紙の本
『ふたつのしるし』
2017/05/08 20:02
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投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
周囲とあわせることのできない落ちこぼれの温之(はるゆき)
目立たないように生きる美しい優等生の遥名(はるな)
二人の持つ二つのしるしが3月11日に二人を結びつける
不器用な生き方しかできない二人のハルの心ふるえる物語
2014年刊の単行本を文庫化
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斜に見てしまうのだけど、そこをサラリとかわしてしまう押し付けのない描写。
忙しさに感けて、いろいろなことを見逃さず「しるし」気づくことが出来たらと。心から思う。
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宮下さんは、現在活動中の日本の作家で多分一番好きだ。文章が良い。気取ったところがなくて、読みやすいところが非常に好み。心の中にすうっと入ってくる。ごく普通の人達の人生を丁寧に描く所も好きだ。この小説にもその2つの良さが発揮されている。二人のハルの物語。どちらのハルも不器用だが、一生懸命に誠実に生きる。その生き方に共感した。二人の生き方が交錯するのは、日本人の誰もが忘れられない日。宮下さんの小説の中では地味なプロットだと思う。それでも、その地味さゆえに心に深く染み入るところがあって、感動は大きい。
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美しい顔を眼鏡で隠し、田舎町で息をひそめるように生きる優等生の遥名。早くに母を亡くし周囲に貶されてばかりの落ちこぼれの温之。遠く離れた場所で所在なく日々を過ごしてきた二人の〝ハル〟が、あの3月11日、東京で出会った――。何度もすれ違った二人結びつけた「しるし」とは? 出会うべき人と出会う奇跡を描いた、心ふるえる愛の物語。
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一度、読みはじめのリズムが合わず、
本を閉じてしまっていました。
少し経ち、お風呂用の本として
「よし」
と思い開き直しました。始めからです。
読んでよかった。ありがとうございました。
そう宮下奈緒さんにお伝えしたい。
あたたかな気持ちになれました。
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型を意識せず不器用に突き進む男の子と、型にはまらないと不安な女の子。
正反対の2人が築く"しるし"が繋がっていくお話。
それにしてもこの作者は何者なんだろう。ストーリーが頭に浮かびつつ、こんなにサラサラと胸に届く言葉がちりばめられるのか。びっくりしながら、あっという間に読んでしまった。
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20170423 不器用な生き方。周りを気にして迎合する人がほとんどになっている現代なのて同じような二人が出会う事で丸く収まるのは必然かもしれない。
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心がふるえた。
優等生の遥名と落ちこぼれのハル。
出会うべき人と出会う奇跡。
解説にもあったが、「ふたりのしるし」ではなく「ふたつのしるし」というところがまた良い。
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読み終わってみれば、そんなに特異な物語ではないのに、一気に読んだ。何にそんなに引き込まれたのか、まだ不明(笑)
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さらっと一気読み。文章はやっぱりとてもきれいで、詩的。ただ、内容はするするーっと進んであっという間に終わってしまって、あまり何も残らない感じ。心落ち着かせたい時にさっと読むのにはいいかも。
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楽しみにしていたGWももう終わり。最後は家族と恒例の京都新聞杯。京阪電車での往復の中でサクサクと読み進む。
自分が興味のあることしか目に入らないせいで周囲に貶されてばかりの温之(はるゆき)。
ひたすら目立たぬよう作り笑いで居心地悪い日々をやり過ごす遥名(はるな)。
歳も育った環境も異なる二人のハルの生活が交互に描かれて行く。
巧みに練られた話で、静かで精緻で落ち着いた文章も感じ良いが、少し出来過ぎ。
遥名のようにすかさないと生きていけない感じは良く分かるけど、いささか面倒くさいな。
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まっすぐで不器用なハルと、真面目で頑張り屋の遥名
ふたりの子供の頃から、大人になるまでのお話が
少し苦しく思えるようにリアルで切なくて
出会ってくれてありがとうと思う
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読みやすい文章、あったかい言葉ってこういうことなんだな。
作者の言葉選びが私はすごく好きだなって思った。
ストーリーは思ってた話と違くて(それは自分の問題ですが)少し残念。
じんわりと2人の距離が縮んでいき、生まれてから出会うまでお互いに向かって歩みを進めてきたんだなって思うと、すごく素敵な気がします。
ただ私はもう少しドラマチックな恋愛ものだと期待してたので、物足りない!笑
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自分は人とは同じように出来ない、どうして人と違うのだろうという気持ちが少し軽くなって私にもしるしが見つけられるだろうかというほんのり明るい読後感でした。宮下さんの作品は静かで優しい。私も誰かの役に立てる日が来るのかもしれない、そう思っていたいです。
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遥名と温之、2人の「ハル」が出会い、一緒になるまでを書いた短編集。語り手が男女一人ずつ出てきた時点で、一緒になる結末は予想できたが、二人が出会い、一緒になるまでのきっかけというか過程が急すぎる気もしないでもない。でも人と人が出会うまでは色々な経験(しるし)を経ていくものだということは言えるかな。感想はこんなところです。