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原発事故はまだまだ終わっていない。
朝日新聞のコラムを書籍化。
内部被爆を広島・チェルノブイリの例も交え詳しく解説。
政府側の対応を時系列で客観的に実名で記載。
このコラムで今後どう事態が好転するのか、否か、またみてゆきたい。
20年後、30年後の日本人に見届けて欲しい一冊。
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民間企業の社長は、従業員に「死んでくれ」とは言えないし言ってはいけない。その意味で「撤退などあり得ませんから」という菅元総理の言葉は、強力な踏み絵だ。原発に何かあった時には、スタッフの人命は優先されないという前例が出来たが、関電の社長にその覚悟はあるのだろうか?
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朝日新聞もやればできるんだと言うのが第一感、主観を省き事実を書く。誰の発言かを明確にすると言う方針が奏功したようだ。
官邸、対策本部のコミュニケーションの無さ、何とかしたいとあがく末端の研究者、医者に対し責任のがれに終始する官僚機構。国民がパニックを起こすのを恐れてと言いながら対策を取るべき組織が全く機能して来なかった。パニックに陥ったのは対策本部だったようだ。
SPEEDIのデーターは官邸に上がらず無駄になった。
放射線衛生学の専門家木村真三は地震直後すぐに現地入りするが労働安全衛生総合研究所からはストップがかかり、辞表を出した。調査結果はNHKの企画で一度没になるも復活し放射能汚染地図がオンエアされる。
気象庁では1954年から続いていた観測に3/31予算がつかなくなり研究中止となるなか研究者の青山道夫はサンプリングを続ける。予算は研究に対して出されているが研究だとデーターをすぐに公表できない。モニタリングと言えばそれで続いたはずが財務省も文化省も放射能関連の予算を緊急モニタリングに回したいと考え、気象庁は自ら予算を取り下げた。青山は海洋汚染の論文をネイチャーに発表しようとするがチェルノブイリ事故の汚染の1万倍と言う表現のため所長に反対され掲載は見送られる。
総理官邸では地下の危機管理センターに地震情報が集まり、中二階の小部屋を原子力対策に使い始めるがこの部屋は携帯が圏外で電話も2本、対策本部としては役に立たない部屋だった。
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朝日新聞連載加筆まとめ、保安院を悪者扱いしているが将来どういった真実が明らかになるのか。これもまた記録の一つ。
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本書は朝日新聞のルポルタージュ連載記事の書籍化したものです。連載は現在でも続いているそうです。ここでは福島原発事故による放射能汚染は、なぜこれほど多くの被害者を生んだのか。という事が語られております。
僕は日ごろ朝日新聞を読んでいないので詳しいことはわかりませんが、この連載は単行本化された後も続いているみたいですね。それはリアルタイムでは読まずに続編が出たら読むことにいたします。それはさておいて、この本は朝日新聞にて連載された「3・11 あの日いったい何が起こったのか?」という記者がまさに足で稼いだ情報を元につづったルポルタージュです。
これを読みながら、やはりマスコミの組織力はすごいなぁと思ったと同時に、これだけのことを震災当時、リアルタイムに報道してくれればよかったんだけれどなぁと一抹の怒りと寂しさを覚えてしまいました。読んでいて思うのはまさに「隠蔽工作」とも解釈できるような政府側の対応の数々で、放射能の知識がない一般市民に問い詰められても「緘口令」が敷かれていて一切数値を公開しない場面などを読んでいると、まさに「棄民」だなと、登場人物の一人で、自らの職を擲って現地の調査を行っていたたたき上げの学者と同じことを考えてしまいました。
さらに、ほかの文献でもあぶりだされていましたが、政府中枢の混乱振り、これも際立っておりました。まさに「囚人のジレンマ」とも呼ぶべき様子を呈しており当時の菅直人首相をはじめとする閣僚たちは個人的には事態を収縮しようと躍起になっているのはわかるのですが、集団になると混乱し、支持系統がめちゃくちゃになっていたり、肝心の情報が届いていなかったりと、まさにカオスの様相を呈している場面が事態の重さを物語るものでありました。
そのほかにも現在でも被曝を伴いながら現地に留まる人間と、「夜逃げ」のように避難する人間との「相克」が描かれたりと、いつ終わるとも知れない「原発災害」の重さを教えてくれる一冊でありました。
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福島第一原発に関し、朝日新聞が紙面上で特別チームをつくり調査報道しているシリーズのまとめ。
すべてが真実ではないかもしれませんが、綿密な調査、当事者からの聞き取りをもとに官僚も含め「誰がどうしたか」を実名で取りあげた迫真の報道です。
保安院、原子力安全委員会等官僚側、東電、そして官邸。
組織の甘さ、癒着が引き起こした機能不全。
それは一番弱い立場である我々、福島の人々にふりかかります。
無味無臭の放射能として。
連載はなお継続中。
そして福島第一原発もなお収束とは程遠い。
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朝日新聞連載の福島原発事故を振り返ったノンフィクション。連載は今も続いています。関係者の苦悩と無責任さと組織の硬直性に感動したり呆れたり。星4つ
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震災については、まだまだ考えて、語り継がなければならない。
パニックを起こすから、不安を煽るからと情報を出さずにいた政府や県に苛立ちを覚える。
あの時原発で何が起きていたのか、それを知る為に必要な一冊。
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原発問題…今まで目を逸らしていたけど、これは現在進行形で起こっている事実なんだと再認識。遠い昔の戦争体験談とは違う。
だけどまだ、対岸の火事にしか思えない自分が情けない。現地に行かないとダメかな。
ただ、登場人物が多すぎて人物関係が把握できないのが難点。
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おわりににあるように「徹底的に事実を書き、主観は省こう」「為政者の目から見た動きではなく、ふつうの国民の視点で書こう」が徹底されており、ひっかかるところがなく、読めます。何が起こっていたのか、どんな人たちがそこにいたのか、どんな活動があったのか、内容が充実していると思いました。新聞連載のときはなかなか集中して読めなかったので、本にまとまって良かったです。
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福島原発事故が起きたあとの住民、官邸、自治体のさまざまな動きを粘り強く取材した朝日新聞の連載。担当した特別報道部は「愚連隊」と呼ばれ、部屋の入り口には、取材元のポチにはならないという意気込みを込めた「脱ポチ」宣言が掲げられているそう。
最初の浪江町で避難所がなく一つの家に集まった25人の戸惑いは緊迫感にあふれていた。放射能の情報はなく、ただ必死に災害と向き合わなければいけなかった。一方の官邸では機能不全が起き、情報収集もテレビを通じてしかできない。危機感を感じた専門家は自ら現地へと向かう。「何もするな」という組織の命令を振り切って。
大それたタイトルだと思ったけど、何もすることができない技術の脆弱さを認識せずに、受容していた事実が、大それたことだったかもしれない。
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購入書店:楽天kobo; 読書環境:kobo Touch; コンテンツ形式:EPUB; 備考:他の書店からはすでに「2」がXMDF版で出てるのに楽天koboではまだ販売していない(2012/9/15)
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(図書館に入ってます)
みんなは政府っていと、すごく頭のいい官僚や、決断する政治家の集まりだと思っているかもしれないね。でもこの本を読むと、そんな思い込みがひっくり返される。
東京電力・福島第一発電所の事故のとき、首相の菅直人や経産大臣、官房長官は、情報もない、携帯電話すら通じない「オペレーションルーム」で、東電社員と怒鳴りあっていた。原発の図面さえどこからも来ず、福島原発に行ったことのある原子力安全委員長が記憶を頼りに、「たしか建物のどこかに、冷却のためのディーゼル発電機が増設してあったような……」とか言っている間に、原発が爆発してしまう。
その情報も、テレビからしか入ってこない。
まだある。こんな非常事態には「SPEEDI」という放射能の拡散予測システムが動くことになっていたのだが、経産省も文部省も、システムが存在すること自体、わざと首相に知らせなかった。それで、大量の放射能が降った飯舘村の人々の避難が遅れてしまった。飯舘村に放射能が降ることは、事前にわかっていたのに……!
「プロメテウスの罠」は、朝日新聞の連載を本にしたもので、今も連載されている。他の記事は、「経産省によると」とか、「事情通によれば」など、誰が言ったかはっきりしない書き方をしているのだが、それをやめて、政治家も官僚も、すべて実名で登場して、失敗や手抜きを指摘される。だから政府関係者にとっては、「プロメテウスの罠」が一番怖いとも言う。ということは、一番うまく権力を監視しているということでもある。
さて、プロメテウスというのは、ギリシャ神話に登場する人物のこと。彼は神のもとから「火」を奪い、人間のもとに届けた。そのために、人は食べ物を煮炊きすることを覚えて、今のようになった。核・原子力また、神の領域から届いた「第二の火」なのかもしれない。この火は大量の電気を造るけれども、どこにも捨てられない核のゴミも生み出し、福島事故を引き起こした。どうしたら私たちは、この「罠」から脱け出すことができるのだろうか。(A.O/非常勤)
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朝日新聞で連載していたのを不定期に読んでいた。連載当初はかなりショッキングな内容だったと思ったが、今改めて読み返してみると、あまり驚かない。当時いかに情報が少なかったのかがわかる。
特に官邸での事故対応のドタバタは、こわい。と同時にちょっと笑える(不謹慎かもしれないけど)。 本書に書かれていることがすべてを表しているということはないと思うし、間違いもあるかもしれないけど、ただ言えることは、こういった複数の人間が物事を為す時、絶対的に必要となることは”情報”だということかな。 判断が間違っていた、いやあっていた。といってもそれは後から出てくる話。その時々にいかに精一杯考えて結論を出したかが重要だと思う。そのためには正しい情報を的確にインプットされたか。が大事だと思う。
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史上最悪の放射能汚染は、なぜ起こったのか? 研究者の辞表、観測中止令、無主物の責任、官邸の5日間…。官僚・政治・東電の罪を問う。
2012年度石橋湛山記念ジャーナリスト賞。新聞協会賞も受賞し、今も朝日新聞朝刊に連載継続中だが、本書に限っては後から証言を集めたばかりでイマイチ迫力不足(第6章「官邸の5日間」以外は)。それでも秀逸だったのは、原子力安全・保安院がSPEEDIを使って正確な放射能拡散予測をしていたのに、その事実を菅総理は朝日新聞のこの連載を読んで初めて知り激怒した、という笑えない喜劇。また発生直後の政府の発表に、戦時中の大本営発表と同じ匂いをかぎ取った人も多かったという。東電批判とともに、連載自体が裏返しのマスコミ批判になっているのかもしれない。
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