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紙の本
「あの妄想は危険すぎる。根絶せねばならぬ」
2009/02/10 11:45
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:成瀬 洋一郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
江戸から東京へと名前を変えた街の片隅で、酒代にも困るその日暮らしをしている男の前に、陸軍省の隅倉と名乗る男が現れる。
隅倉が与えようという仕事は、北海道の開拓地を荒らし回る群盗討伐に加われというものだった。
共和国旗兵隊を名乗る盗賊団の首魁は兵藤俊作、かつて矢島従太郎が五稜郭で共に肩を並べて戦った男。矢島は再び北海道の大地に足を降ろし、榎本武揚の掲げた共和国構想の幻影を追い続ける男との戦いに挑む……。
北海道を舞台にしたウェスタン活劇、つまり西部劇です。馬と銃の世界。襲撃。酒場での乱闘。追撃。罠。裏切り。そして決闘。けれども、本質はハードボイルドな冒険小説、かつての戦友との対決、夢を追い続ける男と現実に生きる男との戦いです。
矢島が追い続ける兵藤は、こういう作品には珍しく空回りばかりしている夢想家として描かれます。いろいろ理想を唱えて暴れ回っていても、結局、何事も成し遂げていません。現実をしっかり認識している矢島という男が追撃者として存在することで、初めて兵藤という男が危険な存在となりうるのです。
五稜郭で運命が分かれた1枚のコインの表と裏ともいうべき、2人の男の生き方の衝突こそがこの作品の醍醐味です。しっかり堪能させてもらいました。
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