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ある男の敗残の人生を酷く赤裸々に映した傑作戯曲(名作!)。読者は(あるいはその舞台の上に観客は)哀れで惨めな蝕まれたような主人公に、またはその息子たちに自分の似姿を見つけることだろう。苦々しい思いがこみ上げてくるのは突きつけられた現実(人生の無惨)を生々しく呼び起こさせるから、ごまかしを払って敗北の真実(ほんとう)を照らしだすから。
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第二次世界大戦後のアメリカが舞台。60代なかばの父親がセールスマンのしごとを首になり、自分の息子に夢を全て託すも、息子は定食が定まらず女遊びにかまけている有様。成功した兄や幼かった息子の輝かしい未来を夢見ていた時代を幻覚し、独り言が耐えない。
最後、自分の死の保険金を息子にやれば、自分の成功した息子という夢を潰さなくてすむと考え自殺する。
辛いので読み返せない。胃が痛かった…。
この本はタタール人の砂漠の感想で触れていたのがきっかけ。
戯曲の台本なので小説よりも描写がすくない。そこは物足りない。
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この歳になってようやく理解できるようになった作品。
人生を浪費すれば、つけがまわってくる。
人生を甘くみれば、しっぺ返しされる。
盲信は不幸しか生まない。
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歩合だけで 隠退なさってしまった 海軍工廠しょう 農奴が水桶を 当時としては斬新だったフラッシュバックの手法で過去を挟みながら たいげんそうご大言壮語する内容空疎なアメリカ男を描いて らくはく落魄の老セールスマン 心の襞 女優マリリン・モンローと結婚していたことでも知られる
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舞台を観たことをきっかけに、本気で読みました。
歳を重ねたせいか、ウィリーも、リンダも、ビフもハッビーも、なんだかまずいなあと思いながら読みました。ウィリー→ハッピー→リンダ→ビフの順にまずい…
でも、若い頃はそのまずさに気づかなかったし、この話の深さがわからなかった。
誰が悪いわけでもなく、現代にも通じる…
セールスは、資本主義に必要だが、人として生きることをやめさせてしまう…
そんな風に感じないで、セールスが天職の人もいるのでしょうが…
追記
ウィリーは本当はどうしたかったのか…
リンダがビルの話に乗らなかったことは責められないけれど…
こういう家族は今もあるでしょう。
ところで、読む前は「サラリーマン」の話と思っていたふしがあり…バカです…
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1949年に初演された戯曲。
セールスマンの仕事に誇りを持っていた主人公ですが、年老いて仕事もうまくいかなくなり、生活も苦しくなります。期待を押し付けた息子との確執や、先の見えない現実から逃げるように、過去の幻影が現れます。良いことばかりでなく、都合よく書き換えてきたであろう記憶も、思い出したくないことも。
このあたりの居心地の悪さは、きっと自分の若い頃には気づけなくて、もしかするとバカにしてしまったかもしれない。でも今は、強く共感しています。
70年以上前に書かれたと感じさせない作品でした。
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段々ときつくなっていく…。正直、ウィリーを過去の栄光にしがみつく不甲斐ない男だと思ってしまった。現実にいたらそれこそ厄介なおじさんってかんじ。
でもこうやって作品で昇華されると何ともやるせない。
舞台上でみたいと思った。