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感想はというと、どう言っていいのか分からない。すらすらと読めてしまうところもあれば、若干何かがくどいようにも思うところもある。興味深く面白いのだけど。
舞台となる世界の状況説明やその他の様々な説明は必要不可欠だし、主人公の心理描写も当然必要不可欠だし、そもそもその2点のみで成り立っている話なのだけれど、結局「ふぅん、で?」というような感じになってしまう。とはいえ誤解されると困るのだが、これは本当に発想もプロットも全てにおいて凄い作品だと思う。
いわば超現実的社会論であり、言葉と思考の芸術であり、洗脳という究極のホラーでもある。
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ビッグブラザーなる権力が支配し、テレスクリーンなるインタラクティブ(?)なTVみたいな通信装置に一挙手一投足までも監視される全体主義の行き着く先を絶望的なまでに予言したディストピア小説。
1948年に書かれた本書だけど、その時のイギリスの社会情勢などトマス・ピンチョンの解説に詳しい。読み進めていけば行くほど気が滅入る物語、特にジュリアとの再会。
権力のみをひたすら欲望する愛なき世界。その裏側にちょっぴり期待していたのが窺えるのが本書の巻末についているニュースピークの解説。
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「かれらはただひたすらすべてを鵜呑みにするが、鵜呑みにされたものはかれらに害を及ぼさない」。記録の編纂も〈犯罪中止〉及び〈二重思考〉の訓練もなくても、現実はこの物語に近づいている。その鳥肌と寒気感が半端ない。
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非常に衝撃。ビッグ・ブラザーによる管理社会が描かれている。緻密に考えられた「オセアニア」という管理社会に戦慄。最後の主人公の考えの変化にも衝撃。きたる未来を予言しているかのような書である。
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印象に残った点
・「危機的瞬間にあって人が闘うのは絶対に外部の敵ではない、常に自分の肉体と闘うことになるのだ」(p.156)
「痛みとは、痛みそれ自体だけでは、常に十分だとは言えない。人間はときとして、死ぬ限界ぎりぎりまで痛みに耐えることができる。しかしどんな人間にとっても耐え難いものというのは存在する――考えるだに恐ろしいものがね」(p.442)
自分の思考を変える事はできるが、自分の肉体を換えることはできない。自分の肉体・感覚に苦しみを突きつけられた時、精神は萎縮し、人の弱さが出る。
独裁政治が粛清・虐殺や強制労働を伴ってきたことも、苦痛や死恐怖心をあおることで大衆を支配しようとしたからである。
作中、ウィンストンは幾多の拷問にボロボロになっても耐える強靭な精神の持ち主だったが、その彼ですら、最後には、彼が生理的に嫌う「ネズミ」を突きつけられ、ジュリアを裏切ってしまう。意外なほどあっけない諦め方だが、ウィンストンが、究極のところで人として許容できなかった一点が示されていて、興味深い。
・「ニュースピーク」という手法
我々の思考が言語によってなされている以上、その言語そのものを滅ぼし、単語を削ってしまえば、我々は思考すらできなくなる。
我々がたとえば「政治的自由」といったことについて思考しようとしても、「それらには名前がなく、したがって想像もできないものにな」り(p.466)、議論する前から「非良い」ものとして簡単に論破され、排斥されてしまう。表現する手段がないからである。
言語がいかに我々の思考を構築しているか、逆に言えば我々がいかに言語に頼って思考を構築しているのか、ということに気づかされる。
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二重思考。圧倒的な支配。
正しいこととは、良心に従うことではなく権力者に従うことなのだろうか????
今、公表されている事実は真実なのだろうか????
真実に気付いたとき、どう振舞うのか????
現代社会にも十分通づる世紀の問題提起!!!!!
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■古典の名作と呼ばれる作品を読むことなんてまずないんだけど、これは某Blogで「新訳版」が紹介されていたのでつい手に取ってしまったんだよね。(笑)それにしても村上春樹の「1Q84」がこれだけ話題になっているタイミングで新訳を出すななんて出版側はもしかして狙っているのかも?(笑)ちょうど先週末の職場キャンプに持って行って読み出したんだけど、金曜深夜にB級映画を見ていてボケボケだった(^^; 土曜日の午前中に読了。←なのでキャンプの「空に文庫」の画像はこの本ね。
■ ストーリは旧ソ連の独裁体制時代を表現すべく「ビッグ・ブラザー」がスターリン、「ゴールドスタイン」がトロツキーにあてはめるのが正しい読み方...みたいな論評もあれこれと見たんだけど、逆にテクノロジーが発達した現代に置き換えて考えると管理社会の恐ろしさみたいな部分が炙り出されてくるように感じたんだけど。きっと、いつの時代も「自分で考えて、自分で決める」ことを手放しちゃいけないんだよね。それが許容されるかされないかの違いだけなんじゃないかと。
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やっと読み終わった。内容は、全体主義下での「二重思考」についての話だった。
言葉とかが難しくて、一回読んだだけでは理解できないところもあったので、何回か読み直したいと思う。
物語自体は面白かった。
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この作品は、3章構成になっていて、すごく上手く構成されていたと思う。
1章でジュリアやオブライエンなどの後々の重要人物を出し、ジュリアを疑わせ読者を主人公の目線に引き込む。
2章でジュリアからの思わぬ告白から共犯者の意識が芽生える。その後、オブライエンという権力を持つ同士の出現。増々、主人公の思想が加速。
3章でついに主人公が思考警察に捕まり、色々な謎が暴力や拷問とともに読者には解けていく。そして、党の思考と主人公の抗い。そして・・・。
何日もかけて読んだけど、なかなか考えされられた。面白い言い回しとか理屈とかあったので良かった。拷問描写等はなかなかすごかった。
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村上春樹の「1Q84」もいいですが、ぜひこちらも読んでほしい。
1949年に書かれた「現在」を感じさせる物語。オーウェルの描いた未来にあなたは何を感じるだろうか。
新訳版がおすすめです。
(福岡教育大学 学部生)
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図書館の本
内容(「BOOK」データベースより)
“ビッグ・ブラザー”率いる党が支配する全体主義的近未来。ウィンストン・スミスは真理省記録局に勤務する党員で、歴史の改竄が仕事だった。彼は、完璧な屈従を強いる体制に以前より不満を抱いていた。ある時、奔放な美女ジュリアと恋に落ちたことを契機に、彼は伝説的な裏切り者が組織したと噂される反政府地下活動に惹かれるようになるが…。二十世紀世界文学の最高傑作が新訳版で登場。
なんというか、映画「リベリオン」みたい。あ、リベリオンがこちらに似ているのかもしれませんね。
思想統一?無気力?それで人を管理しコントロールしようとする世界。
それでも人は恋に落ち、愛情を抱くのよね。
思ってしまうのはしょうがない、ある意味反応だもの。
それをおかしいと思わなくなるか、それがあたり前と思うようになるか、そこがポイント。
老人がビールの量の測り方で主張していることが、人の生き方なのかもしれません。
1984 by George Orwell
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読み終わった感想が、ひたすら「怖い」と感じるものでした。
ホラー系ではないのですが、ここまで洗脳(なのかな?)させられそうになったのは初めてです。
自分は本の世界に入り込んでしまうことがあるので、後半はやばいと感じてしまいましたね;;
人間の思考って操作できないようなもののようで、簡単に誘導できるものであると感じるような。
とにかく、はっとさせられることが多い読み物でした。
もう一度読むときは、「読み手」として読みたいと思います。
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1Q84に続きこちら。
思想の自由はもはや無い
そんな世界。
古いようで現代的。
恐ろしかったです。
でも良かった!ぜひ!
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ソ連を連想させる近代全体主義国家の物語を描くディストピア小説.著者は「36年以降に真剣に執筆した作品はどの一行をとっても,直接間接に,全体主義に反対し,私の理解する民主社会主義を擁護するものである」と言ったという.
本書は全三章の構成になっている。一章では描かれる世界に驚嘆と嫌悪を感じ、二章ではそんな世界にあって現実感のある恋物語に、ある種の親密感を感じ、三章では物語の結末に、これまでの小説とは違った、読了後の虚無感と満足感を感じた。
物語を読み誤まってしまったので、物語の展開と予想の歯車が空転してしまったけれど、ひとまず、この世界構造がが大きく変わりうるという可能性の具体的想像や、全体主義の2つの種類(個人の幸福の抑制の有/無)が存在する可能性などを得られ、そして純粋に小説としても楽しめたので良い読書だった。
訳者あとがきによると、英国での「読んだふり本」第一位だそうで。ひゃー恐ろしやオソロシア…と楽しめる本なので、まだ読んでいない方はぜひどうぞ。
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物語が中盤で劇的に動くのが良い。
そしてハッピーエンドとはいかないのも、原作が発行された時代の社会情勢を考慮されてのことだろう。
このような現実的問題とフィクションが高い次元で融合しているのが本書である。
読むと今の時代がいかに平和かがわかる。
そしてこのような社会じゃなくてよかったとホッとするはずだ。
描写もリアルで平成生まれの自分からするとある意味近代的空間である。