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投稿者:みなみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
王道のストーリーではあるけれど、まみずとの出会いで一人の男の子が変わっていくさまには考えさせられた。ここまで人は変われるのだと。発光病という病はこの世にないからこそどんどん読み進められた。泣くまではいかないけど命の尊さを教えられました。読んでよかったです。
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★第23回電撃小説大賞《大賞》受賞作
【選考に関わったすべての人の心をしめつけた、圧倒的感動作がここに――】
大切な人の死から、どこかなげやりに生きてる僕。高校生になった僕のクラスには、「発光病」で入院したままの少女がいた。月の光を浴びると体が淡く光ることからそう呼ばれ、死期が近づくとその光は強くなるらしい。彼女の名前は、渡良瀬まみず。
余命わずかな彼女に、死ぬまでにしたいことがあると知り…「それ、僕に手伝わせてくれないかな?」「本当に?」この約束から、止まっていた僕の時間がふたたび動きはじめた――。
読む人みんなが涙――この圧倒的感動に、山口幸三郎、綾崎隼も大絶賛! “今を生きる”すべての人に届けたい、最高のラブストーリー。
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結末が分かっている物語は、過程で決まる。と、当たり前のことをそれっぽく言ってみたけど、第23回電撃小説大賞の大賞受賞作2作目は、高校生の愛と喪失の青春小説だった。
正直、昨今この手の展開には食傷気味だったが、本作は台詞で良さを出している。謎の不治の病は演出のためのパーツと感じてしまったが、男女が一冊のノートを通じて心を通わせていくさまは、突飛さはないが温かい。そして互いの本心をさらけ出していく箇所の台詞の勢いが良い。
構成の緩急に違和感を感じる箇所はあれど、全体はまとまっている。また読んでみたい作家。
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すごく、まっすぐで素直な登場人物と物語だった。
大筋はあらすじの通りなのだけれど、とにかく登場人物みんながとても素直で優しい。
主人公や姉の気持ちを共感することはできないし理解も難しい。でも、そんな彼が先を見つめるまでの姿はとても眩しくて、あぁ、よかったね、と素直に思える。
キラキラ眩しい青春ではないけれど、彼らのこの日々は私にはまさしく青春に感じられた。そっと月夜に輝く、そんな儚くも綺麗な日々。
泣けはしなかったけれど、ラストの彼女のメッセージはあまりにストレートで愛しくて切なくて、胸がきゅっと締め付けられた。
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ボーイ・ミーツ・ガールの喪失と再生の物語、架空の不治の病である発光病がヒロインを美しくみせる物語でもありました。
ロミオとジュリエットを演じる前夜、主人公が病院に忍び込み、看護婦さんに拿捕され説教を受けるシーンが印象的でした。第3者から見た離れている2人の関係を語らせることが手法的に良かったのだと思いますが、あとは大人な物言いがカッコ良かったですね(笑)。
第23回電撃小説大賞《大賞》受賞作、デビュー作にしてバランス感が良い物語でした。
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第23回電撃小説大賞、大賞受賞作。
帯には『探偵・日暮旅人』シリーズ著者の山口幸三郎先生、『ノーブルチルドレン』シリーズ著者の綾崎隼先生のコメントがあり、二人の作家が好きな自分はコメントを読んで「そこまで言うなら…」と購入。
題材は悪くないと思う。大切な人の死を経験したことのある人には響くところのある作品。
が、描写がわりとさっぱりしていて小説らしい深みがないと感じる。この表現なら漫画でもよいのではないか? とすら思う。
主人公が男子高校生だから…と思っても、やはりもう少しひねりが欲しい。
「これが大賞受賞作?」と正直思ってしまった。
個人的にはコメントは誇大広告という感じがした作品。
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ヒロインが病気で余命宣告されている状況で、男の子が「死ぬ前にやりたいこと」に付き合う、という「キミスイ」と同じ筋書。そういう意味では、"こういう系"が好きな人にはウケるだろうな~。はい、まあまあ好きです。(^^;)
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ブクログの100冊プレゼントでいただいて読みました。
不治の病に侵された少女と死を身近に体験した人々の物語。
生きることは死ぬことよりも難しいいんだと思わされた。
2017.3.19
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う~ん面白かった。
これもある種の王道ストーリー。
お手本のような正道ストーリー。
これがデビュー作だって言うんだから評価せざるを得ない。
そりゃあ大賞もらいますわ。
これからこの著者がどのような道を辿っていくのか楽しみでもある。 ここが出発点。
ところでこれは本当にどうでもいいことだが、絵を見る限りDあるようには見えないが盛ったのだろうか。
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★ネタバレしてます★
サクサク読めて、泣ける本を探していて本作品に辿り着きました。
結果、大正解。
姉を3年前に亡くしている高校1年生の岡田卓也。そして、クラスメートではあるが「発光病」で余命宣告されてずっと入院生活を送っている渡良瀬まみず。この二人の切ないラブストーリー。
姉の死のせいか、卓也からは、どこか死が近くにある危うい感じを受ける。まみずの死期が近づき、卓也は自らも死を選ぼうとするが、そんな卓也に生きてもらうために、まみずは最後のお願いをする。その言葉に心打たれました。
「私のかわりに生きて、教えてください。この世界の隅々まで、たくさんのことを見て聞いて体験してください。そして、あなたの中に生き続ける私に、生きる意味を教え続けてください」
『君の膵臓をたべたい』(住野よる)や、『半分の月がのぼる空』(橋本紡)などがお好きな方は、この本もお気に入りになるのでは?、と思います。
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最近本を読んで泣かないことの方が少ないので、もちろんこれも盛大に泣いた。泣く本は電車で読むないからなかなか読み進められなくて困る。ついでに、泣くともう本の内容とかどうでもよくなって、ただただ登場人物の境遇と現実とを比べる旅が始まるので、感想も書けない。本当に困ったものだ。
そんな中1番心に残ったのは割ってしまったスノードームを修復したところ。私が小さい頃に割ってしまったあのスノードームも直せるのかなぁ…。
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電撃小説大賞受賞作、という文言に惹かれ購入。
読みやすく、人の命の重さ、残された人たちの心の描写が上手く書かれている。
主人公たちが十代という、繊細さ・危うさ・脆さが、どこか儚くて淡い光のように瞬く。まるで、『一条の光』のように・・・。
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世の中にはこの世を生きたいと思っている人と、この世から無くなりたいと思っている人がいる。その2人が交錯したときになにが起こるのか?価値観、情、愛…様々な要素が入り乱れながらも起きる変動が美しい文章と共に描かれている。
命に触れる文献は哲学的な印象を持たれがちだが、この本に登場する高校生たちの立ち振る舞いがそのまま感じられるようになっていて好感がもてる。
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納得して生き、納得して死ぬ。なんて難しいんだろう。
生きている人は「死にたい」とつぶやき、死んでいく人は「「生きたい」と叫ぶ。
でも、多分生きたいんだよ。「死にたい」というその言葉すら、生きたい気持ちそのものなのだよ。
でも、必ず人は死ぬのだよ。それをどう迎えるのかは、人間のまさに一生の課題なのだと思うよ。
そして、生きている人は、それを受け止めなければならない。納得しようのないことも、納得しなければ、自分が生きていけない。
生きていくしかないのだよ。
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十代だったらもっと楽しめたかな。作中でも触れられているけれど、いわゆるサナトリウムもの。
登場人物は若く、その苦悩の仕方もやはり若い。読後感は悪くなく、電撃の読者層には響く作品だったのかなと思う。