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ジョブにフォーカスするのがイノベーションの基本
ジョブは、顧客が片付けたいジョブ、そして進歩そのものである。
ジョブへのフォーカスは、データだけでは不可能。データにはあらわれない。また、ジョブへのフォーカスは組織を正しく方向付ける。自分で考えて動く素地を作る。
ミルクシェイク。アメリカの新聞。アマゾン。ジェネラルモーターズのオンスター。などなど
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・ 顧客がプロダクト/サービスを引き入れるのは、彼らにとって重要なジョブが発生し、まだ満たされていないときに、それを解決するためだ。このなぜを理解するかどうかが、あるイノベーションは成功し、別のイノベーションはそうでないかの分岐点となる
・ ジョブ:ある特定の状況で人が遂げようとする進歩
・ ジョブはそれが生じた特定の文脈に関連してのみ定義することができ、同じように、有効な解決策も特定の文脈に関連してのみもたらすことができる
-いまどこにいるか
-それはいつか
-だれといっしょか
-なにをしているときか
-30分前に何をしていたか
-次は何をするつもりか
-どのような社会的・文化的、政治的プレッシャーが影響を及ぼすか
-ライフステージ
-家族構成
-財政状態
・ジョブは機能面だけで捉えることはできない。社会的及び感情的側面も重要であり、こちらの方が機能面より強く作用する場合もある
・ 片付けるべきジョブは、継続し反復するものである
・ イノベーターにとってジョブを理解するということは、消費者が進歩しようとするときに、何を最も気にかけるのかを理解することである(スナップチャットの場合、口うるさい良心に邪魔されずに連絡を取り合いたい)
・ あなたのプロダクト/サービスは、顧客が成し遂げようとしている進歩にどのような手助けができるか。顧客はどのような状況のもとで進歩しようとしているか。その進歩の機能的、感情的、社会的側面はどのようなものか
・ SNHUノオンラインプログラムの競争相手は同じような教育内容を持つ地元の大学ではなかった。重要で手強い競争相手は「無」すなわち「無消費」だった。これに気づいた時、有限のパイを奪い合うように見えていた市場が、突如として手つかずの広野に変わった
・ 競争相手のいないジョブの周りに自分たちを位置づける(フランクリンコヴィーの場合、「組織の戦略を変える」という伝統的なコンサルティング会社を競合にするのではなく、戦略を組織に植え付ける手助けをするというポジショニングにした)
・ インテュイットにとって、片付けるジョブで競う相手は、すでに市場に出回っている他社の高度なソフトウェアではなかった。顧客が成し遂げたい進歩は「何をしたいか」ではなく「何をしたくないか」だったからだ
・ 自社商品を雇用して顧客が片付けようとしている本当のジョブを理解していない企業は、「ひとつで全てを満足させる」万能の解決策に惹かれがちで、結局誰も満足させることができない
・ ジョブに基づいて区切ったセグメントでは、現状では満足な解決策が存在しない「無消費者」も含まれ、彼らはジョブを不満足に片付けるよりは、何も雇用しない方を選ぶ。無消費に眠る好機は企業にとって巨大だ
・ 通常とは違う使われ方の発見から生まれるものもある(風邪薬が、導眠剤代わりに使われていることがわかったため、消費者が求めていた快眠だけを手に入れられる商品につながった)
・ 中国でのパン���ースの販売の際、親が求めていたのは「子の快眠→親の快適な時間」だった。また、感情面社会面に配慮し「よく眠る子は頭が良くなる」というキャッチコピーと実証データで販売した)
・ ジョブの知見を得るのに貴重な情報源となるのは、あなた自身の生活である。歴史上、特に大きな成功を収めたイノベーションは、個人の経験と内省からうまれた
・ あなたのプロダクトも他社のプロダクトも買っていない無消費者を調査することで重要な知見が得られることが多い
・ 学校のジョブ:成功体験を得ること カーンアカデミーは生徒がある問題でつまずくと、理解を助けてくれる別のリソースを簡単に参照できるようになっており、失敗できないようにつくられている
・ 人はその時の状況で自分にとって最も価値が高く、失うものが最も少ない解決先を選択する
・ だいたいの調査は、人がプロダクトを初めて買う瞬間のみを追跡する、しかし同じくらい重要なもうひとつの瞬間は、実際にそのプロダクトを消費するときだ
・ 当社の商品が雇用されるために必要なのは、何を解雇させることか
・ 機能面しか提供できない解決策は容易く解雇される。たとえば調達プロセスにおいて、「簡単に発注できる」だけでなく「必要なときに必要なだけの品があると信頼していられる」という感情的及び社会的側面が関わる解決策が必要
・ 顧客のストーリーボードを組み立てる(昔は・・・/毎日・・・/あるとき・・・/ああだったからこうした・・・/とうとう私は・・・)
・ 画期的なインサイトは、後から振り返れば当たり前に見えるかもしれないが、当たり前であったことはほとんどない、
・ 顧客が心から雇用したいと望み、しかも繰り返し雇用したくなる解決策をうむには、顧客の片付けるべきジョブの文脈を深く理解し、遂行を妨げる障害物も把握しなければならない
・ 1)ジョブの特定:機能面・感情面・社会的側面を特定
・ 2)求められる体験の構築:購入時・使用時のすぐれた体験が、顧客のどこのプロダクトを選ぶかの基準になる
・ 3)ジョブ中心の統合:ジョブと統合されたプロセスは模倣が難しい
・ 自社商品を購入する時だけでなく、使用するときに、顧客はどのような体験を求めているのか(ウーバーは、待たない、手持ちの現金を気にしなくてよい、見知らぬタクシーにひとりで乗る不安がない、という進歩を実現する)
・ プロダクトを雇用してほしくない人に、失望して悪いレビューを書かれないように、どう伝えるか
・ パーパスブランド:その名を聞いただけで片付けたいジョブに対しての完全かつ具体的な体験が思い浮かぶブランド、片付けるジョブと一体化されるため、業界の構造を変えたり、競争のルールを変えたり、プレミアム価格を要求できたりすることにつながる(フェデックスなど)
・ パーパスブランドなら「よそ見をする必要はありません。他の何かをわざわざ買う必要もありません。ただ、私を雇用してくだされば、あなたのジョブは片付くんです」というコミュニケーションもできる
・ 幹部たちが顧客のジョブに集中していれば、それはイノベ��ションを押し進める方向を示す明確な磁石となり、さらには、内部構造を組織する際のぶれない理念となる
・ 業務に関するデータは自信の存在を高らかに宣言するので、マネジャーは、ジョブではなく数字の管理に容易く陥ってしまう(アメリカの公立学校は、勉強を教えるというより、学力到達テストの合格のしかたを教えるようになっている)
・ 顧客の片付けるジョブから目をそらし、都合のいいデータばかりを集めると失敗する
・ ユニリーバは子どもたちが滅菌できるまで十分に長く手洗いできるように、色の変わる石けんを開発した。(下痢性疾患による)子どもの命を救うというミッションと、消費者が片付けようとしているジョブを具体的に結びつけた
・ 関わる人間が、なにがなぜ大事かを知っているから、問題を解決するために知恵を出し合う
・ ある出来事が発生して報道された後、読者はPICAを探求する(PICA : Perspective, Insight, context, Analysis)読者がニュースの意味と関連性を掘り下げるためのジョブがある
・ ジョブを明確に定義するメリット
1) 意思決定の分散化:すべての社員がジョブにそった的確な意思決定を、自律的かつ発想力豊かに下せるようになる
2) 資源の最適化:字何がジョブにとって重要かにあわせて資源を配分でき、バランスをとることができる
3) 意欲の向上:顧客のジョブを解決することは本質的に、社員を鼓舞する力がある
4) 適切な測定能力:顧客のジョブを中心とした測定基準を求め、それによって評価しようとする機運が自然に生まれる
・ 明確に定まった「片付けるべきジョブ」は、動詞と名詞で表現できる。形容詞や副詞ではない
・ ジョブには適切な中傷度が必要(プロダクトアウトの発想にならないことが必要)
・ 医療でのジョブは、ほとんどの人にとっては「健康について考える必要がないくらい健康でありたい」こと。現在の医療は「ヘルスケア」ではなく「シックケア」
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これからのイノベーションを予測し、生み出すための本。
単に理論を覚えるのではなく、いかにこの本の内容を理解し
具体的に落とし込めることができたら
成功に近づけるのではないかという気がした。
何度も繰り返し読む価値がある本だと思う。
★ジョブの定義は「ある特定の状況で顧客が成し遂げたい進歩」
1.その人が成し遂げようとする進歩は何か。
2.苦心している状況は何か。
3.進歩を成し遂げるのを阻む障害物は何か。
4.不完全な解決策で我慢し、埋め合わせの行動をとっていないか。
5.その人にとって、よりよい解決策をもたらす品質の定義は何か、また、その解決策のために引換にしてもいいと思えるものは何か。
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難しかったが、売るではなく顧客が雇用するという見方が面白かった。
自社が考えている競合と顧客が考えている競合が全く異なることから、
企業が売りたいものが顧客が買いたいものと必ずしも一致する訳ではない。ということに納得がいった。
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破壊的イノベーションで著名はクリステンセン教授の最新刊を読んでみた。読み始めると「この話、以前に読んだような…」という既視感。それもそのはず、本著のテーマであるジョブ理論は2003年に出版された「イノベーションへの解」の中で「片づけるべき用事」として既に紹介されていた。「イノベーションの解」では1章を割いて「片づけるべき用事」の概念を説明していたが、本書ではそれが全編にわたって論じられている。この概念自体は目新しいものではない。セオドア・レビットの有名な言葉「ドリルを買う人が欲しいのは『穴』である」と同じである。では、なぜクリステンセン教授は「ジョブ」という用語を持ち出してまで、こだわり続けたのか?一つはイノベーションを意図的に起こすためには顧客の購買行動の因果関係に深く注目したこと、もう一つはパイの奪い合いになる他社との競争ではなく、無消費への対応を重視したことだろう。
クリステンセン教授が理論としての顧客のジョブに注目する一方で、方法論として顧客のジョブに注目したのが「デザイン思考」と言える。クリステンセン教授もジョブ理論はデザイン思考と共通の土台をもち、デザイン思考を補完するものと述べている。
2000年以降ITを活用した新しいビジネスが次々と登場し、ビジネスのテクノロジー面に注目が集まったが、顧客の行動自体は昔と大きくは変わっていない。FANGやGAFAのような超巨大企業が牛耳る時代になっても、顧客の視点を見失わなければ、新たなイノベーションを引き起こすことができる。本書を通じたクリステンセン教授からのメッセージである。
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「破壊的イノベーション」が、大手企業を廃業に押しやる。
イノベーションのジレンマのその後、クリステンセンの言う消費のメカニズム「ジョブ理論」とは。
何かを達成するために、ものを雇う。
あるいは、何かから逃れるために、ものを解雇する。
消費者が、なぜ物を買うのかは、そのものにジョブをさせたいからだ。
逆に、ジョブがなければ物を買うことがない。
その、ジョブをうまく見つけて、目的を達成するにはこの商品という確立できた企業が持続している。
商品やサービスには、ストーリーが必要だ。
顧客が求めるストーリーをうまく見つけ出すことがビジネスの成功につながる。
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顧客の「片付けるべきジョブ(課題や作業)」に注目する
製品に求められるものは機能の豊富さではなく、顧客のジョブをどれだけ解決できるかどうか
工具メーカーは「ドリル」を売っているつもりだが、顧客が欲しいのは「穴」
顧客は求める結果を得られるより良い手段を求めている
企業は他社と競争するよりも未解決のジョブを解決することに取り組むべき
解決できれば多くの顧客が満足し、未開拓の市場が手に入る
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・ジョブとは,特定の状況で人あるいは人の集まりが追求する進歩である。
・雇用と解雇
・機能面,社会的側面,感情的側面
正直消化不十分。クリステンセンらしくないとすら思った。
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前半は学校の講義みたいで少ししんどいが、後半は実例も多く興味深く読めた。
数値も人の手をかしているため鵜呑みにできないことや考え方は実務に使えそうである。
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会社でたまに聞くから読んでみた。
マーケティング本でよく言われるようなことの焼き増し感が否めなかったから、逆になんでここまで売れてるんだろう?って観点で読んでた。
ザッと読んだ感じ、こんな所でしょうか。
・シンプルに著者の知名度
・プロモーションの考え方をプロダクトに転用する軸ずらし
・”ジョブ理論”という何とも体系的そうなネーミング
(原題は「COMPETING AGAINST LUCK」)
・豊富で新鮮な事例
シーンごとに満たしたいジョブは違う
ニーズより明確でメッシュの細かいもの
競合を柔軟に捉え直す
無消費と競う
ニーズというと機能面に目が行きがち
企業が集めるデータは往々にして、そのサービスが利用された時点を表していない
測れることは実行できる
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・全てのブランドは何らかのジョブに最適化する必要がある。
・相関関係を追うのではなく、因果関係を追う。
・見えやすい定量的データを追うのではなく、混沌としたユーザーのリアルなストーリーを追う。
・「成功はコピーできない」とOWNDAYSの田中さんが言っていたが、なんでも本質的ななぜを追う必要がある。
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車載テレマティクス「オンスター」をジョブ理論における組織の話として取り上げているが、米国に到来した巨大ハリケーンで「不安」になりコールセンターに電話をかけてきた顧客に対し「ナビゲーションはあなたの契約では使えない」と返答するのを止め、被災地域からのコールにはハリケーンの位置予測を含めて真摯に対応したという例が紹介されている。
この話のキモは「オンスター」のジョブは顧客の「不安」を取り除くことであり、そのジョブが組織全体で理解されていたということである。困っている人がいてそれを助ける能力がある時何もしない人はいない。むしろそのために全力を尽くす。
会社=コーポレーション、つまり協働の本質がここにある。
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「破壊的イノベーション」に代表されるイノベーション理論の大家である著者が、運頼みではなく、予測可能な方法でイノベーションを成功させるための理論と手法をまとめた実践的な手引書。
著者が提唱する「ジョブ理論」では、顧客が特定の「状況」(文脈)において実現したいと欲する「進歩」を「解決すべきジョブ」と位置づけ、そのジョブを機能的・社会的・感情的側面を含めた「物語」として深く理解した上で、それを満たすためのスペックをデザインし、求められる体験として提供することが必要と説く。さらにそのためには組織をジョブを中心としたプロセスに統合することが不可欠であり、それによって企業は持続的な競争優位を獲得できるという。
優れた理論はとてもシンプルで言われてみれば当たり前と感じることがあるが、本書もそれに該当する。「破壊的イノベーション」のような目新しさや「派手さ」を期待する向きには物足りなさが残るかもしれないが、革新性的イノベーションの手法というよりもむしろ、”マーケティングの基本+組織論”としての学びが多い。
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解決すべき"ジョブ" があり、プロダクトを雇用することによって解決するという考え方。
要は顧客が求めている真の理由やインサイトが何か?というのを突き詰めるべし、というのを別の視点から切り取ったもの。
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『ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム』(クレイトン M クリステンセン著/ハーパーコリンズ・ ジャパン)vol.416
http://shirayu.com/blog/topstory/marketing/4512.html