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ブラックホールに関する本は本当にたくさん出版されていて、今更どの本を手に取るかと言われると、なかなか決定的なポイントがない本も多いです。そんな中、この本の最大のアピールポイントは著者の本間先生です。今年(2019年)四月、ブラックホールの撮影に成功したというニュースが駆け巡ったのは記憶に新しいところ。その観測プロジェクトのキーマンであり、日本での発表記者会見を行ったのが本書の著者の本間先生です。
ブラックホールの観測の何が困難なのか、なぜ撮影に成功すればノーベル賞級の成果と言われるのかという点はニュースを見ただけではいまいちピンとこない部分も多かったはず。本書はあの観測プロジェクトが動き出す直前に執筆されてているので、いかに困難な課題に挑むのか、という点が分かりやすく解説されています。
また「巨大ブラックホール」と「(巨大でない)ブラックホール」の違いや、ブラックホール研究の歴史などにも言及されており、ブラックホール研究の全体像を掴むことができます。
「天体から地球に届く電波は非常に弱く、月に置いた携帯電話の電波よりも微弱な電波を観測しなければならない」、「太陽の50億倍もの質量の巨大ブラックホールといえども、大変遠距離にあるため人間の視力でいえば300万が必要」、「複数の電波望遠鏡の観測データを使用するには、1秒当たりのずれが10兆分の1秒の精度でタイミングを合わせる必要がある」等々、プロジェクトに携わった本人だからこそ語ることのできる分かりやすい例えと、ブルーバックスだけに簡略化しすぎないレベルの解説を両立しています。
著者の”ブラックホール愛”みたいな感情が伝わってくるような本です。
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恒星の終焉としてのブラックホールとは別に、銀河の中心に巨大なブラックホールがあるらしい。実際、本書の刊行2年後の2019年4月に、本書でも記載されていたとおり、M87銀河の中心部分の電波観測画像でブラックホール(正確にはブラックホールシャドウか)が史上初めて撮影され話題になった。そのような巨大ブラックホールについての解説や観測の歴史などについて、比較的わかりやすく書かれている。
「宇宙はなぜブラックホールを造ったのか」も面白かったが、本書の方がより分かりやすい。
宇宙についても、ブラックホールについても、まだまだ人類にとって分からないことはいっぱいあるが、観測技術の進歩により新しく分かったこともどんどん増えている。いまを生きる者として、過去の人が知らなかったことを知ることができることは幸せなことで、この僥倖を生かすべく、できるだけ最新の知見に触れていたいものだ。
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ブラックホール直接撮像チームの第一人者の著書。面白くないわけがない!ブラックホール研究が本格化して、まだわずかの年月しか経っていないとは。歴史を紐解きながら、最先端の未解決問題も丁寧に説明し、ハードとソフトの両面でブラックホール直接撮像の裏舞台を明かしてくれる。新聞雑誌のどの記事よりもちょっと詳しくて嬉しい。
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学がないため理解が追いつかない箇所は多々あったのだけど、例えが非常に上手く、専門的な知識がなくても読みやすい本だと思います。
専門知識がないことが却って、まるでSF小説を読んでいるような感覚につながったような気がする。
「結局、ブラックホールってなんなの?」という小さな疑問から本書を手に取ってみたけれど、
"わからない"ということがそのまま"おもしろい"に直結する結果になり、より大きな疑問が残り、より興味が増しました。
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ブラックホール撮影プロジェクトチーム日本代表の本間希樹さんがわかりやすくブラックホールを説明してくれているBlue Backs。発行は2017年4月のため、2022年5月に話題になったブラックホール撮影成功以前の書籍になるが、ブラックホール予知の歴史、光脱出速度から算出されたシュワルツシルト半径、ブラックホール特徴などがわかるおすすめの本。
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