紙の本
手軽で、小さいわりに質の高いお買い得な本
2015/03/19 10:59
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ががんぼ - この投稿者のレビュー一覧を見る
シェークスピアに手軽に触れたい時に便利な本である。
といっても著者も言うように、どちらかというと入門書というよりは、
ある程度既にシェークスピアに馴染んでいるけれども忘れているのを思い出したいとか、
知らないものも含めて全体を見渡したいというような場合に使いたい本だろう。
何しろシェークスピアの話はけっこう派手に展開するので、
粗筋だけではよくわからないことが多く、この本も例外ではないからだ。
シェークスピアそのものにはやはり直接何かの形で接してみるのがいいと思う。
各種よい翻訳があるし、
原文で読みたければ、大変とはいえ、対訳などもある。
読みやすく書きなおした物語集もあり、英語でも日本語でも入手できる。
また原作の映画化作品や、さらにはシェークスピアを元に翻案した映画などもいろいろあって、
簡単に見られる時代である。
もちろん、この本が新しい物語を楽しむきっかけになることもあるだろう。
コンパクトな新書だし、シェークスピアは作品数も多いから、
情報量としてはそれほど多くはない。
しかし紙数の限られた中で、
四大悲劇、その他の悲劇、喜劇、歴史劇、問題劇、ロマンス劇、詩、というふうに
作品をジャンル分けしてそれぞれを概括し、
それからそれぞれの作品について、
粗筋、登場人物相関図、背景、見どころ等のポイント、
そして名セリフまで英文付きで載せてくれているというのは、
ありがたいまとめ方というべきだろう。
著者はシェークスピア研究の最前線を行く人のようで、
それだけに詳しくはない中でもおっという解説もいろいろあって、
お買い得な一冊になっていると思う。
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「『マクベス』って、結局どんな話だったっけ?」
日本人は意外と知らない。しかし欧米人は、誰もが知っている。
究極の教養──それが、シェイクスピア!
40作品すべてと詩作品について、「あらすじ」「名セリフ」
「作品のポイント」「登場人物関係図」をわかりやすく掲載。
つぎのセリフは、どの作品にあるものかわかりますか?
「最悪だなどと言えるうちは、まだ最悪ではない」
「弱き者よ、なんじの名は女」
「何事にも潮時というものがある」
「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ」
「まことの愛の道は、けっして平坦ではない」
「まずは、信じる心をもっていただかなければなりません」
「慈悲とは、無理にしぼり出すものではない」
「人生は歩く影法師、哀れな役者だ」
「恋を語るなら、ささやいて」
「絶望して、死ね! 」
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その名の通り、「あらすじで読むシェイクスピア全作品(戯曲40作と詩編)」。「手っ取り早く筋を確かめたり、登場人物名や人物関係を確かめたり」(p.3)するためのもので、四大悲劇、その他の悲劇、喜劇、歴史劇、問題劇、ロマンス劇、詩のジャンル別に、あらすじと人物相関図、鑑賞のポイント、名台詞が紹介されている。著者曰く、「本書は、入門書というより、すでにシェイクスピア作品を読んだ(はずの)人の覚書としていただくのがよい」(p.4)ということで、シェイクスピアそのものの面白さを味わったりする感じの本ではない。
というのも、シェイクスピアの作品は人物が多すぎて、いくら相関図を見ても、誰が誰に何をしてどうなっているのかよく分からず、ましてあらすじを一通り読んだだけではほとんど意味不明。なので、シェイクスピアを知らない人が読んでも、あんまり楽しめるような本ではないと思う。そういう自分も読んだことがあるのはごく少数で、芝居でいくつか見たことがある程度、あとはタイトルしか知らないものばっかりで、ただあらすじを読むだけなので、あまり面白いとは思えなかった。『尺には尺を(Measure for Measure)』ってタイトルからしてどんな作品だろうと思っていたけど、「死よりも名誉を重んじる古代ローマ的価値観」(p.200)が当時のカトリックの自殺禁止と相容れない感覚とか、「『人は己が測った物差しで自らも測られる』というヘブライ語の表現」(同)というのが、なんとも印象深く、読んでみたい作品の1つだった。(16/06/27)
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タイトルの通り。
本書を読んだからと言って原著が読みやすくなるのかは不明。。。
登場人物の関係図だけが参考になるかな。
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今までも、これからもシェークスピアさんを読むことがないのでザックリと全作紹介助かります。これで英国人はじめアングロサクソン系の人々と議論できるかも、そんな知り合いはいませんが
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著者はシェイクスピア研究者。
シェイクスピアという名前は知ってるし、ロミオとジュリエットとか作品名も知っているけど、ではその物語の内容はというとよくわからない。そういう人に助かるニッチな本。
それぞれの作品の複雑な人間な関係を紐解き解説し、あらすじを書く。
自分が今住んでいる地理の利をいかしていつかは劇場に足を運ばないと、とは思うが、近そうで遠い…
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「じゃじゃ馬ならし」や「から騒ぎ」や「真夏の夜の夢」など、普通生活しているうえでもよく聞く言葉の内容を知りたかった。
シェークスピアの全作品を網羅してしるので、手軽に知りたい人には良い。
登場人物が多いので、何度も前のページを見返さないとわからなくなる。
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シェイクスピア・コンプレックスというものがあるとしたら、自分はそれである。
進んだ学科は英文科ではなかったけれど、英語を勉強した者として、シェイクスピアの代表作品とその内容位は頭に入っているのは当たり前という思いにとらわれている。
スタートラインに位は立てるくらいの知識を持ちたいと思い、何冊かそれなりに読んでみたものの、全然面白くなく、理解力の不足によるものかと、少年少女世界文学全集にも手を出してみたけれど、これもダメ。
藁にもすがる思いだったのか、気付いたら今回の新書に手を出していた。
ただ残念ながら今回も同様。登場人物の関係が整理されていたので、なんとなくストーリーの整理がついたものもあるけれど、それでもシェイクスピアの良さを感じるところまでいけない。。。。。
やっぱり舞台で経験しないとダメなのかな〜と思っているが、未だ実現出来ていないのでそれも不明。
先日パーセルの「妖精の女王」を演奏したのだが、ストーリーは「真夏の夜の夢」と同一らしい。これもまた話が複雑なのと、くっついたり離れたり、好きよ嫌いよでよくわからない。
あぁ……いつになったらシェイクスピアを語れる様になるのだろうか????
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シェイクスピア全作品が、ジャンルごとにほぼ執筆順に並んでいて、端的にあらすじや登場人物を再確認するのにとても役立った。
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正直一作もシェイクスピアを読んだことはないがあらすじで関係性やストーリーは雰囲気としてわかった。
それにしても表現力や関係性の作り込みが他にはない水準だと思った。
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この本の帯にある通りで、タイトルぐらいしか知らなかったシェイクスピア作品がざっくり分かる。面白そうなものがあれば読もうかと思ったけど、大体恋愛こじらせて最後死んじゃう印象で、あまり惹かれなかった。。笑
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いざとなれば男は剣を
抜かねばならぬ時代。
愛と名誉のために命を
懸けようと立ち上がる
が、
謀略にかかり投獄され
失意の底で処刑台の露
と消える─
と、どの作品も大体が
そんな筋書きでしょ?
無知な私は勝手にそう
思いこんでました。
ところがどっこい愉快
な喜劇も多いんですね。
利発なヒロインが活躍
するそれらは、
シェイクスピアの印象
をちょっと明るいもの
に変えてくれました。