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ネトフリの全裸監督を観て、気になって原作を購入して読んだ。
村西とおる、本当に生命力とユーモアと狂気に満ち溢れていて大好きだ。
尊敬するところを挙げるとたくさんあるが、まずは上昇志向と漲るエネルギー。それと、自分にも他人にも正直すぎるくらいに正直なところ。自分にも他人にも真っ向から挑んで、そしてあきれられ傷つけ、だけどそれの何倍もたくさんの人を味方に、虜にしていく様は本当にすごい。
あと、よく成功者が語られるような、どんな状況でも楽しくとか、そういった陽の人間では決して無さそうなところに僕は強く惹かれているのだと思った。ドラマ「全裸監督」と、この本を読んでの印象になるが、夢を語ったり、夢に破れたりしながらも、あくまで淡々としているように見える。ジャングルの奥地での撮影で、食べ物がないとなったらその辺の木に穫っている実を食べる。他にも数えきれないくらい様々な逆境に立たされるのだが、どんな状況でも、内心はそれこそ借金地獄の時に目から血を吹き出すくらいに限界なのだろうが、それでもどこか淡々としてみえる。そこに狂気ととてつもない生命力を感じる。それがどうしようもなくかっこいい。こうなりたいと思う。
また、僕がこの本、というか彼の人生で好きなところは寧ろ転落するところにある。人間そのものを見ているようでゾッとする部分もあり、そこに無性に惹かれる自分がいる。
自分が経験してみたいかと尋ねられたら迷わず首を横に振るが、こんなジェットコースターのような人生にどこか憧れている自分がいる。
そして、読んでいると、不思議とエネルギーが溢れてくる。
20代の時に成功したビジネスが失敗し無一文になっても、30代で億万長者になり、そのあと再び失敗し借金50億抱えても、それが40代後半で子供と奥さんがいても、それを寧ろ原動力に20年以上かけて返済し、その間も7度も逮捕されたりヤクザに攫われたりといったいくつもの苦難を乗り越えつつで、そしてネトフリでドラマ化、かっこよすぎる。
それと、仕事一筋だった彼が、子煩悩になった話は感動した。学校への体裁を守るために、エロ以外で借金返済に奮闘する様にも。
疲れた時やうまくいかない時に読んだら、頑張ろうなんて陽の言葉よりも、自分にはこの本がすごく効くだろうと思った。