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『ヘンな論文』の続編。今回もすごい題目が並ぶ。プロ野球選手と結婚するための方法に関する研究、起き上がるカブトムシの観察、かぐや姫のおじいさんの年齢を記述や背景から推察したり、夏目漱石の松山への移動経路を丹念に追ったり。時に周囲の価値観と摩擦を起こしながらも、知りたい!っていう想いの強さ、研究者の情熱を感じる。『研究者はもっとも身近な狂人である。』の一文に著者の深い愛が著される。
本書では、在野の研究者の論文が多く取り上げられていた。研究機関に属さず、市井に暮らしながら、自分の研究を深め、形にする。こういう選択もあるのか。
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いいのだけど、前回の方がよかった。
本書のシリーズは、論文に妙なつっこみをしながらも学問に対する敬意が伝わってきて共感できたんだけど、今回はその敬意が伝わってこないものが1つか2つあった。そういうのは、不快。
それから競艇場の研究をしていた女性の研究者への差別的視点も不快だった。なんで彼女だけ下の名前で呼ぶのだ?
総じて良かっただけに、部分的に嫌な部分があったのが残念。
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著者が見つけた変な論文を紹介する図書。『ヘンな論文』の続き。プロ野球選手と結婚する方法を検証した論文やカブトムシが起き上がる様子をひたすら観察する論文などテーマからして面白い論文を著者が愛のあるツッコミをしつつ、紹介しているので気楽に読める。まじめな部分では、自分の興味の持つことに問いを立て、その答えの出し方を考える、そして後世に記録として残す研究や論文の重要性が実感できる。
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一見無駄に思える研究も後世からみると体型的に調べて文書化しているということで十分価値があるのでしょうね。
しかし、、自分がこれをやろうとは思えない…
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これを卒論にするって何学科のどんな研究室なのかが気になった。この人だけが異端なのか、同じ研究室の皆がヘンなテーマなのか。
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第一弾ほどではないけれど、やはり楽しく読んだ。最初の何本かは、研究自体が(いかに「ヘンな論文」といえど)はぁ~そうですか~という感じだし、著者もちょっと茶化しすぎではないかな。この調子で続くのならつらいなあと思ってしまったが、六本目「競艇場のユルさについて」あたりから面白くなり、七本目「前世の記憶を持つ子ども」が、おお、これは!の衝撃だった。
論文タイトルは「『過去生の記憶』を持つ子供について」。内容はタイトルが語っているとおり、前世の記憶を鮮明に持っている子どもの事例研究である。これは、研究方法がどうとかと言う前に、あげられている実例があまりにもすごくて驚愕! 二つ三つの幼児が、前世の自分について話す内容が実にリアル。知るはずのない外国の事件のことを知っていたり、いやもう、生まれ変わりって本当にあるんじゃ?と思ってしまう。過去生の記憶をなくすきっかけのエピソードにも、妙な説得力がある。肝心の「研究」の方は、ごくあっさり触れられているだけなのだが、まあこれって「検証」は難しそうだ。
番外篇で取り上げられている、「算数・数学の自由研究」作品コンクールで最優秀賞をとったという「メロスの全力を検証」も良かった。太宰治「走れメロス」のメロスは、本当に全力で走ったのか。どのくらいのスピードだったのか、本文から読み取って数値化してみたもので、これが中学生の手になるものだとは恐れ入る。著者も書いているが、自分で問題を立てているところが立派だなあ。与えられた問題を解いたり、暗記したりするのとは違う、「研究」の素晴らしさが感じられる。
第一弾「ヘンな論文」の白眉は、掉尾を飾る「湯たんぽ研究」だったが、今回のしんがりもいいぞ。「海事史研究」に載った「『坊っちゃん』と瀬戸内航路」がそれで、漱石が松山に赴任する際、どういうルートをとったのか、従来の定説(広島から船)に疑問を感じて、徹底的に検証したもの。漱石研究は国文学の一大分野で、まあ膨大な論文があるのだが、こういうアプローチがあったとは。論文著者の山田廸生さんは東京都の職員だった方で、在野の研究者として、移民船の歴史などを調べてきたのだそうだ。この方にサンキュータツオさんが会いに行き、いろいろ話を聞く章がとても良かった。最後の山田さんの言葉に、人からはあまり顧みられない研究に打ち込んできた人の実感がこもっていて、しみじみとした気持ちになった。
「海事史学会でも反響がなかったのに、こうして読んでくださっている人がいたことを知ることができてうれしいです。 80年生きてて良かった」
サンキュータツオさんは朝日新聞の書評委員をしているのだが、取り上げる本がいつも面白そうで、紹介がとてもわかりやすい。本業もあるだろうが、もっといろいろ書いてほしいなあ。
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第二弾がきましたよ!
今回のトップバッターは、プロ野球選手と結婚する方法?!
なんだか、ミーハーで、およそ、学問とは思えない…?
いやいや、これって確率論だし、恋愛は、「どこかに1000万以上の年収でイケメンいないかな、あっ、落ちてた!」と言うわけにはいかないので、ピンポイントで獲物を狙うためにはどうしたら良いか、ということを突き詰めている。
良いですか、努力なくして成功なし!
敵(伴侶)を効率よく倒す(結婚にこぎつける)には、兵法という学問があるのだ。
その戦いはまさに恋愛!いざ、出陣と参る!
まずは敵(恋人候補)と出会わなくちゃならない。
警察官や消防官、医者や法曹関係者と知り合いたければ、自分がなれば一番高確率で出会える!
(いやまず仕事だろとは思うが、それをやっている前提で)同じように野球選手と知り合いたければ、行く先は…!
野球選手か?!ボールガールか?ビールの売り子か?
あ、そこ、そこですか!
虎穴に入らざんば虎子を得ず!
これはなかなか面白い。
うーんなんでも真剣に検討してみるもんだ。
競艇場、鍼灸が漫画に出る割合、花札…
やたら今回はギャンブル色が強いのだが、決して、ギャンブルサイコー!一攫千金!不労所得イエー!とならないのが、さすが論文。
花札などは、蘊蓄を語れれば教養のある人に見えそうだ。
小野道風はじつは教育的配慮から、斧定九郎だった、とかね!
また、坊ちゃんと瀬戸内航路についての考察も、素晴らしい。
うん、まあ言い方悪くすれば、これ、ストーカーだよね!
と思いつつ、学問とはエロスであるという言葉を思い出す。
学問とは、愛なのだ。
愛しているから知りたい。
そしてその愛をどんな形でも受け入れるのが学問だ!
今日明日役に立つことだけが学問ではない!
すぐ使えないことをもっと真剣に研究したほうがいい。
誰得、そんな言葉は学問にはない。
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「競艇場のユルさについて」が最高だ。
論文そのものを読んでみたい。
常滑競艇ってとこも良い。
とてもよくわかる。
ネットじゃなくて本場に行って舟券買いたいなぁ。
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面白かった!
一発目の「プロ野球選手と結婚する方法」で興味を根こそぎ持ってかれた。
「前世の記憶をもつこども」と「花札の図画像学的考察」が特に面白かったな。
印象深かったのは最後の「坊っちゃんと瀬戸内航路」を研究された方の言葉。
研究者の使命は
①調べる②形にする③発信する
であるとする。
多くの研究家が②までで満足してしまうが③までやってこそ研究に意味が出てくるというお話。
この方は映画タイタニックを観て、再現された船の正確さに驚いたそうだ。これは映画の製作に船の研究家がついていたからこそ為し得たことだという。
それにひきかえ日本の映像作品で昔の船の再現に矛盾があるのは、自分たち研究家の力が足りなかったからだという。自分たちの研究が映画製作者まで届いていれば。もっと発信する力があればそんなことにはならなかったと。
「僕が悪いんです」とご自身の責任として語られる意識の高さよ。
論文を書き上げる人達の情熱というか狂気を見た気がした。
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追いかけてくるもの研究、競艇場のユルさについて、片手袋研究が特によい。
タツオさんの視点とツッコミ具合もよい。
片手袋の分類は目的→過程で分けるという脳を普段から使うようにしたい。
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請求記号:049-SAN
https://opac.iuhw.ac.jp/Akasaka/opac/Holding_list?rgtn=2M020303
<東畠弘子先生コメント>
著者によると、すべての研究は、4つに分けられるという。「人間とは何か」の「今どうなのかの」の研究、「この世界とは何か」の「今どうなのか」の研究。あとの2つは、本作を読んでください。卒研や卒論で、悩むことも多いと思いますが、研究を一歩俯瞰してみると、こんなに楽しくなる、と教えてくれる本です。
<BOOKデータ>
論文は、笑えるものほど素晴らしい!「知りたい」を純粋につきつめた珠玉の論文をたっぷりご紹介します。奇妙キテレツ、でもスゴい!いざ、めくるめく珍論文の世界へ—。
プロ野球選手と結婚する方法、「追いかけてくるもの」研究、徹底調査!縄文時代の栗サイズ、かぐや姫のおじいさんは何歳か、お色気論文大集合[ほか]
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ノーベル賞が話題ですね。世界各地で日夜、さまざまな研究が行われています。なかにはヘンな論文も……?
所蔵情報:
品川図書館 049/Sa65
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1作目の方が面白かったけど、サンキュータツオのへんな論文を見つける能力とそれを面白おかしく真面目にまとめる能力が相まってクスッと笑える。
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研究者とは誰もが気にもとめない事柄に執着しとことん調べる人である。そしてこの本では「なんでこんな研究を?」とツッコミを入れたくなる論文ばかりを拾う。ヘンな論文である事は確かだがどの論文も興味が湧くものばかり。ヘンなもの紹介本はよく読みますがこれは特におすすめ。
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在野の研究者という存在を認識したことも意識したこともなかった。そういうやり方もあるのかと、なんだか物凄く嬉しくなった。