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ミステリー小説に何を期待するかで、本書の評価は変わる。評価ポイントとしては、プロット、人物造形、意外性、整合性、創造力、時にはユーモアや専門知識など扱う素材によって求められるものは違うが、概ねこんな感じで作品は評価されると思う。
本書を上記ポイントから評価すれば、
プロット:○
人物造形:△
意外性:△
整合性:◎
創造力:△
ユーモア:ー
知識(法廷):○
となる。
つまり、本書は整合性を突き詰めた平均点以上の犯罪ミステリー、冤罪の怖さを被害者目線と結果的に冤罪に加担した警察官の視点を交えて描かれる点が特徴。
もったいないのは、読後に何も残らないエンディングだが、これもリアリティを追求すれば致し方ないか。