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同世代が描かれる小説として、特に「真夏日の薄荷糖」に心突かれる描写があった。
わたしは昔から、本の中に今の自分に必要な啓示を見ようとするのだけども、この小説はまさにぴたりと寄り添ってくれるようだった
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商店街で育った幼馴染の3人。
みひろと、何でもソツなくこなす兄圭祐と、天真爛漫な自由人な弟の裕太。
三人の関係が
ドロドロと、
欲(性欲)によって狂わされていく。
本当に人間らしい、人間臭い話。
ただの恋愛小説でもなく、官能小説でもなく、
性欲をただ、そこにある人間の欲の一つとして描いた感じ。
ただ、ちょっとみひろ、モテすぎじゃないかな?
イケメン兄弟2人に愛されて、
他にも、、、
感情移入が出来ない!
何というか、欲だけのせいにして、
もっと頑張れよ!と。
単純に自分に重ねると思ってしまった。
何でそんなにも愛されるのか
何に悩んでいるのか
そういったことはあまり描かれていない。
ただ、性欲という一点を基準に物語は進んで行く。
本当にそうだと人間はすごく純粋な生き物なんだろうな、と思った。
実際はそこにさらに色んな欲や情が絡んで絡んで複雑になっていく。
そういう、人間の本質のような性欲を、
エロいものではなく、
真正面から向き合って描き切ったのは
窪さんの作風そのもの。
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久しぶりにオーソドックスな小説を読んだ気がする。
女性の描く恋愛小説というのは男性と違いなにか血なまぐさいというかドロドロした印象を持つことが多く、この本も主人公の一人であるみひろが主観のときにはそれが感じられた。
大きく心を揺さぶられることなどはなかったが面白く読むことができた。
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深く、くらい、ハッピーエンド。
同じ商店街で幼馴染として育ったみひろと、圭祐、裕太の兄弟。 圭祐はザ長男、裕太はザ末っ子という性格だった。 「いんらんおんな」と言われるみひろの母や不倫をしていた圭祐の父親。 セックスレスなみひろと圭祐の関係。 どうしてもしたくなるみひろ。 みひろのことをずっと好きだった裕太。 色情や色恋を中心にみんなの誰かと繋がっていたい感情が入り混じる。
話は3人の視点から時間を追って進んでいく連作短編集のような感じ。 みんながドロドロとしたものを抱えているけど、みんなハッピーになろうともがいている。
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なんと表現したらいいのか。
一人一人の心情が重々しくて、生々しくて、読んでいてきついところも結構あった。
けれど、最終的にはそれぞれが「許されて」これから先に希望を持って進んでいける、そんな話。
父と子を捨てた「インラン女」と呼ばれる母親をもつみひろ。
そのみひろを大切に思う圭祐と裕太の兄弟。
心のつながりと身体のつながりと。
どちらかだけじゃダメなのかもしれない。
だから人間は面倒だ。
読後感がなんとも言えず。
「ふがいない僕は空を見た」もこんな読後感に浸れた気がして、この作家さん、結構好きなんだろうな私。
解説が尾崎世界観さんで、それもまた面白い。
【やさしくて、そして、だらしなく人を許す】
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各視点のオムニバス風な作り
愛のカタチ…
SEXという男女の関わりの大事さを個人個人で語る。
夫婦とは。男と女とは。SEXの関わりとは。
家族って。浮気ってホントに悪いの?
色々考えさせられた。
最初、僕には全くなかった考えが半分以上あって
体が、頭が、拒否反応。
けど、あーそーいう考えもあるのかと受け入れたら、ストンと落ちてきた。
人との関わりって難しい。。。
人との温もりって難しい。。。
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同じ商店街で幼なじみとして育ったみひろと、圭祐・裕太兄弟。家族が抱える問題に子供ながら正面に向き合った彼らが、大人になってから迎えるそれぞれの事情。交錯する三人の想いが読み手の心を揺さぶる恋愛小説。
感情移入したのは圭祐。子供の頃に出会った父の愛人との関わりが、後の彼の人格を形成したと思う。長年に渡って守る強さを求められ壊れそうになった彼が、偶然出会った風俗嬢のミミ。男は弱い生き物だからこそ、ふくらみを感じる女性を自分だけの女神と感じる。
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心の闇 心の声 ほんとうの気持ち って感じで、あまり、ハッピーにはならないけど共感したい人が読むとぐっとくるかも
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性欲は動物にとって必要不可欠なものだけど、様々な厄介ごとを持ち込む。
うまく付き合っていかないと、不純な感情は巨大に膨れ上がり、自制が利かないぐらい狂暴になって破滅へと向かう。
そんな性欲に振り回される人間のダメさ・だらしなさが痛々しいほど赤裸々に描かれている。
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見て見ぬふりをしてしまえるような感情や欲しいものに対して、わざわざ気付いて自覚して葛藤して、だめな自分を律しようとしながらも、一度芽のでたものには抗えない人たちのストーリー。
自覚してしまった想いは簡単には捨てられないもんね。それぞれの苦しんでいる理由がとても人らしくて、感情移入しやすかった。
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本の帯に西加奈子さんの名前があったので買ってみました。「よるのふくらみ」っていうタイトルにもなんとなくひかれたし。
率直に言うと、僕はそんなに…でした。
「女性の性欲」もあんまりないようでよくあるし、兄弟で一人の女性を取り合うのもよくあるし、しっかり者の兄(カッコいいけどなんか硬い)とお調子者の弟(ドキドキしないけど素でいられる)というのもよくあるし。かといって「おおすごい」という文章もあまり無かったし。
自分の息子同士が近所の女の子を取り合って、一度兄と子供作って流産までしたのに、今度弟の方と結婚、子供を作ったっていうのに素直に喜んでいる母親もどうかと思うし、当の兄弟と女の子もどうかと思うし。もちろんそれが設定として駄目とは思わないんです。でも結構えげつないので、もっとえげつなーく書いてほしかったんです。もっとその流れが納得するくらいエログロに。兄の方とセックスできないからといって、わざわざ弟を選んでしまう程に女の子は弟に狂っているようには見えませんでした。なんか成人向け漫画(エロじゃなくて)とかドラマとかでいいような気がしてしまう。
ちなみに僕は弟みたいなタイプ、嫌いです。空気よめないし自由にやってるくせに真面目にやっている兄に勝手に劣等感抱いて、しかも結局選ばれるのは面白味のある自分っていう…。この作品に限らず、真面目タイプは結局闇落ちしてお調子者タイプがハッピーエンドなんだよな~真面目な方がよっぽど努力しているっていうのに…。
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痛い。心のどこかが。そして、やさしい。
恋愛の、タイミングの重要さ、一瞬で終わる脆さ。
汚い と 尊い が交錯する。
いつも感情は一言では伝えられないのに、過ぎていく言葉は一瞬で、それの答え合わせもできないまま口から弾き出されていく。その重さと、思考と表情(みていないのにね)が生々しくて、夏の匂いが肌にまとわりつくんだよな。
そして尾崎世界観の解説が好きだった。
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ふとした言葉が、自分の今までの何かと重なったりして、ドロッと血のように体に流れる、そんな感覚を何度も感じた。
彼氏の弟を好きになったりとか、本の内容と同じ経験は全く無いのに、なぜか生臭い、リアルな、体に入って残るようなこの感覚は、読んだ人ならわかってもらえるはず。
結局、人と人との繋がりとか、男と女とか、恋とか愛っていうのは、頭で考えるんじゃなくて、本能で感じるものなんですね。
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セックスと夫婦の関係をテーマに、相手を「許す」という心の葛藤を描いた作品。
緻密な心理描写に、「ああ、私生きているな」と実感がもてる。窪美澄らしいなと本作でも感じる。
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生物のしての本能と社会性との関係について考えさせられた作品。
女性の作家がここまで本能をストレートに表現しているのに官能小説的ではなく、むしろ哀しさと愛おしさを感じるのは、余計な意図を含ませずに素直に書いているからだろうか。