなり芥川賞受賞なのに著者の筆力を疑問視する声がほとんど挙がらなかった理由がほぼわかった。
ラストで行方不明になった神谷と再会するシーンでは、徳永とともに言いようのない哀しみが胸に溢れてくる。さらにその後の悲哀を経た滑稽さには、愛おしさすら覚える。本文にある通り、「生きている限り、バッドエンドはない」のだ。
タイトル「火花」は、文庫版巻末・芥川賞受賞記念エッセイ「芥川龍之介への手紙」にある、著者の昔のコンビ名「線香花火」に関係しているのだろう。このコンビ名は、線香花火のような小さな一瞬の輝きにこそ永遠が宿るのではないか、そしてそのような小さな輝きを連続で起こし続けることが最善ではないか、という考えから付けられたものらしい。とするならば、「火花」は線香花火よりもはるかに小さな一瞬の輝きである。徳永と神谷が散らす火花は、儚く、他者にとっては取るに足らないほど小さな光かもしれない。しかしどんなに小さくとも、確実に「輝き」ではある。その極小の輝きに全身で取り組んだ男達の物語なのであろう。花火はその儚さから美しいとされる。では花火よりも儚い火花は?無論、美しいのである。
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話題作を遂に読了。
読み終わって直ぐに感じた感情は「切なさ」
天才と変人は紙一重。
最後の方の主人公の言葉が辛いけど刺さる。
人の強弱の印象が、最初と最後で変わるのが面白いな。
巻末の芥川龍之介への手紙も独特の表現が面白く、
作家自身に興味を惹かれるようになる一冊です。
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芥川賞をとるような作品の面白さは私にはわからないなぁと実感した。いつかわかるようになりたい。文章が綺麗だと思った。最後の漫才はうるっときた。
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売れない芸人たちの不器用な生き方、葛藤などを描いた人間模様という感じ。
途中なんだか苦しくなるところもあり、ほろっとするところもあり、クスッと笑うところもあり。
なるほどこういうのを純文学と言うのか・・という感想でした。
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文体が重い。
最初はその雰囲気になれませんでしたが、
最後はいつの間にかはまっていました。
しかし、意図的に小難しくするような
重い装飾語はあまり好きではありません。
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売れない芸人の徳永は、天才肌の先輩芸人と出会い、自分を見つめ直しながら、それぞれの道を歩み出していく。
話題の作品が文庫になったのでさっそく読んでみました。
芥川賞受賞作品だけあって、巧みな表現を使いながら、笑いの世界を文学的に描いている感じがしました。
笑いの世界の人たちの会話は、普段もボケと突っ込みから成り立っているのか、さすがプロだと感心しました。
人と出会うことで、自分を見つめ直し、新たな道を進んでいくというストーリーから少しだけ勇気ももらうことができました。
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そんなに酷いかなぁ。
私は、徳永や神谷が語ったことが又吉さんが言いたかったことの代弁だとするなら、又吉さんなりの全ての芸人に対する愛ある賛歌、と、芸人という職業へのリスペクトと捉えましたけど。
お笑い芸人の彼だからこそ、売れない芸人の心理にここまで肉迫できたんだと思うし、台詞も生き生きしてて魅力的だと思ったけど。
確かに、技巧的であろうと背伸びしたと思われる文体に多少鼻白むことはありましたけど、(特に始めの数ページ。読んでてちょっと恥ずかしくなった。)割と伝えたいメッセージは明確だし、楽しく読んだのだが。
神谷の「絶対に全員必要やってん」に救われる人だって沢山居ると思うのだが。(現に私は救われた。)
神谷は確かに、むき出しで不器用で、変わり者だけど、ダメ人間代表ではないと思う。私は純粋で人間らしい人間と思ったけどなぁ。
理解出来ないからと言って端から社会の不要因子ととらえるのは、今の世間の悪い癖。そんなんだから、新しい文学の試みの入る余地もないのかな。
まあ、彼が著名人故、メディアが大きな看板掲げすぎちゃったところもあるけどね。
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10台の後半か、20代の前半か。
人によって違うかもしれないが、
ある時期、世界が開かれた感じになる時がある(と思う)。
物によるのか、環境によるのか、人によるのか、場所によるのか、人それぞれだろう。
漫才で成功しようとする徳永は、先輩漫才師の神谷さんによって、
なにかしら、開かれたものを感じたのだろうと思う。
神谷さんの行動、言葉のひとつひとつに憧れ、「自分もそうなりたい」
と思ったり、「自分にはできない」とへこんだり。
毎日毎日、頻繁に顔を合わせて、話をして...
羨ましいような、懐かしいような気分で読むことができた。
でも、それくらい傾倒して、憧れて、大好きになって...という日々を
永遠に続けるわけにはいかない。
「こんなもん僕だって、いつでも捨てられるんですよ」
「捨てられることだけを誇らんといて下さい」
あんなに大きかった、あんなに憧れた神谷さんの、
寂しい姿を目の前にして、それでも、まだ続いていくといって、
憧れた時の気持ちを忘れない徳永はピュアだと思う。
私なら、無理だ。ほとんどの人がそうだろう。
別々に進んでいく時が来る。
こういう二人のつながりに似たことを、多くの人は経験しているのではないか?時代や職業は違っても、多くの人の気持ちにひっかかる経験なのだろう。
小説や映画にもさまざまな形で描かれている。
読み終わった時、私はヘッセの「デミアン」を思い出したりしました。
文庫に収録された「芥川龍之介への手紙」。
小学校の先生の「電気を消せる」というエピソードの中で、「俺はこれで行くのか?」というところ、久しぶりに声を出して笑ってしまいました。
この人、おもしろいなぁ。
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何しろ配信されているドラマを先に観て号泣していたので、果たして原作ってどんなん?ドラマと原作どう違うー?という視点で読んでいました。
文庫を手にとった時は、ドラマのボリュームと本のボリューム合わん!!と思ったけど、ドラマには原作に書いてないことはほとんどなかったんじゃなかろうか。
原作でさらりと描かれているエピソードが、ドラマではじっくり場面が作られていて そーゆー厚みからの情みたいなもので わたしはドラマで号泣したんだな きっと。
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先入観がどうしてもある中で読み始め、最初はなかなか乗れず。すぐボケ始める会話がなんだか面白く、この2人が徐々に好きになり。
終盤直前の盛り上がりで涙した後、ラストの展開に唖然。え、終わった。と思ってがっかりしたけど、ラストの10頁ほどを何度か読み返す内、涙が溢れてきた。
馬鹿だな。でも幸せになって欲しいな。
思ってたよりもずっと、優しい話だった。
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又吉の話題作。200人くらい図書館で順番待ちをして借りた作品。テンポも思った以上に良く、芸人同士の葛藤ややりとりもあり、一気に読めた。
誰にも言えない又吉としての言葉、があり、「舞台にたって考えたことが受けたときの喜び、だめだったときの絶望」にとりつかれた彼の言葉は、そこから遠い距離にいる自分にとって思った以上に届いてしまい、思わず最後は泣いてしまった。ただ文体としては必要以上に固く、もう少しライトにした内容でも全然良いと思うし、そういったものを読みたい
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こんなに辛くなるなら、読むんじゃなかった。
神様だった神谷さんが神様でなくなった。
ほんとになにしてんねん・・・。
とてもつらい。
絶望だ。
辛すぎて泣ける。
けど、神谷さんは多分なんとかなりそう。
そう願います。
実在の人物じゃないけど、ほんとに幸せになってほしいです。
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又吉先生の芥川賞受賞作品
純文学という類にカテゴライズされるらしいけど、そんなの知らないのでただ普通に読んでみたつもり。
話題図書はそれなりに読む価値があると思っている。
神谷の人生哲学が生涯芸人であり、主人公と先輩の神谷の約10年を書いた物語。
20代の、人生とは?を妙に考え出して奔走するあたりが少しでも自分ないし同世代にも共通するものがあって、儚く何とも表現しにくい寂しさがあった。
141ページの焦りと葛藤を表した文章がぐっとくる。
コンビ解散のラスト漫才がぐっとくる。