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汚いものが美しく、美しいものも汚く。長野まゆみの文体でなければ、ひたすら悪臭に満ちた世界となっていたでしょう。
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ラストに唖然としました。長野作品の中に、こういう匂いのする物語があったのか・・・と、今まで読んでいなかったことを少し悔しく思いました。確かにエログロなのかもしれないけれど、どこかきれいだと思えてしまうことが不思議。鈷藍と碧夏という名前が好きです。
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夏におすすめの一冊。夏の爛れたっていうか、腐敗のさまをここまで耽美に書けるのってほんとにすごいと思うんだよね。
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濃密に匂い立つ、うだるような暑さと腐臭と退廃の美。夏の残酷な熱風に飲み込まれそう。
他の長野作品とは違う、異色作です。
過激で全編に腐敗が色濃く印象づけられているのに美しい。長野作品がきらきらかわいいだけに終わらないのはこういう世界観も持ってる人が描いてるからかなーと思う。
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100%ジュースみたい
濃度が高すぎて喉に苦いみたいな
父親もホテルの客も街の人間も皆最低で低俗
しかしながら美しい描写
性描写ではあるのに
それらしさがないのは主人公があまりの淡白だからだろうな
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濃いなーとにかく濃い。噎せ返る。独特の文体でさらっと人を残酷にあつかうしグロテスクな描写もなんでもないような顔して書かれてるし、これは好き嫌い分かれるんだろうなーとも。
毎度のことだけど何が何だかわからず何も解決しないまま終わる。それがいいって割り切っちゃえばいいけど初めてだとえっえってなりそう。
ラストがなんか…新鮮だったなここまでの後味の悪さ…でも素敵。好きだこういう終わり方。
ねっとりと気持ち悪い話でした、いい意味で。
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好き嫌いが分かれる作品だと思います。私は中学生の頃初めて読みましたが、その時はただただショックでした。同性愛、近親相姦、腐った果実。アジアのねっとりとした風を感じます。残酷な世界ですがどこか透明感もあります。歳を重ねるほどに、私のフェイバリットになってゆく作品です。ラストの解釈が深いです。
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長野まゆみらしさ、が感じられる小説でした。
文章があいかわらず美しく、静かに流れて行く物語には魅力がありました。世界観も好きです。
長野まゆみさんの書かれる美少年は、単純に美しく清らかで儚いというのではなく、むしろしたたかで艶やかでたくましく、とても魅力がありますね。
むしろそこに刹那的な儚さを感じるというか
すごくよかったのですが、最後が…というか物語が、けっきょくちんぷんかんぷんでした…
難易度高い…
長野まゆみさんの小説はファンタジー作品よりも、現代物の方がリアリティとみずみずしさがあって好きかもなぁ。
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圧倒的な感性の本
圧倒的に感性の本
少年アリス、三日月少年に続いて三作目
欲求不満、不合理感、異種への蔑視
敵わない
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なんて言うか、グロくてちょっと官能的な内容でした。長野さんにはよく男性同士の描写がありなんとも言えない不快感がある。やっぱり初期作品が良いですね。
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腐敗、という点が大きなテーマとして据えられているのだろうか。『上海少年』にもみられるような雑然とした街が描かれる。女性との交渉が描かれるという点においてか、少年が清らかな存在として描かれていないという点においてか、私はどうも苦手な類の作品かもしれない。
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再読。
初めて読んだときは色々と衝撃的過ぎて読了後も暫くはこの世界から抜け出せなかった気がする…。
長野まゆみ作品に登場する少年たちは、まるで精巧に作られた人形のような美しくて浮世離れした少年ばかりだったのが、この作品では一変して性や暴力など自らの欲求に従順な姿が目立っていて生々しい。
岷浮にある戯島界の薄暗くて不気味な雰囲気「快楽といかがわしさの巣窟」と作中で書かれているように辺り一面がこの怪しい空気に覆われているためか読んでいても気がどんよりと重くなる…。
でも、それが良い
いつもの長野まゆみ作品とはまた違ったテイストで描かれる少年たちにも魅力があって、気付けばぐいぐいと惹き込まれてしまう。
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エッ、終わりなの?!と思った。笑
個人個人が好き勝手に行動して秩序のない世界に夏至南風が吹く。
自己というものを模索する少年期には、伯母なのどの大人はたるんでみえる。果実は腐っている。
そして帰ってきた時にその果実のように腐った碧夏の意味は、、長野先生なりの社会への反抗を表した物語なのかもしれない。
腐っている世界。 死体が転がる世界。
腐っている=死体に対して、最後の碧夏は腐っているのに生きているから鈷藍は嬉しいのかなあ、と。
どうやっても綺麗な話にはならないことは確かですね。
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好みが分かれる本みたいだけれども
毎度のことながら独特の世界観に引き込まれてしまった。
やっぱり文章は奇麗だし、直接的でもあるんだけど生々しさを感じさせない。メタファーっていえばいいのか、こういう事なのかなってちょっとだけ考えたりもした。
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クーランは喋り言葉が理解できないが、本文では他の人の発言は描かれるし、他の人物の視点も織り込まれている。生も死も、性も、全てがこの小説の世界観独自のものとして描かれている。
少年たちが行動を起こすたびに、そのあまりの自己破壊的な選択と行動に「なんで!?」って思いを抱く。でもそれって現実世界の少年にも共通することだし、性や暴力が極端なだけで、少年の「晒されるという暴力・晒されることにる魅力」みたいなものが描かれていると感じた。クーランが嘔吐するシーンとか、「うおお」ってなった。
あとがきの本人の解説はよくわかんなかった。植物にもう少し気を配って読めばよかったのかもしれないが、そもそもドライフィッグが無花果だということに気がつかなかったのがいけなかった。