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台風の基本から構造、発達要因、気象学的見地、災害面での内容がざっくりと記述され気象予報士試験に役立ちそうな内容でした。
230ページの単行本で図表も多用されてるので専門用語が多いもののすぐ読み切れて判りやすかったです。
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読んでてわからなくなった箇所が全体の3割ほど。それだけ専門性が高く、最近分かった事なども含めて説明されてます。ブルーバックスの中でも読み応えあり!
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・温帯低気圧は気温の差をエネルギー源とするのに対し、台風は水蒸気が保有する潜熱をエネルギー減とする。(pp29-30)
・台風の中心は気圧傾度力がゼロ。これに加えて中心付近では強い遠心力が働いており、気圧傾度力に勝るため、中心付近の大気は内側に入り込めない。⇒目ができる仕組み(p54)
・対流圏上層と下層で風速15m以上の差(鉛直シアー)がると熱帯低気圧はほとんど発生しない。7~9月の北西太平洋域は、上層が北東風、下層が東寄りの風であるので鉛直シアーが小さい。⇒台風が発生しやすい(p68)
・CISKの理論:積雲群は低気圧に熱エネルギーを供給(潜熱を放出)し、低気圧は積雲群に水蒸気を供給する。積雲群と低気圧が相互に作用しあって台風は発達する。(pp82-84)
・台風は地球の自転により、それ自身で移動することができる(ベータ効果、p104)
・台風の移動の目安になる指向高度は「500hPa面の高度5880mの等値線。この「太平洋高気圧の縁辺」に沿って台風は移動する。(p109)
・トロコイダル運動:台風の気圧の最小地点が台風の中心からずれたときに、前者が後者のまわりを回転する運動(p116)。
・突風率(瞬間風速/平均風速)は海上よりも陸上が大きい。高層ビルが立ち並ぶ都市部では、平均風速が小さくても突風のおそれがあるので油断できない。(p191)
・温帯低気圧に変化する過程に入りつつある台風は、強風域が拡大する。台風の中心から離れたところでも注意が必要。(p194)
・「うねり」とは、台風の強風によって生じた波(風浪)が風の吹かない領域にまで伝わった波のこと。うねりは台風の移動速度の約3倍の速さで伝わる。(p197)
仕事柄、台風情報には頻繁に接してきたが、知らなかった情報が多かったので読んでよかった。ただ、説明が十分でない専門的記述も散見された。「コリオリの力」については、本書ではよくわからなかったので、ネットで情報を収集した。以下のサイトが参考になった。
http://www.jma-net.go.jp/ishigaki/school/200406/WS200406_Coriolis.html
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1年に平均26個も誕生し、巨大な大気現象を生み出す台風。その驚異のメカニズムを解き明かし、予報の最前線から地球温暖化の影響まで迫る!
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台風研究がどこまで進んでいるのかを垣間見ることができた。台風の構造だけでなく発生のメカニズムもかなり分かってきている。とはいえ、台風が発生しやすい気象条件の絞り込みができるようになってきたということであり、いつ、どこで台風が発生するかを特定するには至っていない。また、予測に関しては進路予測もかなり精度が高くなってきている一方で強度予測はまだ精度がよくない。地形、台風を取り巻く大気の状態、そして台風そのものなど多くのパラメータが非常に複雑に絡み合っているためであるという。コンピュータによる数値予測のグリッドを細かく設定することで精度が向上することが示されてはいるが、恒常的な予測に用いるにはまだ難があるらしい。台風についてかなり分かってきている一方で、まだまだ分かっていないことも多いように感じた。
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台風のメカニズム、挙動、被害などを、しっかりした気象学に則りながらも数式などを使わずわかりやすくまとめてある。これが新書判で手に入るとはありがたい。実際、一生ものの本となりえるクオリティである。
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専門的過ぎず、かといって科学的な説明もふんだんに盛り込まれていて
難度や興味の繋ぎ方が大変上手
amazon reviewより
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買ったまま何年も積読の本を消化しようシリーズで読みました。台風科学というか物理というか、地球の自転の力だったり温度の違いで動いたり、すべてが物理現象なのに、全部を纏めて台風としてみると、えらい複雑です……。ということで途中で理解が振り落とされました。もうちょっと物理の基礎を学びなおさないと……