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1940年生まれ、独文学者、エッセイストの池内紀(おさむ)氏の「すごいトシヨリBOOK」(2017.8)、面白かったです!70の時、77の時には自分はもういないと思い、あれをしよう、これをしようと思ったそうです。(決断がしやすくなる)満期が来たら3年単位で延長してるそうです。また、お金を意識しないで生きるのが本当のお金持ちとの考えで、毎朝所持金を点検(小銭、お札、リュックに安心用5万円)し、それ以後はいっさいお金を考えないそうですw。リュックは散歩用、国内・国外旅行用と3つ準備し、必要な小物が入ってると!
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あの池内紀さんの新しい本
ということで
手にしてみました
池内さんらしい
極上のユーモアに包まれた
読む人の不安な気持ちに
そっと寄り添うような
一冊でした
ところどころに
挿入されている
池内さんの肉筆文字とイラストが
秀逸です
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著者はカフカやゲーテの翻訳者としても知られるドイツ文学者。生まれが母親と同じ昭和15年ということで、自分の親の「老い」に関する認識はいかがなものかを確かめようかなと読んでみた。
が、ある意味、自分がこれから行く道の準備を進める上でも、ほどよい指南書にもなっているかなという気がして、己の「老い」も認識したりして(笑)
書籍紹介サイトに担当編集者の言葉として
「読者の半数が女性なんです。驚きました。昔の肩書きや人脈から離れられない、自立できない男性たちへの先生の厳しい視線が、共感を呼んでいるのかもしれませんね」
と、著者と同年代でもなく、あるいは同性でない読者が興味を示しているというのも面白い。
著者が70歳を迎えるにあたり「自分の観察」にとつけ始めたメモが元になっていて、著者なりの「老い」を楽しむ秘訣のようなものが披露されている。
とはいえ、それほど新しいこともなく、要は無理して抗わないというのが、老いを楽しんでいる人の共通項かなというところ。著者も、
”老いに「抗う」のではなく、老いに対して誠実に付き合うこと。”
と記し、
”自分の老いに関して、自分以上のスペシャリストはいない”
と意気揚々。
70歳以降のメモとのことだが、今の自分でも役立つ指摘もある;
「一度、一方的に流されてくる情報を遮断してみる。自分が本当に興味があるものは、遮断しないとわかりません。テレビの持つあの非常に安っぽい情報、安っぽい娯楽、安っぽい教養、そういうものは一度、拒否してみていいんじゃないか。」
「元同僚、元同窓といった「元」が付く人たちとの縁も遮断する。懐かしいとは思うけれど、昔話からは何も始まらない。いったん、過去に見切りをつけることです。」
役立つもなにも実践しているし、ほどほどにと心がけていることでもある。
読み終わったら著者と同じ歳生まれの母親に回そうと思っている。著者が病身の母親を自宅に呼び戻して看取った時のエピソードなども、心温まって良い。
”そろそろ危ないんじゃないかって医者が言うから、横に蒲団を敷いて、親孝行のつもりでね、でも退屈だから電気をつけて本を読んでいたら、
「オサム、そんなので読むと目が悪くなるよ」
「うるさいな、もう!」
受験生の頃と同じになっちゃってね。”
ドイツ文学者だけに、ドイツ語にまつわるこんな引用も面白かった。
”ドイツ語に「眠りは短い死、死は長い眠り」という言い方があります。死は長い眠りですから、短い死を経験しておくと、長い眠りのコツがわかっていいかもしれませんね。”
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ドイツ文学者である著者が、ご自身の事を絡めて老いについてお書きになっています
誰にでもやって来る老いを心構えとともに考えを述べてらっしゃいます
確かに著者の様にお金にも心にも余裕を持ってトシヨリライフを楽しめるなら老いも楽しみに思える一冊です
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わけ知り顔の話でもないし、薀蓄をたれるのでもないのは助かります。しち面倒臭いことを言わず、無駄な抵抗をするでもなく、あるがままを受け入れたらどうですかってこと。その現状の中で、好きなことをしたらいいのよ。そして、その時が来たら笑ってgood bye bye!
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人生の先輩方たちの生き方を学ばせてもらうのも好きですね。「あ。。そういう感じになるのか?」的な学びがあった時は、嬉しい。
最近、日増しに時間の流れが速くなってきているので、どんどん学んでいき、「あの時、あれをしておくんだった・・」というような思いは少なくしていきたい。
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・「自分はあと3年生きてみる」という延命寿命制という考え方は面白かった。
・「3年内にこれをやらなかったら、その後もやらないだろう。だから今これをやてみる」という考え方は面白かった。
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定年後の本にもありましたが、やはり子どもの頃から好きだったこと、まめに活動してきたこと、こういうことが生涯やりたいことなのかなと思いました。時間が出来たからといって苦手なこと、好まない環境に飛び込んでいくことはなさそうです。
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P74
常にお金のことばかり
考えているのが
一番貧しい
P74
お金を意識しないで
生きるのが、本当のお金持ち
P84
お金を使わないで
暮らす術(OTKJ)
P83
どれだけ少ないもので
生きられるかというのが知恵
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P50
他人が年寄りを作る
P28
「自分の主治医は自分」
P37
「老人は醜い」
(エーリヒ・ケストナー)
P37
群れて、集まって、
はしゃいで、
というのは老いの尊厳に
対する侮蔑ではないか
--------------
P115
夫婦旅行は別々に
出発したほうがいい
P117
自分で工夫をして
知恵を出して
自立する
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ドイツ文学者の池内紀氏の著書で、トシヨリについて、自分のことを書いている。老いは誰しも必ずやってくる。どのように楽しむのか、自分なりに考えておくことが大事だ。
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そうか、自分より下の年代は経験したといえるわけだ。それがいいかどうかは別として。いろいろ面白かった。
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1940年生まれ、独文学者、エッセイスト。タイトルが少しダサいですが、池内さんが、70歳の時、「こういうことはこれまでなかった」「これぞ年寄りの特徴」とか、日々、気がついたことを記録するための、「自分の観察手帳」をつくりそのタイトルがこれだっんだそうです。何歳まで生きるか想定しにくいので、とりあえず77歳として予定をたてる。ただし「満期が来たら3年単位で延長する」としたそうです。
元気、よみがえり、再生なんて言葉に騙されずに、老化を認める。群れずに自立する。
オシャレをする、健康診断は受けない(どこか病気はあるもので、病気、病院に追われる人生になってしまう)、新しいことを始める など彼ならではのスタイルを紹介している。こうしたことは個人個人にあって、参考になったり、ならなかったりだが、参考にならなくてもいろんな生き方をしてるんだと面白く読める。年とることは個人個人違うので、個人個人が異なるスペシャリストである。スペシャリストならではのウンチクが楽しい。
『「心は老けても心は老けていない」といのうは、錯覚で、「心は老けてない」と思うこと自体が、まさしく老化のしるしといえます。心という見えないものを当てにしてるだけ。鏡に映るシワだらけの自分の顔が本当の年齢で、心も当然、シワだらけです。』心も老けるからこそ、これまでと違う人生の局面が見えてきます。「病気にならないと健康がわからない」「飛び上がらないと引力がわからない」と同じで、反語的だけれど、「老いて初めて若さがわかる」ということになります。』
『老いに「抗う」のではなく、老いに対して誠実に付き合うこと。老いの中で起こる面白くないことも、目をそむけたり、すり替えたりしない。個人個人がスペシャリストで、個人個人が自分特有のやり方、方法を持つことになる。その時に初めて楽しみが出てくる。』
『見慣れた自分が、知らない人間になっていく。知らない人間の出現にタジタジとなって、そんな自分と隔たりが出てくる。老いると自分が自分と疎遠になっていく。そういう見知らぬ他人に近くなった自分と、いかに折り合いを付けていくかというのが、老いていく日々の特徴です。』
『「老いとは寄り添え」「病とは連れ添え」「医者は限定利用』
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老化早見表のカテゴリー3の、横取り症 整理整頓 せかせか 過去すり替えなどの症状、我にあり。過去すり替えは過去捏造に進む。
そういう目で他者を見ると、いろいろ発見あり。「最後まで話を聴く」「人の話を取らない」心しよう。
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カフカなどの翻訳で知られるドイツ文学者の池内紀さんが、70歳に書き始めた「すごいトシヨリBOOK」。序文で「77にはこの世にいない」と書いている。今年の8月に78歳で亡くなられた。▼「老い」を笑って私たちに見せてくれる。老いが自然に受け入れられる。▼堀口大学の詩の紹介:〈深海魚光に遠く住むものはつひにまなこも失ふとあり〉▼『尊厳死協会会員』になって延命治療を拒否する意思を明示する。▼「あの映画を見に行こう」と思っていても、億劫になって結局見に行かなかったりするものです。ただ億劫がって出歩かなくなると急速に老いてしまいますから、スケジュールを作るというのは、常に自分を移動させる方法、自立の一つの方法だと僕は考えます。▼「老いとは寄り添え」「病とは連れ添え」「医者は限定利用」▼僕、健康診断を全然受けていなくて、あれは非常に不合理です。健康な若者の基準値を基にしているわけですから、「異常」ということになってしまう。20歳の人が検査しても、80歳が検査しても、同じ数値で判断する。おかしいですよね。・・終末の医療を考えてくれる町医者で十分です。▼考えようによっては孤独死って幸せなんじゃないか。窪田空穂は90歳の死の床で〈まつはただ意志あるのみの今日なれど眼つぶればまぶたの重し〉と詠んだ。詠嘆もせず、哀惜の情も述べず、ただまぶたの重さだけを詠んで・・・。
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故池内氏は著名なドイツ文学者。サラリと読め、素直に老いの境地が語られている良書。加齢により衰えてゆく自身の身体や頭を、面白く書き留めたもの。取り立てて新しいものはない。衰えることに抗わず、それを新しい経験として楽しむくらいでちょうどよいのだろう。やりたいこと、楽しみたいことがあれば、70歳までにやるべきで、先延ばしはやめようと思った。