紙の本
普通のハッピーエンド
2018/10/24 03:36
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投稿者:雫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この漫画が普通のハッピーエンドで終わるとは思わなかったので驚いた。エンディングは皆幸せそうで良かった。…仲村さん以外は。
個人的には、春日には常盤さんを選んでほしかったからそこは良いんだけど、仲村さんには別の形で救いがあってほしかった。
最後の仲村さん目線の話が衝撃的過ぎたので、あの見方の人があのエンディング程度の救いでは癒されないと思う。仲村さんの今後だけが引っかかる終わり方だった。
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最終巻。
初めて惡の華を買った時は「なんで買っちゃったんだ……」と頭を抱えました。思春期のエグイ部分をとにかくはぎとり、痛い痛すぎるの連続。恥ずかしいですが、わたしにもあった若い頃の破壊衝動を思い出させられ「もうイヤ……読むけど……」というかんじでした。
高校生編に入ってどんどん普通になっていく物語を読みながら、そこに生じる空っぽの感覚に「もういいかな」という後悔がありました。
しかし、9巻を読んで自分の過ちに気づきました。中学生編で終わらなかった意味、高校生編に続いた意味。涙が出ました。
大抵の人は後悔しているであろう痛い過去を赦してくれる。それでいいんだよ、と背中を押してくれる大切なマンガになりました。
普通である愛おしさ、苦しさ。同時に自分の中にある暗い気持ち。それでも幸せを掴みたいと思う気持ち。
最終巻を読んで、穏やかな涙が出ました。集めた意味があったと心から思います。ありがとう。
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最初から間違えていた。ハメられた。こんなに腑に落ちる最終話、ただただ読んできてよかったぜ!っておもたです。
仲村さんのボキャブラリーの幼さが切なくて。最終話にむけて時間軸の逆走で、仲村さんという少女に、突如説得力がでてくる。生身の人間らしい葛藤をかかえた少女の姿。
最終巻よんで、全巻通して読み直したくなるマンガってそう多くないけど、これは間違いないく、それ。仲村さんと春日の関係、11巻を読む前と後でミカタがかわる。
にしても、常盤さんのにんげん力がハンパない。
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ただただ、面白かった。良い終わり方の見本みたいな感じ、ですかね。穏やかに、そしてすうっと入ってくる心地よさ。
初期巻から考えると、こういう終わり方になるとは、思わなかった。
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青春とは疾風怒濤、吹き荒ぶ風と、猛り狂う波と、
そして海辺での殴り合いだ。
それはもう、お決まりのパターンなのだ。
青年期を「疾風怒涛」と表現したのはアメリカの心理学者G.S.ホールであるが、彼が提唱した学説に「心理的反復説」というものがある。
個人の発達は生物としての人類が辿った進化の歴史に似た発達段階を繰り返す、というもので、
要するに文化や時代は違えど結局人は、過去の人が繰り返してきた同じパターンの反復でしか成長していけないんだよ、ということである。
結局みんなふつうに生きて、ふつうにセックスして、ふつうに死んでいくんだよ。
それしかできないんだよ。
それのどこがいけないの?
物語は永遠に続く繰り返しとして、幕を降ろした。
これは永遠に終わらない春日青年の思春期の記録であり、
永遠に繰り返される人類の歴史の一部なのだ。
…とまで言ったら、言い過ぎか。
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この物語はボク自身だ。
ボク自身の救いの物語なのかもしれない。
あとがきにもありましたが、
この作品が世の中に出てくれて
読むことができてすごくうれしいです。
何回でも読みたくなるので、絶対に売りません。
押見修造さんに感謝申し上げたい。
この作品を書いてくれて本当にありがとう。
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どんな壮絶な終わり方をするのかな、と思っていたらとても「普通」な終わり方でした。でもそれが良かったです。
心と体が男女それぞれで成長していく思春期、そこから生まれる嫌悪感や得体のしれないドロドロした感情とどう向き合うかを描いた漫画なのかなと思いました。
今までよくわからなかった登場人物達の台詞も、最終巻を読んだ後なら理解できます。
悪の華は誰の前にも現れていつか散っていくもの。それが普通。
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素晴らしかった。その一言に尽きる。
読後感はきっと人それぞれなんだろう。それこそが素晴らしい作品の本来の評価なんだと思う。
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もっと劇的な最終回を期待していたが、中村さん以外はそれぞれ普通の幸せを手に入れて行ったようである。結局は思春期の不安定な精神世界だけが面白かっただけで、第二部はそれを収束させただけのようだ。ただ中村さんだけはさらに冥府魔道をいくのだろうか、しかし物語はリフレインすることで終わってしまった。ちょっと期待はずれ。
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1巻2巻の頃は個人的にはそこそこ面白いフェチマンガといった程度の印象で、表紙とタイトルでなんとなく買って読んでいたのだけれど、もういつからか発売が待ち遠しい漫画になっていました。そしてもう少し続くと思っていたので完結が寂しいです。高校編もう一波乱あると思った。終わり方としては、盛り上がりには欠けるけど下手に話を盛り上げてチープな作品になるよりは、これはこれで良かった。
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完結したー!少し淋しい。
読み終えた時、最初から読み返さなきゃと感じた。
終わり方としては、嫌いではないけど、まだもう一波乱を期待していなかったと言えば嘘になる。
少し間を置いて、一気読みし直そう。
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完結巻が出たということで『悪の華』と『おやすみプンプン』を比較しながら一気読みしてみた。どちらもファム・ファタールに出会った少年が悲劇的な恋愛を通して成長するという 同じ物語を描いてるんだけど、作者の資質これだけ読書感が変わるのが面白い。
僕は個人的に『あの人には、あの人の人生があり、自分の思い込みとは関係なしに、勝手に成長したり救済されていたりする』という現実を描いた『悪の華』の結論の方が自分には合っているな…と感じました。
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押見さんの作品を読んでいると主人公の自意識の強さに胸がドキリとすることがあります。まるで昔の自分を見ているようです。
本を読んでいる自分がかっこいい、周りはみんな馬鹿だ。こんなことを思っていた時期が僕にもありました。それが本当にくだらないことで、空っぽの人間が強がっているだけなんだと、押見さんはきっと当時の僕と同じ気持ちを持っていたんだろうな。これからも応援しています
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正直はじめは物足りなさを感じてしまったけど、納得の終わり方でした。
「ふつうにんげん」になっていくんだけど、過去の青臭さはいつまでも個人の中で反復し続けるのだなと思いました。戻りたい、戻りたくない、やり直したいとかどれも叶わないけど一生付き合っていくのかでしょうか。そうだと嫌な気もするけどやっぱり素敵だと思います。
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春日がふつうのにんげんとして最終話を迎えてしまいあっけに取られた。しかし、最終話で仲村さんをふつうのにんげんにしたのは春日だったというオチで、1話からのドロドロぐちゃぐちゃした物語が完全に昇華された。