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再………読。根底は同じなんだろうけど、直接的な連続殺人や刑事などの存在を見ると、事件に目が行き、謎解きがしたくなる…けど、漠然と掴みつつ犯人も動機もはっきりと攫めなかった今回も。著者様のこういう本って珍しかったような気がするのだけど、気のせいかしら?
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15年程前に読んだことのある作品ですが、再読。
当時は若かったので「いやらしいわ、これ~」という
印象だけが強かったのですが
あらためて読んでみると、長野さんの筆力に脱帽します。
どのページを開いても、
湿り気を帯びた熱風が体にまとわりつくような臨場感と
熟れた果実から溢れ出る腐臭が感じられます。
丹念に語彙を選び抜いているのだなとつくづく考えさせられました。
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面白かったです。
黒長野…長野まゆみさんはこの系統が好きです。淫靡で湿度のある、でも涼やかな少年たち。
じめじめしていて、空気に腐臭が漂ってても、醜く腐敗していてもよいです。すぐ服の前を開けてしまうところも。
碧夏が良いです。完全な少年だ。。
残酷で、でも美しい作品でした。
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出た!!長野まゆみの謎幻想卑猥小説だ!!
マジで近親相姦・同性愛・強姦・流血・死体・モロモロなんでもありだよ!!!!っていう古の長野まゆみだ…謎文語体を卒業してからすぐの年代のときのテンションの…
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ふと夏至南風に吹かれたくなって。
腐りきった夏がやって来ました。叛骨心よ!
どことなく三島由紀夫『午後の曳航』を思い出す本作は、長野さんも愛する代表作で、頁という頁にわたって、腐爛した、湿り気のあるグロテスクなモチーフが鏤められています。しかし、その悍ましさは果実のように妖潤であり、ひと夏の惨劇でありながらも永遠にちかしい時間の粼に何度恍惚としたことか! 碧夏との出逢いから、サディスティックな眉姿の潜む鬱々とした地下部屋に検疫公司の廃墟、近親相姦に峻拒の囁き、絶望の怨嗟を彷彿とさせるラストシーン…。「醜悪ながらも美しい」とはこの手の作品を形容する時に使われがちですが、まさしく本作がそれで、文章が内容を凌駕していますね。三島由紀夫しかり、そんな作品は大好物です。ごちそうさまでした。