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国の「お偉いさん」たちと、福島で苦しんでいる人は、表面上は同じ「人」でも、違うんだな。
国の「お偉いさん」たちの作る社会で生きていく以上、その社会にとって都合のいいルールに従わなければならないけれど、頭の中だけは自由でありたい。
研究者、学者という仕事は本当に大変だな。
特に、民間ではなく国から研究費などをもらってると、国を批判するデータは出せないもんな。
それでも、己の誇りにかけ、予算を削られても自分の研究を正しいと主張できる研究者の話を読むと、沈まぬ太陽の恩地一を思い出す。
自分には出来ない。
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いざという時に、純粋な判断ができるか。やるべきこと、諦めるべきこと。
原発事故が起きました。
被害者たちの現実と、やるべきことをやろうとした人たちと判断ができず、諦めることができなかった人たちとの戦いが書かれています。
放射能は専門知識がないと、理解が難しいし、どう対処していいかもわからない。何が真実かはわからない。でも、事実はある。事実を受け止めて、やるべきことをやりなさい。個人として、組織として、国として。自分の欲は捨て、できるだけ多くのために。
一人の命と大勢の命は比べられないが、大勢の贅沢と一人の命は比べられるのではないか、と私は思う。
人為的被害や、私欲やおごりによる被害拡大は非常に腹立たしい
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各々の視点に立って原発事故についてまとめたドキュメンタリー。
当時の緊迫感があまり伝わってこないのは残念。原発事故以外に津波や地震によって大きな問題が起こっているのに、この影響を排除したのは謎。(別に悪いという意味ではありません)
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原発事故の裏側で、我々が日常的に「国」と呼んでいる政府(官邸)や官僚機構がどのように動いていたかに光を当てた報道連載。特にSPEEDIがなぜ避難に活用されなかったのか、東電の本店と現場の危機感の違いなどを読んでいて、そもそもに普段からのコミュニケーション不足も大きく今回の事故の拡大に作用したのではないかと感じた。
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読み終わって思った事、やはり東電トップと原子力安全委員会、保安院はクズ。民主党は支持してないけど、当時の政府は頑張ったと思う。
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現在も朝日新聞紙上で続く、福島第一原発事故とそれが引き起こした放射能汚染に迫ったルポルタージュの書籍化第一弾。
まあとにかく全てのエピソードでやりきれない憤りを禁じ得ない。
特に第一章の「防護服の男」、浪江町赤宇木地区に8月まで留まった三瓶ヤスコさんが文部科学省の作業員に言われたというこの言葉は衝撃的。
「今だからいうけど、ここは初め100マイクロシーベルトを超していたんだ。そのときは言えなかった。すまなかった」
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福島原発の事故の当時
関係者が研究者が何を考えどう動いたか朝日新聞が取材連載した記事。
類似書がいくつもあるが、多くの当事者へのインタビューを基に真実がみえてくる。当事者の能力や立ち居振る舞いがどうだったというより、やはり想定していなかったということの罪の重さがみえる。
しかし不測の事態を想定するということが官僚機構が最も不得意とするところだろう。ではだれが想定するべきなのか、自分の身は自分で守るしかないと思った。
危機管理の在り方を考えるに絶好の本。
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いまや朝日新聞の〝看板〟ともいえる連載シリーズをまとめた本。現在、本としては3冊目が出ている。その一冊目。(なぜか関連会社の朝日新聞出版からではなく学研が出している)
本1冊に6つの連載がまとめられている。出来不出来の差はあるが、1冊目には勢いを感じる。『防護服の男』『官邸の5日間』あたりが緊迫感があった。日本の話ではないが、『学長の逮捕』が個人的には好み。
日本の報道姿勢に手厳しい、ニューヨーク・タイムズのマーティン・ファクラー支局長もこの連載には好意的だ。(連載開始の遅さも指摘していたが)
朝日新聞の特報部という存在も面白いが、他の部(政治とか社会)とその姿勢が乖離しているような気がして、購読者としてはちょっとちぐはぐな感じを受ける。
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東京新聞「レベル7」と並びたつ朝日新聞連載の福島原発事故ルポルタージュ。読売や産経もこのくらい力の入った特集を組んでから原発存続を主張してもらいたいもんだ。社説で「原爆製造能力を失う」なんていう言っちゃお終いよ程度の主張しているようじゃ天声人語と変わらんのだよ。
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福島第一原発事故を追った、朝日新聞の連載記事を
まとめた一冊…これ以降も連載は続き、本書は冒頭巻にあたる。
新聞紙上で断片的に読んでいたが、一度きちんと
目を通しておきたくて手にしたのだった…
なにをどう云おうが、これが現実なのだろう…
本連載記事をうけもった特別報道部のスタンスは、
報道に身を置く者でなくとも、忘れてはならないことだ。
ポイントは実にシンプル…
・徹底的に事実を書き、主観を省く。そして、わかりやすく書く。
しかし、現実は程遠い…本書から一例をひく…
―放射能は誰のものか。2011年夏、それが裁判所で争われた。
・・・(中絡)…答申書で東電は放射性物質を
「もともと無主物であったと考えるのが実態に即している」
としている。
つまりは、こういうことなのだそうだ…
「飛び散ってしまった放射性物質は、もう他人の土地に
くっついたものだから、自分たちのものではない」
こうした言い換えがあることにさえ、むなしさを覚える…
ボクたちは、こうした言説を読み解いていかなければ、微塵も
現実を知ることができない世に投げ込まれているのだろうか…
自分の身は自分で守れ…などとは、よく言われることだが、
知ろうとする姿勢はどうあるべきかを省みる契機になった。
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マーティン・ファクラーというジャーナリストが著書『「本当のこと」を伝えない日本の新聞 』でこの本を高く評価していたので、遅まきながら読んでみた。結論から言うと、読む価値をあまり見いだせない残念本だった。感想を纏めると以下のような感じ。
・文章に問題がある。とても新聞に掲載されていたとは思えないような、文章の欠落や不整合があちこちにある。正確さが命の新聞でこのような情報の「抜け」は受け入れ難い。
・内容も良いとはいえない。取材における聞き取りは「後日談」的なものばかり。この連載の企画スタートが震災の3か月後からという事と、「特報部」という部署の特性が自然とそうさせているのかもしれない。でも自社の現地取材による情報ほど説得力のあるものは無いだろうに、そういったリアルな情報は皆無である事に違和感を覚える。部署間の連携が良くないのかな。あるいは、クロスオーナーシップや記者クラブの存在が記者たちからジャーナリズム精神を奪ってるんでしょうか。
・引用元の記載がない。情報の粒度・内容からして取材ではなく二次資料を引用してるんだろうなって箇所があるけど、引用元の記載がどこにも見当たらない。なんだか不自然で気持ち悪い。
以上です。。ほんとは被災者の声や、身を挺して圧力と戦った技術者、関係者の事を丁寧に取り上げている点を高く評価すべきなのかもしれない。でも上に挙げた理由から、本全体の信ぴょう性が薄れ、どうにも評価のしようがなくなってしまった。
そういえば良い点もあったや。全体的に簡潔な書き方になってるのは好感が持てた。官僚の実名記載も話が明瞭化されるし、何より信頼性が向上する。あと記者の実名記載にも拍手を送りたい。本書の内容はさて置き、記者の方々にはジャーナリストとしての誇りと責任を忘れずに頑張ってほしい、と願う気持ちが自然に湧いてくる。
最後に、本編とは関係ないけど、朝日新聞社の役員(出版当時は取締役)で、日本記者クラブ会長でもある吉田氏による「まえがき」が面白かった。たった2ページで違和感や嫌悪感を存分に味わうことができる。特に締めの一文は秀逸だった。「読者の皆さんがまだまだ続く朝日新聞紙上での連載にも熱いご声援を送ってくださることを願ってやみません。」このように謙虚さゼロな上に何かを大きく勘違いしてそうな前書きを、私はいまだかつて見たことがない。熱いご声援て、おまえは選挙カーか。まえがきで読者から読む気力を一気に奪い、猜疑心を与えた状態で本編へ誘うなんて高度な技は常人には思いつきません。こんなもん増刷のときこっそり削除しちゃえば良いと思う。
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P134「被害が出てくるのはこれからです。66年前の原爆で、被害者がいまだに国を相手に裁判を起こしている。これが現実です」
続きも読む!
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2011年3月11日の東日本大震災のレポート。前半は被爆にあった避難民の話、後半は原子力爆発の可能性に対する官邸でのやり取りの話。一部はニュース等で知っていたが、活字で読むとやはり臨場感がある。政治家と東電のやり取りを読んでいると東電(本店)の無責任な対応がやはり目につく。
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福島の原発事故をめぐるルポルタージュ。2011年10月3日から朝日新聞に連載され、今も続いている。これを読むと、原発事故への対応がいかに杜撰になされてきたのかが実によくわかる。菅首相(当時)をはじめとした官邸は努力は傾けたようだが、いかんせん能力に限界があった。しかし、何よりも問題があったのは、原子力保安院と原子力安全委員会である。信じられないことに、保安院の院長は経済学部卒の官僚で、技術的なことは何もわからなかったのだ。そして、SPEEDIを活用することなく、あたら人的被害を拡大させてしまった。
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明らかに記者クラブから離れて書かれた記事。役所の広報機関と化してしまった現在の新聞の中で調査報道と言える数少ない記事。このような記事が出てくることはいいことだと思うが、いまいち問題の本質に迫ることができていないと感じた。
メディアの一連の震災報道についての分析、反省が無かったのが非常に残念。