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21世紀になっても戦後イデオロギーの呪縛から逃れられない古事記。日本書紀の神話解釈に真っ向から取り組んだ意欲作。日本神話への強い共感を感じずにはおれない。
というより、それがありすぎて非常に読みづらい。どこまでも喧嘩腰だし。
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古事記・日本書紀などの日本古代神話について、神話はあくまで神話なのだから、そのまま神話として解釈すべき…とある意味乱暴に括ってしまっている本。
主義主張はともかく、世の学者の説を真っ向から否定し続けることに終始。著者自身がどのように解釈しているのかがさっぱり分からない。例え神話といえども、人が考え出した物語なのだから、そこには何かしらの解釈や言いたいことはあったと思うのだが、そういった観点からの解釈も全くない。
せっかく、古今東西の神話を比較しているのだから、さらにもう一歩解釈についても何かしらの意見を聞きたかった。
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確か以前一度読んでいるはずと思いながらも、内容を全く覚えていなくて再読。
現代の日本神話研究者の多く(日本人に限る)が陥っているおかしな思い込みを舌鋒鋭く批判する著作。
神話は神話であって神話以外の何物でもない。
この自明の理を日本の日本神話研究者の多くがあえて見ようとせず、奇妙奇天烈な理屈をつけて「日本には神話は存在しない」と主張する。
これらの“日本を代表する”神話研究者たちの論理にもなっていない論理の矛盾を丁寧に抉っていく快作である。
みずから後書きに“いわば専門学者のわるくち”と言っているように、完全な確信犯であり、それだけに説得力抜群である。
ここでコテンパンにやっつけられている諸先生方の著作も少しは読んだことがあり、それぞれの説に疑いをさしはさむどころか納得・感心していた自分の迂闊さに恥じ入るばかりである。