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面白いなあ、伊坂幸太郎。
読みながら何度「うまいなあ。」と言っただろう。
小説や漫画の主題歌を勝手につくってバンドで演奏する作戦を企んでいたのだけれど、すでにこの小説は斉藤和義が曲を作っていた。
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なんのことはない様々な登場人物の日常の繋がりを描いた作品なんだけど、それぞれが持つ人としての魅力が言葉や動作のはじばしに出ていてすごく良かった。
19年前の出来事と9年前の出来事と現在とが、(たぶん、一人のヘビー級チャンピオンというちょっと凄い存在のおかげで)絡み合っていることが分かり、偶然とか必然について考えさせられるところも、さすが伊坂さんといった感じだ。
頭を使わずにゆるりと読める可愛らしい作品。
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安心感のある作家だと思う。
読んでいていつもの世界に引き込んでくれる。
微妙な連作短編小説であってその中で好みが表れる。
自分は「ライトヘビー」,「ドクメンタ」が秀作だと思う。
「ルックスライフ」もある意味で面白い作品だ。
「ナハトムジーク」にもう少し種明かしの部分が書き込まれていて貰いたかった。
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会社員、美容師、高校生、ボクサーetc.
色々な人と人が人生の一場面で出会い、また次の人と繋がっていく。短編集ですぐに読めました。秀作。
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珍しい感じだった。穏やかに読めた。
アイネクライネにでてくる、出会いについての話が、なんとなく分かるような分からないような・・・
でも、「出会いがない」は、よく友達と話す時のセリフのようになってるから、ちょっと響いた。
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久しぶりの伊坂作品
不覚にもちょっと泣いてもしまった
何気ないものが奇跡になるような
いやいや小説ですもんね、
なんて心のうちの反論もいつのまにか引っ込んじゃうような
この人の、こういう作品がすごく好きだったんだな
思い出した
久々の超名作
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ちょっと斉藤和義借りてくるっ!
読み終えたのは午前0時過ぎ、明日斉藤和義聴きながら通勤したくなった私は、気がつくと閉店間際のレンタルショップにいました
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登場人物の関係が複雑でそっちにばかり気をとられてストーリーがいまいち頭に入って来なかったです。メモしながら読めば良かった。
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ほっこりするいい話が続く連作短編集。「ドクメンタ」では5年に一度、免許更新でだけ出会う相手の話。通帳記帳か、痛いとこついてくるわ。「メイクアップ」は高校時代いじめられた相手に社会人になってから再開する話。微妙な心の揺れがなんともいえない。「ルックスライク」はこれだけで際立っていた。素敵な人と結婚したんだなと嬉しかったとわたしも言いたいな。最後の「ナハトムジーク」は今までの短編が関係してきてお見事。全体に流れている斉藤さん1回100円は斉藤和義とのこと。聴きたくなった。
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伊坂幸太郎らしい、茶目っ気がある文章に乗せられた群像劇。
最終的にはウィストン小野というヘビー級ボクサーのチャンピオンマッチへと集約していくのだが、今までの登場人物が緩やかに彼の人生はと関わっていることがあるから、ラストの試合の描写には熱が入った。
単に群像劇と見てもウィットに富んでいて面白いのだが、群像劇のラストがこんなにも盛り上がるとは望外の喜びであった。傑作だ。
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珍しく恋愛ものだけど、伊坂さんらしさがぎゅっと詰まってて最高の短編集だった!そして斉藤和義愛がひしひしと伝わってきた。
伊坂さん自身もお気に入りとあとがきで言っていた「ライトヘビー」が最高すぎる…「アイネクライネ」から伏線張ってるというか、ミスリード誘ってるよねこれ…ラストシーン本当に映像で見たい…
書き下ろしの「ナハトムジーク」もずるい。
全部読み終み終わると、文庫本の帯にあるコピー「ヒーローはいない。さあ、君の出番だ。」の素晴らしさに感動するはず。。
伊坂さんの小説はありえそうでありえない感じが絶妙で、私の日常にもいつかこんなことが起こるかもって思ってわくわくする。
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作者には珍しい、恋愛をテーマにした短編2編に導かれて紡がれた連作短編集。
3作目に至ってやっと、登場人物たちが時制を変えて繋がっているのに気がついて、登場人物たちの名前と、その年齢を別紙にメモしていった。ただし、言っておくが、これは短編集の第一作からやった方が愉しめる。初期の伊坂幸太郎のように、時制の捻れや、恐ろしい悪人や超能力者は登場しないので、驚きの発見を愉しめるのは3作目辺りからだし、最終編ではキチンとほとんど解説してくれているから早くしとかないと無駄になるからである。(もっとも、メモしていたから解説編は全くこんがらがらなくて済んだのではあるが)
これを読むと、たまたま車のフロントガラスにバズ人形をくっつけていると、例えば駐車場でたまたま道を聞いて来たような若い彼氏のいない女性が、それを見て、「トイストーリー好きなんですか?」ではなく「伊坂幸太郎好きなんですか?」と聞いてくる幸運は、あってもいいではないか、という気がしてくる、ちょっと伊坂には珍しいハートウォーミングな作品がほとんどだった。
ところで、文庫解説において
吉田大助氏が「伊坂幸太郎は友愛の小説家だ」と規定していた。それには、私は異議がある。60%は同意するが、あと40%の伊坂幸太郎を「友愛」というオブラートに包んで意図的に隠そうとしている気がするからである。私は50%か、或いはそれ以上は、「伊坂幸太郎は社会派の小説家だ」と思っている。いや、違う!と伊坂幸太郎ファンで言う人は多いだろう。伊坂はそう言われるのを1番嫌っているんだ、と。本筋とはあまり関係ないが、この作品でこういうくだりがある。
「でもまあ、危ない目に遭わないで良かったよ。こんなことを言うのもなんだけど、正義とかそういうのって曖昧で、危ないものなんだから」
「はい」織田美緒は意外にも殊勝にうなずいた。「お母さんに言われます。自分が正しい、と思いはじめてきたら、自分を心配しろ、って」
「へえ」
「あと、相手の間違いを正す時こそ言葉を選べ、って。というか、先生、どうしてここに来たんですか?わたしたち揉めているのを察知して?」(187p)
伊坂幸太郎は、街の自転車駐車場での小狡い料金詐欺から、国家的な陰謀まで、ほとんどの作品でこのように「言葉を選び」「謙遜しながら」「正義」を語って来た作者である。本来ならばそんなことはせずに、もっと堂々とエンタメの極地の恋愛や性や(戦争・冒険という)かっこいい生死を描けばいいのである。しかし伊坂幸太郎は、それを避けて「言葉を選び、謙遜しながら、正義を語って来た」と、わたしは思っている。そうせざるを得ない伊坂の動機があるからだと、わたしは思っている。伊坂幸太郎の観る社会を、読者であるわたしたちは、キチンと受け止めるべきなのではないか。
本筋とは関係ないけと、そんなことも思った短編集でした。
2017年9月20日読了
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妻子に突然逃げられて落ち込むサラリーマン、元いじめっこと思わぬ形で再会した元いじめられっ子、電話だけで繋がりあった男女、日本初のヘビー級ボクシングチャンピオンを巡る周囲の人々。
それぞれの人生を軽いタッチで切り取った全6篇からなる連作小説。
6篇の連作は独立したお話になっていますが、登場人物が少しずつ重なっていたり、共通のエピソードが出てきたりと、全体を通して楽しめる作品となっています。
冒頭の2話は、著者がファンであるというミュージシャンの斉藤和義の新曲のために書き下ろされたものだそうで、作中には「斉藤さん」なる人物も出てきます。
この「斉藤さん」がいかにも斉藤和義らしい立ち振る舞いをするので、ファンとしてはニヤニヤしちゃいました。
伊坂さんには珍しく「恋愛」にまつわる連作なのですが、丁寧な日常描写によって露わになるテーマにはしみじみと感じ入りました。
人の数だけ出会いがあり、それぞれの触れ合いに無数の笑いやかなしみが生まれる――と作者は教えてくれてるのかなと思いました。
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2017年74冊目
自分にとっては何気ない瞬間が、誰かにとっては人生を変える転機になったりする。そして人は皆、どこが実はつながってる。そんなお話。
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解説にもあったが特殊な設定のない話で伊坂幸太郎には珍しい。どんでん返しというような大きな仕掛けはなかったが、あっと思わせる部分はいつも通り度々あった。読みやすい。