紙の本
時効廃止
2021/05/19 13:03
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投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
平成22年4月時効が廃止された。その結果、長野県で起きた一家三人殺害事件は時効で、女性殺人事件については時効がなくなった。この二つの事件が新たな事件を引き起こす。時効成立後、一家三人殺人事件で警察がクロと断じていた容疑者が警察に出頭し、罪を認めた。しかしその犯人が殺害された・・・。
被害者遺族と加害者の関係は計り知れないものがあり、永遠に理解しあえないのでしょうね。
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殺人事件の被害者遺族にとって、加害者は絶対に許せない存在だろう。その身になってみなければ想像もつかない。
しかも、時効制度のあるころは、その壁に耐えがたい無力感を味わっていたことだろう。
現在は、時効が廃止され、生きている限り加害者を追いつめる。けれども被害者遺族にとっては、時は解決せず、何の癒しにも慣れない。まさに「氷の秒針」。
加害者もその行為から一生逃げ出せない現在、時効後に名乗り出た犯人が殺されるという事件と、時効前に犯人が名乗り出る二つの事件を中心に、その被害者遺族をめぐる社会はミステリー。
二転三転の劇的な展開のあと、最後の救いに読者も癒される。
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凶悪な2つの殺人事件。
一家惨殺事件に、若妻惨殺事件。
地道な遺族達の運動が実り、公訴時効が撤廃された。
しかし、一家惨殺事件の方は、法律の施行日前であったため、時効が成立し、若妻惨殺事件は、継続して捜査が可能となった。
やがて、一家惨殺事件の時効成立を待って、殺人犯が自首したものの、何者かによって殺害される。
果たして、犯人は、遺族達の中にいるのか?
複雑に絡むストーリー。
二転三転する真実と、人の心の奥底に見え隠れする本当の想い。
運命に翻弄される遺族達や刑事など、行き着く先に待ち受ける本当の真実とは?
夫婦の愛、親子の愛、師弟の愛などなど、なかなか言葉では、伝えきれない想いの数々が見えてきます。
殺人犯の息子を遺族が引き取り、時計修理職人として仕事を仕込む姿は、非現実的とはいえ、ホロリとさせるものがありますね。
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3月-15。3.0点。
妻を殺害された時計店の主人、容疑者はいるが逮捕されず。
一方、一家が殺害され、一人生き残った女性。被害者の会で知り合う。
時効撤廃となるが、片方が時効、片方が継続と明暗が。
双方とも解決とは言い難い結末。重く暗い感じが続くが、ラストに救いが。
サラッと読める。
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殺人罪の時効が撤廃されたが、平成七年に起こった、一人娘の小岩井薫を遺して一家3人が惨殺された小岩井事件についてはそれが適用されず、限りなく疑わしい鮎沢誠二を逮捕することができないまま、ついに時効を迎えてしまう。しかし鮎沢は時効が成立した途端、自首して自分が犯人であることを認める。
時効が成立した小岩井事件と、主人公の原村が妻を殺害された時効撤廃対象の殺人事件、2つの事件について描かれる。同じ被害者という立場でありながら、なかなか心を開くことができない原村と薫。事件を追い続ける刑事や加害者の息子の不良少年など、最終的にいろいろ繋がっていたけれど、ちょっとご都合主義かなぁと。