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よくないわけではない。でも今から30年も先の話なのに、ほとんど「進歩」が描かれていない。せいぜい自動運転車が走るくらい。まずその違和感があった。
人物が複数出てきてなぜか「アキさん」だの「めぐみちゃん」だのと地の文に書く意図が分からない。真壁とかいう男が何のために出てきたのか。何よりシンの母親は何をしようとしていたのか、何故死んだのか。
はじめはいろんな複線かと思ったが、これはもしかしたら描く技術の問題なのではないかと思った。
せっかく原子力発電所の問題点を正面から捉えたのにねえ。もったいない作品というべきか。
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重苦しい小説です。
途中で息苦しくなって何度も閉じてしまいたくなりました。
それでも、やはり気になってまたページを開いてしまう。
使用済み核燃料の処理の問題、
それに関する市民運動への弾圧、
「積極的平和維持活動」という名の軍隊、そして参戦、
軍の施設から脱走する兵士、それを手助けする人たち
ー戦場に行くのはいやだ、家に帰らせてもらいたいー
というただ一つの要求を掲げて原発に籠城する兵士、
その生々しさに辟易しながらも、
まさにそれらが起きてしまう可能性を重ねながら読み進めてしまう
「この先、人類はもう滅びるしかないないでしょう」、と籠城する兵士の言葉が哀しい。
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面白かった。現(安部)政権をモデルにしていると思われる、政府の ろくな説明をしないままに(むしろ国民に知られたくないがために)秘密裏にいろいろ決めてしまうところとか、傍受用の建物だって、建ってしまえば景色の一部と認識して 考えることを止めてしまう国民性とか、各方面に向けての批判が存分に込められている。