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読んだのは数年前
2023/04/26 01:52
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初から「なにこれ」で、始まりましたー。そして、次々……えー、な展開になって行きます。しかし、おもしろいかというと……うーん、かな、好みは分かれます。ネタバレを、ここでは書けないので、一度、読んでみてください、としか書けませんけど。
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インターネット博士な作者らしい味わい。とくに最終話は袋とじに足る見事な出来。もう少し踏み込んでほしい、顛末まで描き切ってほしいと思う話が多いのは贅沢か。
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『猫を持ち上げるな』
「つい先日あったことを文章にしたんだ」と言われてこの文章を見せられても信じる。三年前に発行された本なので驚いた。終盤の、思考にネット上で言われていた・言われていそうな意見が混ざってくる感覚がリアルで少し気分が悪くなった。
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初っ端から面白い。なのに気分が悪い。普遍性はあるが題材もネタも現時性が高いので早々に錆びが出そう。しかし今はまだ面白いのだ。
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ずっとおかしいんだけど、なんかリアルで現実的。センスの塊すぎ。
好き
・亀ヶ谷典久の動向を見守るスレpart2836
・有名人
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日本版ブラックミラー。生活に根付いた世知辛いSF。
装幀がとてもいい。イラストは可愛いし、話によってテキストのスタイルが変わるのも面白い。
『クラムゲートの封は切られる』
主人公達がある星へ降り立ったことで、凍っていたその星の時間が解凍され滅びてしまうという話。
作中に出てきた、寿命を調べるために刃を入れられたことで殺された724年生きたハチワレ貝にちなんで、この物語が綴られたページは袋とじになっている。物語の結末はとうに印刷されているので、刃を入れなくても終焉はあらかじめそこにあるという点も、物語と重なる。
『最後の1日』
追いかけてくる(殺人的にだるい)思考から逃れる為にSNSやソシャゲに没頭する心理が巧みに描かれている。
バイト先から電話がきて脅迫的な不安に胸を締め付けられた主人公はTwitterをひらく。「さっき」と入力したあと、何を書けばいいかわからなくなる。代わりに他人のツイートを読む。
“見知らぬ誰かが入力した小さな意味の群れを次々と飲み込んでいくうち、沸き起こった思いを言葉にまとめようとする欲求はなだめられる。10分後には、寿也の心理状態はチーフから電話がかかってくる前と同様の平静さを取り戻していた。”
ものすごくわかる。虚しすぎるので普段見ないフリをしている思考の流れが精緻に描かれている。スマホ依存を考える際の資料として使えそう。
“走るほど、何かわからないものに追いつかれそうな気がした。
立ち漕ぎする。背後から何かが距離を詰めてきている。
早く逃げないと、殺される。
逃げろ。
寿也はペダルを思い切り踏み込んだ。”
寿也は(殺人的にだるい)思考から逃げる為に自転車を漕ぎまくって、側溝にはまって物理的に死んでしまう。倒叙的に組み立てられたストーリーも面白い。
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オチがあまりない短編集だった。最後の一話はしっかり謎が合ってまさかそういうことなのか!という驚きがあった。
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「猫を持ち上げるな」★★★
「カステラ」★★★
「この商品を買っている人が買っている商品を買っている人は」★★
「カスタマーサポート」★★★
「天才小説家・北美山修介の秘密」★★
「紫色の洗面器」★★★
「みちるちゃんの呪い」★★★
「1日5分の操作で月収20万!最強ブログ生成システムで稼いじゃおう」★★★★
「過程の医学」★★
「習字の授業」★★★
「ピクニックの日」★★★
「亀ケ谷典久の動向を見守るスレpart2836」★★★
「GIF」★★★★
「FILE」★★★
「有名人」★★★
「最後の1日」★★★
「同窓会」★★
「クラムゲートの封は切られる」★★
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ドラマチックな展開とかないのに面白かった。不思議な気持ち。こういう本のジャンルは何て言うんだろう?
「猫を持ち上げるな」や「亀ヶ谷典久の動向を見守るスレ part2836」などではネットの反応がリアルすぎて気持ち悪くなった。本当にこういうこと起こりそうでやだな〜
レコメンドの話やクラムゲートも好き。
SNSなど身近なものを題材にしているのも「もし自分がこの立場に置かれたら...」と想像しやすくてとても良い。短編集作品の中でかなり好きな作品になった。