刹那と愛の声を聞け みんなのレビュー

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投稿者：やじやじ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

ネタバレあり

読み始めから「甘い」雰囲気に驚く
で、最後まで読んでも「甘い作品」だったなぁと。
いや、それがいやなのではないのです。
（痛いのも甘いのも好きなので）

ヤクザ×サラリーマンのお話

とにかく主人公の貴生が藤堂のことが「好き」なのです。
徹頭徹尾「好き」
そこの揺らぎのなさに引き込まれる。
彼と出会い、彼に溺れ、
彼のせいでかなり酷い目にあい
PTSDも負い、
それまでの人生で得たものをほとんどっ失っても
人生を立て直すのを助けた優しい人の手を振り払ってまでも
藤堂への「好き」を貫く。
この彼の揺るぎなさがこの作品の魅力です。
もちろん、藤堂も貴生のことが好きなのです。
こちらも溺れるように好きなのですが
自分のせいで貴生が酷い目に合わされているので
「別れる」「捨てる」を繰り返し口に乗せ
自分から遠ざけようともする。
（でも、押しきられて同棲したりしているのだから
もう腹くくれーとか言いたくはなるのですけどね）
完全両思いですから、この話はどこに終着するの？
って思ったいたら、そこにきましたかなところでした。
好きの勝利だな。

読み始めで優しい人の手って誰だろうって思ってたのですが
ああ、あなたですかみたいなところもあってそこも良い。

ちなみに貴生は天然魔性か？って感じです。
四課の刑事の蔵田（この人は良い男！）も
同僚の大貫（恋人もいるのに）も・・・惹きつける
まあ、どちらも良い人なのですが
舎弟の喜一をどきまぎさせたり、
貴生の人生をぶち壊した三島まで執着させてしまっている。
怖い・・・貴生怖いよって感じですが。
貴生はぶれずに藤堂好き一直線でして・・・・（笑）
そうそうシェリーも雄でしたね！
シェリーも貴生が大好きです！
（いや、シェリーの活躍も見逃せないよ！）

徹頭徹尾「好き」を貫いた貴生の勝ちということでしょうかね。

甘いだけの話ではないのですが、
たっぷり糖分補給できる作品でした