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日本推理作家協会賞候補の傑作〝山岳〟ミステリー!
雪崩で死んだ兄の遺品を整理し、増田はザイルに施された細工に気づく。死因に疑問を抱く中、二人の男が生還、増田は真相を探ろうとするも二人の証言は正反対だった。ヒマラヤの高峰に隠された驚愕の真実とは?
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山岳ミステリ。生還した2人。真実を語るのは誰だ。
山岳物はわりとすきなのだけど、ザイルを切ったのは誰だとか、そう言う話には飽きていた。この作品にも謎のひとつとして、ザイルの切り口に関することもあるが、メインではない。
これからも楽しみな作家さんの1人だ。
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2017/7/29 ジュンク堂住吉シーア店にて購入。
2020/3/2〜3/7
過去の遭難により恋人を亡くした兄が、山をやめていたはずなのに、カンチェンジュンガで雪崩に遭い遭難死する。生き残って帰国した2人の口から、正反対の内容が語られる。どちらが正しいことを言っているのか、また、なぜ兄は山を再開したのか。いくつもに謎に緊迫する冬季登攀シーンの末に明かされる真実。大変面白かった。
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山岳×ミステリー。
何人かのメインとなる人物を軸に、物語は展開。
物語が進むにつれて、誰が嘘つきで誰が真実を語っているのかモヤモヤが止まらず、奥深い積雪の中に埋まっている宝物(この場合は、真相)を見つけたくて、掘って掘って掘り続ける作業の様に本書を読み進めた。
真相は、ボタンが段違いになったみたいに少しずつズレて出来た地層みたいだった。
ただ、結末の最後の最後にたどり着いた数ページは驚愕だったが。あぁ、そういう事だったのか、と。
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最後にわかる真実。よくあるパターンだ。それでも山岳ものは面白い。自分は一時よく山登りというよりトレッキングをやった。3000メートル級を適当な高度から日帰りというパターンだ。縦走は経験がない。またもっと低い山でいいのでトレッキングしたい。簡単に出来そうでなかなか腰が重い。
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次々に明らかになっていく真実に様々な角度からライトが当たって違う一面が顔を出し、生還者二人に最後まで翻弄される。
美月が絡んだ遭難事故の真実は、どんなに魅力的な人でも極限状態では正直に行動してしまうある意味非情な描かれ方がこれぞ人間。
自分は山国育ちで過去の登山に纏わる経験から山は死に直結していて畏怖が先に立つ。命を預け預けられる仲間との信頼の絆がいとも簡単に断ち切られ、生還してもとてつもない苦悩を背負う山、何より人の本性が剥き出しにされる山の印象は相変わらず怖い。でもこの本はその怖さ以上におもしろかった。
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今の季節に読むとより一層寒く感じそう。
ヒマラヤ山脈東部、世界第3位の標高を誇るカンチェンジュンガでの雪崩事故。その事故から奇跡的に生還する二人。密室同様当事者しか真実はわかならない。
作者は登山に詳しいクライマーかと思うほど専門用語が飛び出すが、登山を経験したことがない素人だという。巻末の参考文献の多さからわかるように多数の資料を読み込み詳細に雪山登山を描写する。
ミステリーと通常では経験できな雪山の情景にグイグイと引き込まれる。
雪崩事故のプロローグから物語は始まる。なぜ?とつぎつぎに謎が湧き上がるなか、最後にはその謎も解明され、エピローグでまとめる。
他の作品も読んでみたくなった。
とは言いつつ、いつものごとく細切れの時間内で読破に数日かかってしまった。うーん、やっぱりこういう小説はスピード感が大事だとつくづく思った。
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読み進めて行くうちに、思い出す。あぁ、この本もまた再読やったわ…。いつ読んだのか思い出せないが、次の展開が全てうっすらと分かっていく、予言者じゃないのだから、この感触は一度読んだ本だという証。
山岳ミステリーの傑作である。謎解きの展開は上手い、見事だと思う。最初の登場人物たちが語る食い違いの表現に「それはありえへんやろ」と思うものの、ありえへんこと自体が謎解きのきっかけになっていく。山やクライミングをやっている人もある程度納得できるトリックではないだろうか?
ただ随所に荒っぽさもある。例えば、8本爪でカンチはないやろ、例え事情が事情であるにせよ、とか。最後のハッピーエンドは付けたし感が大きすぎるとか。実を言うと一番大仕掛けのトリックも、仕掛けはデカいが好みとして受け入れない部分もちょっとあったりする。
そんなことで星1つさっぴいたが、読んでいる間は至福の時間を楽しめる。山やクライミングに行けない休日、雰囲気だけでも味わうのに適した1冊。
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「山岳ミステリー」と書かれていたが、登山で事故にあった人の証言が食い違い、果たして誰が本当のことを言っているのか、というお話。本格的な冬山などは登ったことがないが、山の恐ろしさをを痛感するお話。
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くるくると読者の仮説を手玉にとるような所与条件の展開は、シャープで幾何学的な印象。また、登山・クライミング技術や装備に関する紹介小説としても読める。
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山に登ったことは無いが、描写がかなりリアルで現実に山を登る感覚を味わえる。(実際に登った人の反応は違うのかもしれないが)
自分の命を危険に晒しても真実を追う姿は、自分からしたら信じられない気持ちだが、山に魅了された人ならそういう感覚もあるのだろうかと思わせるくらいの描写力。
最後まで真相はどこにあるのかわからないまま、でも飽きさせることはなく、終盤に明かされる真実はそれなりに説得力もある。
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序盤からあるいくつかの謎がなかなか明らかにならず、それどころか食い違う証言や新たな疑問がどんどん出てきて、とてもやきもきさせられます。
それで嫌な気分になるわけではなく、むしろ読むモチベーションがどんどん上り、最後まで駆け抜けるように読み切ってしまいました。
あとがきに「ルービックキューブのようにおもしろい」とありましたが、それに完全同意ですね。なかなか色が揃わないけれど、終盤はたたみかけるように色が揃っていく様が、クライマックス以降あれよあれよという間に真相が解明されていく展開に似ていると思います。
白馬岳での美月たち女性陣の行動には、ほんとにそんなことを美月がしたのかなぁと少しスッキリしない気がしましたが、それ以外の真相にはただひたすら「なるほど」と溜飲が急降下しまくり。過程が過酷だった分、ラストシーンの4人の姿と彼らの関係に、すごくホッとした気持ちにさせられました。
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闇に香る嘘」を初読みし、心を掴まれた下村さん!
今作、評判通りの面白さでした✧‧˚
この本で登山の知識も少し得ることができた…かな?と思わせる程の専門知識が沢山織り込まれ、「ほぅほぅ」と新しい知識を頭に入れることで、ミステリーを読む時によくやりがちな先読みをする暇がなく、作品の内容と同じスピードで楽しめたような気がしました!ほぼ一気読みに近かった!
これも下村さんのテクニック?
まずはプロローグでしっかり掴まれます!
いったいこの人物は誰?
それがずっと頭から離れない!
自分の命を預けるパートナーや、登山隊のメンバー、極限状態ではお互いの信頼感がまず根底にあること。
それが崩れた時の人の脆さ、危うさが命の危機を招いてしまう。
人が人を信じるって本当に難しい。
でも…信じる心はやはり忘れたくない、と改めて思わされた作品でした。
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主人公の兄が雪山で死亡。
その登山隊の関係者2人が救出されるが、証言は正反対のものだった。主人公は兄の死の真相を追求する、とういお話。
雪山なので証拠らしい証拠は何もなく、証言だけがほとんど。その中で真相を追求する難しさが面白かった。
登山の用語が難しくて、調べながら読んだ。
すごくドロドロした人間模様に引き込まれた。前半なかなか真相に近づかないのでモヤモヤするけど、後半は特に面白くて一気読み。ハッピーエンドなので読後感も良くておすすめです。
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図書館で借りた本。山岳ミステリー。雪崩で婚約者を亡くした兄。兄の恋人をずっと好きだった弟。兄と恋人は厳冬期の白馬岳へのツアー登山に参加するが、予想外の天候悪化と新米ガイドの未熟さで遭難。ツアー参加者の男性は自力下山し残してきた女性達の救助依頼をするが雪崩で女性達は死亡。その時ガイドは…という事の発端はここから始まる。月日は流れ、登山を辞めたはずの兄がネパールのカンチェンジュンガに行き、そこで雪崩に巻き込まれ死亡。弟はなぜ兄がまた登山を?そして多くの謎が残るメモや遺品。弟は女性記者と共に真実を突き止める。山好きには面白く読める話かな。