投稿元:
レビューを見る
「死亡者8人、重軽傷者376人という被害者を出した三菱重工爆破事件が起こったのは、新東京駅グランドオープンから38年遡った昭和49年のことだった。
(中略)
ダイナマイトに換算すると、実に「700本分」という恐ろしい威力の爆弾テロに見舞われたのである。
それは、まさしく「史上最大のテロ事件」だった。
(中略)
本書は、史上最大の爆破テロ事件に挑んだ警視庁公安部の捜査官たちの初の実名ノンフィクションである。
(中略)
彼らの生きざまを通じて、「正義」とは何か、そして「命」とは何か、どうして人を殺めてもいいという身勝手な思想と論理が許されないのか、そのことを感じ取っていただければ、幸いである。」
以上は、本書の「はじめに」の要点をピックアップしたものです。
この本を表現するのにこれ以上相応しいものはない、と思いましたので、感想に変わってここにご紹介致します。
なんでしょう・・・戦慄のノンフィクションです。
投稿元:
レビューを見る
圧巻の作品。時代の空気を感じることが出来、警察官の執念には恐れ入った。そして全く共感が不可能な反抗理由に唖然とするしかない。返す返すも超法規的措置が残念であり、許し難い。
投稿元:
レビューを見る
読み始めると止まらなくなる,非常に読み応えのあるノンフィクションでした。
学生運動については,うっすらと知っていたものの,1970年代に市民が巻き込まれる爆破事件が連続して起こっていたことは恥ずかしながら知りませんでした。
公安警察の方の地道な努力に畏敬の念を抱くと共に,今も犯人が逃亡し,事件が終わっていないことに対し,早期の解決を願わずにはいられません。
なかなか学校では学べない日本の現代史の一端を知ることができ,また公安警察の活動実態に触れることができる点も珍しいと思うので,なかなかおすすめの一冊です。
投稿元:
レビューを見る
小説ではよく、刑事vs公安みたいな形で対立してるシーンがあったりして、今まで私の中では公安はちょっと謎っぽい組織の位置づけでインプットされていましたが、警察にしても公安にしても使命感で目の前の犯罪に立ち向かっていくことには変わりなく、それぞれが自分たちの仕事に一生懸命すぎて、邪魔した・されたになっちゃうのかもねぇ。
土田邸の爆破事件の犯人たちには無罪判決?土田氏の奥様が亡くなられているのに無罪って・・・そんなバカな!何故そんな判決になっちゃうの?関係者の無念さを思うと、納得できない。
せっかく苦労して捕まえた爆破テロの犯人たちを超法規的措置によってさっさと国外逃亡させたことも納得できない。あぁ狼だか危険な犯罪者たちをまた世に放ってしまって何してんのっ!味を占めてまた理不尽な要求を突きつけてくるってわかってたでしょうに・・・。一度テロに屈したりすれば、そうなるに決まってる。まだ逃亡中の実行犯もいるっていうし・・・。憤りを感じてしまいます。
テロ実行犯やその支援者たちが、ごく普通に社会に溶け込んで生活していたことにもビックリだけど、もしかしたら自分たちの近くにいるかもしれない。本当に怖いことだと思います。
投稿元:
レビューを見る
事件捜査を題材にしたノンフィクションの傑作。こんな爆弾テロが現実にあったということに驚き、加担した人間が後に釈放され、いまだ海外逃亡していることに恐怖した。
投稿元:
レビューを見る
門田隆将のノンフィクション小説は事件当事者たちへの物凄い取材量に裏づけされた内容になっているため、リアリティーがハンパなく話に引き込まれますね!約40年前くらいに東京で起きた爆弾テロ事件の当時の反権力のイデオロギーが起こしたテロ活動犯の思想と犯人を追う警察官達の執念の捜査という同じ日本の出来事とは信じられないような話ですが、当時の人間のパワーを感じる熱い一冊でした!
投稿元:
レビューを見る
あと10分、父がここを通過するのが遅れていたら、自分は片親になっていた可能性があったかと思うとぞっとする。昼休みに食事が終わり、オフィスに戻ったのと同じぐらいのタイミングで地響きが起こったらしい。三菱重工ビル爆破事件は、個人的にはそういう距離感の事件だ。今回初めてあらましから逮捕までを追うことができた。想像を絶する被害状況、犯人逮捕までの捜査員の苦労がリアルに描かれている。誠に興味深い内容。一気に読んでしまいたくなる気持ちを抑えるのが大変だった。
投稿元:
レビューを見る
読んでみると、意外と普通の刑事ドラマみたいな雰囲気でした。
全共闘時代からの歴史の流れや、当時の社会の空気など、もう少しバックグラウンドに凝って欲しかったかも。
投稿元:
レビューを見る
臨場感満点だった。
自分が生まれた頃の日本に、東京に、こんな大事件が起きていたのかと驚愕した。 子供時代、左翼と右翼の抗争など目にすることが多かったけれど…その数年前のことなのかと知って更に驚愕。 今ではそんな事なんて無かったかのように時代が流れている気がしていたけれど… 当時の事件に出てくる韓国、アイヌなどのキーワード…今もまた同じキーワードで色々と問題が起きている。 実はまだ解決していないどころか…続いているのだ…。 そして、スクープを取りたいマスコミたちの動き…。マスコミの存在意義ってなんだろうとこちらも今のマスコミと対比しながら考えさせられる。 今の日本の警察、公安はその当時のそれと比べてどうなんだろうか…。
投稿元:
レビューを見る
知名なく、勇名もなしー
此処にあるのは名も無きプロフェッショナル達の物語。実話が実名で綴られる迫力は、時代背景も相まってなかなかなものがある。
投稿元:
レビューを見る
1974年に発生した連続企業爆破事件の犯人を追う警視庁公安部を取り上げたノンフィクション。
作り物ではない実際の話だけに爆破犯グループを追いつめていく公安部の刑事たちの描写がリアルだった。
投稿元:
レビューを見る
日本でも爆弾テロが起きた時代があったのだ。脅迫文から思想特性アナーキストを炙り出し、公安の追尾調査で逮捕に至るまでのノンフィクション。手に汗握る。よくここまで調査して描き直した再構成したものだなぁ。
投稿元:
レビューを見る
【195冊目】若干ハードルを上げすぎたか、意外とあっさり読めてしまった。大きな感動もないなぁ…犯人の内面に関する記述が少なかったのが理由かも。
投稿元:
レビューを見る
あまり上手い文章じゃないんだが、その事実と、ちょっと乾いた感じにグイグイ引き込まれた。
ガキの頃の記憶が蘇る。爆弾とかゲリラとか、とにかく日本はテロの嵐の中になったのだ。怖かった。
何が怖いって、この年齢の若さ。そして、これがまだ終わってないという事実。
オウムの時も思ったが、頭がさがる。
おかしいやろうと思う事件も多いんだが。
投稿元:
レビューを見る
昭和49年丸の内の三菱重工ビルで起きた死者8人、重軽傷者376人という爆破テロ、及び前後して発生した爆弾テロの犯人を追った警視庁公安部の当事者たちの取材によるドキュメント。かなりポジティブな書き方…なのは現場で汗を流された方々への敬意として受け入れるとして、このような事件が自分の生まれる少し前の日本で起きていたことを知らなかった無知を恥じ入る。