紙の本
必要以上に不安をあおっている部分に読者はのせられないようにするべき
2011/08/16 00:16
20人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る
第 1 章では福島第一原発事故を検証している. 政府や東電の発表からわからない部分は 「わるいほうに」 推定している. そのため,不安をあおっている面があることは否定できない. だが,「チェルノブイリの教訓からより多くのことを学んでいく必要がある」 という指摘はそのとおりだろう.
第 3 章では放射線の人体への影響とそれをさけることについて書かれている. 著者はわずかな放射線でも人体には悪影響があるという立場にたっている. これは世界的にみとめられてきた仮説だが,現在は疑問や凡例もあげられているが,著者はそれについては (まったくではないが) わずかしかふれていない. これも公平な態度だとはいえないだろう.
著者は原発の危険性をできるだけ客観的に書こうとしているのだろうが,すくなくとも必要以上に不安をあおっている部分はあり,読者はそれにのせられないようにする必要があるとおもう.
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311以後の初の書きおろし。
こちらのまとめを読んで読みたくなった。
小出裕章参考人の全身全霊をかけた凄まじい原発批判がわかりやすすぎる!(文字おこし)
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65737210.html
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「安全な被曝は存在しない」(閾値”しきいち”)なんて存在しない。
安全な地球環境を子供や孫に引き渡したいのであれば、その道はただ一つ。「知足」しかありません。
これが一番大変なんだよなあ~・・・。
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一気に惹きつけられて読みました。私は今までも、原発を安全だとは思っていませんでしたが、かといって恐ろしい事実を直視しようとも思いませんでした。今、福島第一原発の事故を目の当たりにし、何が事実かを知らなくてはならなくなった時、TVや新聞は「ひとつになろう」「頑張ろう」と言うばかりで本当のことは伝えてくれませんでした。この本に事実がわかりやすく書いてあります。この国難に小出先生がいらっしゃることに感謝しています。
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京大の先生。ニコニコ生放送で小出先生の番組を見てすごく読みたくなった。もともと希望を持って原発の研究を始めたけど、今は反原発の活動をしているんだって。真面目で誠実そうな人だった。
福島の作業員が着ていた紙の防護服は、プルトニウム239を防ぐためのもの。プルトニウム239はアルファ線をだしている。アルファ線は透過率が低いので、紙で防ぐことができる。
プルトニウムは人類が遭遇した最凶の毒物と言われている。核分裂反応が起こっている場所で発生する。
けれど、この防護服ではヨウ素131、セシウム137、ストロンチウム90を防ぐことはできない。
LNT:Linear Non-Threshold
アメリカ 1950年~ 被曝の健康影響を調べる寿命調査
囲い込み 長期間
広島・長崎の近距離被爆者 約5万人
遠距離被爆者 約4万人
非被爆対照者 約3万人
『朽ちていった命』NHK東海村事故取材班
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長年「反原発」を貫いている著者が【原発・原子力って何?】を、分かりやすく、丁寧に説明しています。
「豊かな生活を支える」電力を供給する原発、あまりにも大きい代償でした。
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原発は百害あって一利なし! 言い切るぞ、私は! この期に及んで原発推進なのは、無知か利権か核兵器持ちたいかだけ。
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今、福島の子供たちが晒されている現状を思うと子を持つ親として涙が出る…国民全員が責任を持って考える義務がある。マスコミがいかに無責任か、是非読んで考えて欲しい…
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ウェブに流れていた、小出先生のプレゼン動画を見て興味を持ち、この本を買いましたが、内容は同じでした。しかし、2回繰り返したことで、内容がするりと入ってきたのでOKです。電気の安定供給のために原発も必要悪としか思っていなかった自分の思考停止度を改めて恥ずかしく思いました。
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40年にわたって原発の危険性を訴え続けている京大原子炉実験所助教授、小出裕章氏による書き下ろし。被曝量の影響にしきい値はないとして、その危険を訴える。具体的な数字とあまりに杜撰な原子力施設の現状に憂鬱になるが、ここで思考停止してはならない。よく学んで考え、行動しなくては。
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現在問題になっている原発について40年もの間研究し、反体制、反原発者として戦ってきた学者。
福島がこういう状況になって改めて原発というものを知ろうとした時、あまりの情報の少なさに呆然とした。
そんな中で作者の声はアンダーグラウンドからじわりじわりと響いてきた。最初はラジオの片隅から。それも地方局。
そしてインターネットにのり、やがて大手メディアへと反原発者の声として京都大学原子炉実験所小出助教(講師)が広く知られるようになっていった。6月現在、小出氏はもはやネット上の神のような扱いをされているが、実際には彼はそれを望んでいないことが、この本を読むことではっきりと伝わってくる。
氏が望んでいるのは面子や名声や収入の増加ではなく、真に「原発をいますぐ54基止めてくれ」という願いだけだ。
氏が言うように「今すぐ原発をすべて止めても、日本は電力不足にならないか」や「電気代が高騰するのではないか」などといった不安からくる疑問にすべて答えている。
なぜ危険か。なぜやめるべきなのか。なぜ都会に作れないものを人口が少ないからといって地方に負担と危険を押し付ける形で建築してきたのか。
ただし、地球温暖化などの問題については現在世界的基準とされている二酸化酸素による地球温暖化説に疑義を呈しているので、これは意見が分かれてくるだろう。
僕は専門家ではないので判断はつかないが、ここから見えてくるのは、このようにして「科学」というものがいかに曖昧な定義しか構築できないかということ。
モノの見方、角度、各々の利益と不利益によって定義が180度変わることがあるというもの。それが現在扱われている「科学」となってしまっているということ。
それはたぶん、科学を真摯に研究し続けてきた熊取6人組にとっては悲しい限りなのだろうと推測する。
科学はデータ化され、実証されるものであるはずなのだ。経済や私営企業や政治や行政の意見で左右されるようなものではないはずだ。
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一人の学者の方の良心に基づいて、
原発についての見方が示された本。
放射能の怖さ、一般に語られている原発なくして電力供給は
賄えない、という論説のごまかしと、
原発を放棄したばあいに覚悟しなければいけないこと、
がとても腑に落ちる冷静な言葉で語られる。
原子力を志し、そのおそろしさを知り、以来原発反対派の立場で
活動を続けてきたという著者の言葉には、
行動の裏付けのある説得力がある。
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本書の構成は、
第1章 福島第一原発はこれからどうなるのか
第2章 「放射能」とはどういうものか
第3章 放射能汚染から身を守るには
第4章 原発の常識は非常識
第5章 原子力は「未来のエネルギー」か?
第6章 地震列島・日本に原発を建ててはいけない
第7章 原子力に未来はない
福島第一原発事故で、すでに原爆80発分の放射能が拡散してしまったそうで、
まだ事故が収束していないことを考えると、最終的にはもっと増える可能性がある。
政府は、放射性物質が検出されても
「ただちに健康に影響を及ぼす量ではありません」
と繰り返しているが、どんなにわずかな被爆でも危険であるということは、
国際的な研究グループがみな認めている。
例えば、アメリカ科学アカデミーの放射線の影響を見当する委員会は、
「被爆のリスクは低線量にいたるまで直線的に存在し続け、しきい値はない。
最小限の被爆であっても、人類に対して危険を及ぼす危険性がある」
と結論づけている。
誰にも管理できない「核のゴミ」を大量に垂れ流す原発を止めても困らない。
原発はすべて止めるべき。
以上が、小出先生の結論。
今、一番知りたいエッセンスが盛り込まれ、文字数も多くありませんので、短時間で読めます。
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とてもわかりやすい。まずは現実を知ることから。被爆の様子が生々しくてやるせなかった‥。こんな小さな島国でとてつもない恐怖と隣り合わせで生活してるんだね‥。
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これまでネットでみていた情報、テレビで見ていたドキュメンタリーで知ったことが、この本を読んでもっとよくわかった。とてもわかりやすく説明されていた。ことの重大さは十分理解できたが、必要以上に怖がらせる内容ではないため、落ち着いて読めたのもよかった。