投稿元:
レビューを見る
商品の説明
一九八四年、台湾で四人の少年たちは友情を育んでいた。三十年後、そのうち一人が全米を震撼させる殺人鬼に。超弩級の青春ミステリ。
投稿元:
レビューを見る
【直木賞受賞作『流』と双璧をなす長編小説】一九八四年、台湾で四人の少年たちは友情を育んでいた。三十年後、そのうち一人が全米を震撼させる殺人鬼に。超弩級の青春ミステリ。
投稿元:
レビューを見る
作者の得意とする台湾土着物だが、なぜか米国での連続少年殺人事件が絡む。
途中で読者の先入観が覆され、瞬間混乱するが、後半できちんと回収される。
「路」ほどのインパクトはないが、作者の特長は十分味わえる。
投稿元:
レビューを見る
『流』に続いて2冊目。東山さんの文章は、金城一紀さんに似ていて好きだな。
さて、今回もやっぱり台湾が舞台。現在の『私』と小学生から中学生までの『僕』とで、2つの時代の物語。
現在では、「サックマン」なる連続児童殺人鬼が捕まり、その弁護士としての「私」の目線から一人称で語られる。
また、1980年代には、悪ガキたちの瑞々しい日々を「僕」目線で一人称で語られる。
現在と過去が交互に語られるわけだが、サックマンはあの男なんだろうなぁと思いながら読むも、終盤でえっ⁉︎となった。
私が勝手に騙されたのか、全くの思い違いをしていることになる。
この物語は、サックマンが誰かという点と、何故連続児童殺人鬼になったのかという点がメインになっている。誰かという点についてはすっかり騙されてしまったが、何故という点については、少し弱いような気も。
でも、逆に納得できたかも。でも、切ない。
それはさておき、この作者、悪ガキの日常を描かせると本当に上手い。痛いほど少年たちの心情が伝わって来るし、私自身、その少年たちの仲間になったような気持ちで読むことができた。
ミステリとしても、青春ものとしても良い小説でした。
投稿元:
レビューを見る
米国で起きた連続殺人事件で捕まった犯人とその弁護士。
二人をつなぐ消えない過ち。
一人称で綴る物語と、少しずつ明らかになる犯人であるサックマンの正体。
直木賞受賞作より好きです。
投稿元:
レビューを見る
著者初読み。
直木賞を受賞した作家さんであることは知っていたけど、受賞作にはあまり興味がなく、この作品もネットニュースで取り上げられていたこと、タイトルからミステリーだと思い込んで読んでしまった…
7人の少年を殺害したことで、アメリカで逮捕された「サックマン」この事件の謎を解く話かと思いきや、「サックマン」が犯罪に手を染めてしまった原因があったと思われる青春時代の話を描いている。
「サックマン」の正体、この物語の書き手である「わたし」が分からないように、ストーリーが展開する。青春時代である1984年と、「サックマン」が逮捕された2015年を行ったり来たりする展開だが、主点が変わるので、私には読みにくかった。舞台が台湾なので、普通にカナ表記されるものを漢字で表しているのも、かなり苦戦した。
友情の物語と称賛している意見も多いが、少なくても、私はこの4人に感情を移入することも出来ず…残念…
投稿元:
レビューを見る
複雑ぅ~。
なるほど、あの人がああなって
この人がこうなって
で、あの伏線が……
でも結局、子供たちを殺してしまわなければ
ならない理由にはならんなぁ。
映画「セブン」を思い出した。
投稿元:
レビューを見る
素晴らしくおもしろい本。読んでよかった。東山さんの本は「流」を読んだことがあり、この本が2冊目。「流」を読み、この本を読む間に、映画「クーリンチェ少年殺人事件」を観た。私にとって、台湾は特別な場所になりました。
投稿元:
レビューを見る
初出 2016〜17「別冊文藝春秋」
まるでノンフィクションのように社会的なリアリティと重みのある作品。この読後感をどう表現したらいいものか。
2016年のデトロイトで、連続少年殺人犯として逮捕された”サックマン”。その弁護を依頼された弁護士が警察署に面会に行く。
1984年の台北で中学生だったユンは仲間の2人の少年たちと日本の漫画やアメリカの音楽、ブレイクダンスなどに傾倒していたが、一人が継父からの激しい暴力を受けていることに怒り、毒蛇を使って殺そうと計画するのだが、手違いで悲劇が起きる。
2つのストーリーが意外な形で繋がっていく。
投稿元:
レビューを見る
30年前、それぞれの事情のもと、絶望し、怒り、それでも家族を愛し、葛藤しながら友と過ごした日々。秘密を、闇を、贖罪を抱きながら別々の道を歩んだ彼らが、30年後に見た現実は?正しいことは何なのか?受け入れること、与えること、罪の重さ、友情。何とも云えぬ読後感だ。
投稿元:
レビューを見る
サックマンという連続殺人犯と台湾を舞台にした1984年の悪ガキ三人組.二つの重ならないはずの物語が交差した時,震えが来るほどの衝撃を受けた.どこで運命が狂ったのか,どこにも持って行きようのない運の悪さに,哀しみだけが残った.表紙の絵もどことなく不気味な予感がして,いい.
投稿元:
レビューを見る
20015年アメリカで7人の少年を殺した連続殺人鬼が逮捕された。犯人は台湾人…。というところで舞台は80年代の台湾に移る。兄を亡くし両親と別れて暮らすユン、牛肉麺屋のアガンとその弟、喧嘩っ早いジェイ。4人が過ごした少年時代が描かれる。その中の一人が後の殺人鬼に?!。牛肉麺屋で煮立つ八角とスープの香り、街の雑踏や、暑い夏の空気…。目の前にありありと浮かぶような描写の数々…。ストーリーは映画「スタンド・バイ・ミー」や「ミスティック・リバー」を思い出させます。青少年時代のノスタルジックで苦い思い出と現在の交錯する傑作小説!
投稿元:
レビューを見る
とても良かった!兄を亡くし、両親と別れて過ごすことになったユン、でぶのアガン、喧嘩っ早いジェイ。3人が過ごした少年時代が描かれている。ページを開くと、一気に1984年の台湾に連れて行かれる。蒸し暑く、いろいろな匂いの入り混じった台湾の夏。ところどころで現在の殺人鬼サックマンの話が差し込まれるが、とにかく少年時代の濃密な日々に惹き寄せられる。彼らはどこかで決定的に間違えてしまった。「これから彼といっしょに、長い長い螺旋階段を降りていくことになる。楽園にたどり着けるとは思わない。ただ、いっしょに歩いていく」
投稿元:
レビューを見る
両親と別れて過ごすことになったユン、幼馴染みのでぶのアガン、喧嘩っ早いジェイ。3人少年が出会い、かけがえのない日々をともに過ごす。30年の時を経て、彼らは連続殺人鬼、国際弁護士、成功した商売人となり再び人生が交錯する。
それぞれが複雑な家庭環境のなかでもがき苦しみながらも精一杯生きていくが、同時に両親もまた日々の苦しみにもがき続けている様が綴られる。ミステリーというより、友情や孤独を描く青春小説。面白かった。
投稿元:
レビューを見る
東山さんによれば『流』が光を『僕が〜』が影を強調したとのことで。台湾を舞台に青春と影を。友情と街の雰囲気、ストーリー展開は良かったかなあ。ですが、私のど真ん中にはきませんでした。好き嫌いの問題かなあ。サックマンは誰か判明したあとは、多少引き込まれました。