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宮下奈都さんの文は、やっぱりあたたか。
自分がここにいる意味。
誰かの何かになるのは 素敵なこと。
私も、昔は 自分がこの世界にいる意味
わかってたんだけどな…。
全部、こぼれてどっかいっちゃった。
ふぅ…。
アカン、暗いぞ!!
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初めは何の接点もなかった二人が徐々に近づいていく、純文学的な小説。感動的。年代がいくつかのパートに分かれて書かれていくので、順を追って物語が理解できる展開。運命の人は「しるし」によって見つかるのだそう。3月に出会って、12月に出産というのは少し日にちが合わないのが気になるところですが、すぐに結婚したのはしるしによって結ばれたからとは納得のいく展開。
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めちゃくちゃ地味な話だった。大どんでん返しも、トリックも、あっと驚く奇跡もない。
だけど、二人の不器用なハルが生きてきて、偶然(半分は偶然じゃありませんが)出会って幸せなしるしを見つけるハッピーエンド万歳な話でよかったと思います。
あと、しるしちゃんが一人っ子なのが地味にリアルだなと思いました。ハルくんと子ども、二人の面倒見るのハルちゃん大変だったと思う…。
あと、不倫の社内恋愛してた会社でずっと働き続けられるって、ハルちゃんめっちゃメンタル鋼鉄だなと思ったり。サラっと書いてあるけど、かなりすごいと思います。
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遠く離れた場所で所在を過ごしてきた二人のハル。出会うべき人と出会う奇跡を描いた愛の物語。
現代の『赤い糸』伝説とも言うべき、素敵なラブストーリー。そして何よりもうれしいのは、二人の間に誕生した子ども『しるし』を主観とした章があること。最後の彼女の作文が、ストーリーの味わい深さを与えている。
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最後が駆け足気味で物足りなさは感じた。
けど、温之の不器用さも、遥名の器用貧乏なところもそれぞれ愛しさを覚える。
等身大で背伸びをしない人物描写が魅力的。
温之が遥名に会ってから、実際震災で迎えに行くまでを知りたいなー
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宮下奈都さんって田舎の紳士服店のモデルの妻に続いて2冊目かな?
ADHDなんじゃないかと思える主人公の幼年期とか、ちょっとストーリー展開に無理がある部分も感じましたが、今回も大当たりの内容でした。
私自身というか、誰もが小さいころってADHDみたいな部分ってないですか?
心の中にもう一人の人格が違う自分が居たり、ある一点に集中していたり・・・
だから、この主人公の後半の生き方が嬉しくなります。
宮下奈都さん、これからも他の作品を読んでみようっと。
お勧めですよ。
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人は過去からの時間的連続性の中で形成されていくが,しかし過去に縛られることはない,という存在意義のあり方を柔らかな筆致とともに描く.
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優しいお話
震災のような出来事があった時に 自分が無事であるかどうか 誰かに考えてもらえるような人になりたい
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しまった、文庫の裏であらすじを確認してしまったので、読む楽しさが75%減少。しかし、裏の解説で75%も減っちゃうってどうなんだ。てか、運命的な出会いに「おいおい」とか思って心がふるえなくなってる自分もどうなんだ。
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理解してほしいと願うことなく
在るがままの強さ、そのことへの一方的な敗北
ひとりであること、
時折、だれかを感じること、
そのだれかがじぶんを思ってくれること、
涙を流してくれること、
ひとつひとつ雑にせず
湧き上がる感情をたいせつにすることは
自分に対する敬意
とても好きな物語だなと感じたので
受賞作「羊と鋼の森」も読む気になった
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周囲から浮かないように、過剰に空気を読み居心地の悪い中学校生活を送る遥名。
逆に、空気を全く読まず、興味のあることに夢中になると周りが一切見えなくなり、落ちこぼれてしまった少年ハル。
そんな二人のハルが出会うまでの、それぞれの成長や足取りを交互に描いた連作風長編小説。
二人のハルの肩先から見える世界は息苦しい。
特に少年ハルは発達障害というのか、学校の集団生活に全く馴染めず、読んでいていたたまれない気持ちになりました。
遥名もうまく学校で立ちまわるものの、不器用すぎて生きづらさを抱えている様子は自分の10代の頃を思い出して切なくなります。
終盤、紆余曲折あった二人が運命的に出会うシーンでは、世界を肯定する強い力がみなぎっており、圧倒的な多幸感を感じさせてくれます。
いろんな幸せの形について描かれており、考えさせられました。
幸福とは何か、他人から見たら不幸であっても誰がそれを幸せではないと決められるのか。
幸福を測る物差しは人それぞれ、そんな思いにさせてくれる滋昧に満ちたお話でした。
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宮下奈都さんならではの優しい文体だった。
遥名の「周囲とうまくやるための処世術」も 、温之の「周囲は関係ない、自分の道を行く。それでいい」が、対極にあったため展開がどうなるのかとても気になりながら読んだ。
しるし、かあー。
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年齢も性別の違うふたりのハルが互いに出会うまでを交互に描いている小説。情景もテンポも良く読みやすいけど、最後の残りページを見てこれで話がつながるのかなと少し心配になった。案の定、たたみかけるようなまとめ方にちょっと強引さを感じたものの、伝えたいことは伝わってきたような気がする。ちょっと遠回りしても無意味なことだと思っても、誰かの役に立ってないと思っても、人生において無駄なことはなくて出会うべくして出会って、出会うために今までの自分があって。そのしるしを見つけることが大切。そしてそれはたぶん見つけるのではなくて見つかるもので、心で感じるものなんだろうな。
”人生には意外と勘が大事です”
”本当に大事なものって自分で見つけるしかないの”
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宮下奈都さんの物語にでてくる、少し不器用でまわりとちがう、
どうしたらいいのかわからないような人の
でも決して見放さず、どこかにあたたかい手のひらがあってくれるような描き方は
いつもとてもすきだ。
でも、このお話、
震災をのぞいてかいてもよかったんじゃないかな…
かくとしても、現実のものとはリンクさせない方が…
震災のための、震災を受けた物語、という部分のほうが目について
純粋に気持ちよく終われなかった、きがする。
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出会いを矢の飛んだ先とすると、これまでに矢の飛んできた軌跡は全て必然に感じてくる。
嫌な思い出でも意味があったと思えれば、人生を少し前向きに振り返られる気がする。