投稿元:
レビューを見る
江戸時代のダ・ヴィンチと呼ばれた国友一貫斎の半生記。もともとは火縄銃職人なのだが、創意工夫が好きな発明家気質で、空気銃、天体望遠鏡、灯油ランプ、万年筆などをほぼ独力で発明した実在の人らしい。
エジソンもそうだが、とにかく失敗してもメゲない。失敗作の山を築きながら改善点を治しさらなる工夫を重ねて少しでも完成品に近づける、そのモチベーションが素晴らしい。
ただ残念ながら、損得勘定の観点から考えれば、必ずしも良いものでもないだろう。実際作品中でも「それをなんぼで売りまんの?」と突っ込まれるシーンも再々出てくる。夢をまことにするなら、現実(まこと)のツラさも克服しなければならないわけで…。
それでも、モノづくりに一意専心こだわり続け、空気が読めなくなって周りが見えなく、周囲から「変人」呼ばわりされても、気にせず自分の生き方を貫く姿勢。それでいて弱気な時は人の忠告に青ざめてうなだれる素直さ。こういう人物の生き方は読んでいて心地よい。下手な自己啓発本より勇気もやる気も沸いてくる。
「工夫し改善していくことの楽しさ」ならモノづくりじゃなくても、マラソンでもクライミングでも、仕事だけでなく趣味や生活の中でいっぱい味わえるやないか!
そう思えてきて、無性にソワソワとなってくる作品である。
投稿元:
レビューを見る
2018/5/23
下巻。
上巻であまりにも長期間村をほっといたので心配していたのだけど、村の家族もできた人で何の問題もなかった。
やはりできた人にはできた人が集まるのか。
ずっとやり続けて楽しいと思えること、情熱を傾け続けられることが羨ましい。
だいたいなんでも5年ぐらいで飽きちゃうんだけど、資質の問題かしら。
5年で極めるわけではなく、5年ぐらいでぶち当たる大きさの壁を越えられてないような気がする。
中途半端やねんなぁ、何やっても。
投稿元:
レビューを見る
ついに天体望遠鏡を完成させる。
現代ではありふれているネジや鏡も、イチから手作業で作るとなると果てしない苦労があると分かる。
潜水艦や飛行船まで夢想してしまう人間の想像力。