電子書籍
佳作の短編集
2019/03/31 10:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:初心者 - この投稿者のレビュー一覧を見る
どの作品もレベルが高く楽しめます。
殊に歌野さんの作品は少し趣が異なり、金田一耕輔のような名探偵ものという概念では計れない新しい感覚の作品です。
綾辻さんの作品は、代表者の特権ということもあるのか、名探偵という表題からすると半ば反則のような作品です。しかし作品としては大学のミステリー研究会に参加した気分になれて読後感は良かったです。
紙の本
豪華な顔ぶれ
2019/02/18 07:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つきたまご - この投稿者のレビュー一覧を見る
まず、アンソロジーで、ここまで豪華なメンバーが揃うことがあるのかと。。。
これは驚きでした。そして、やはり、全ての話のクオリティーが高かったです。すごくオススメ!
全部好きだったのですが、特に、我孫子武丸さんの話が好きでした。AIの話ですが、そうきたか!という感じです。
歌野晶午さんの話も、こういう設定自体が大好きなので、読めて良かったです。
他の、「いつもおなじみの名探偵」たちが出てくる話も、一冊で楽しめて僥倖でした。
衝撃を受けたのが、綾辻行人さんの話だったのですが、どこまで本当なのでしょう。。。ラスト、読みながら、「え、え、え、、、?」とずっと言っていた状態です。
投稿元:
レビューを見る
本格好きには嬉しい3連発の1発目♪
執筆勢が豪華で、どれも期待通りの面白さ。
文体もトリックもさすがの粒ぞろい。
SFチックなものもあるのが楽しい。
綾辻さんが最後というのも、満を持して大御所登場という感じ。
で、あれは実話だったり?(笑)
最後のおちに、そういえばそのお方がそれまで登場していなかったことに気付き膝を打つ。さすが。
投稿元:
レビューを見る
迷い込んだ森の豪邸にてメルカトル鮎の推理『水曜日と金曜日が嫌いー大鏡家殺人事件ー』麻耶雄嵩
落語の饅頭怖いのパラレル設定殺人推理『毒饅頭怖い』山口雅也
オンライン名探偵をめぐって『プロジェクト・シャーロック』我孫子武丸
鄙に稀なる良い男を殺したのは誰だ。火村とアリスコンビが挑む『船長が死んだ夜』有栖川有栖
二人の男がそれぞれあべこべの部屋であべこべの遺書をもって死んだ。法月親子がヒントを求めて語り合う『あべこべの遺書』法月倫太郎
シェルターで戦争下生き延びている身寄りのない天才たちが次々と死んでゆく『天才少年の見た夢は』歌野晶午
京大ミステリ研における幻の名作は存在したのか『仮題・ぬえの密室』綾辻行人
豪華な七名の新本格ミステリ作家さんが新本格30周年を記念して出した短編アンソロジー。
しかし、ミステリーの短編は難しい。ミステリ短編をいくつも書いている有栖川センセは得意分野だろうけれど、少し推理ものとしては無理のあるものが多かった印象。
でも、SFのような作品、落語モチーフの変化球などいろいろな味が楽しめる。
好きなのは「プロジェクト・シャーロック」と「仮題・ぬえの密室」でした。新本格30周年の記念推理イベントの本も読んだので、作家さんがたがミステリが大好きで、切磋琢磨しながら大好きなミステリを盛り上げようぜってなってるのがうれしい。
作家のみなさま、応援しております。
投稿元:
レビューを見る
新本格30周年記念アンソロジー。
タイガからもアンソロジーが予定されめいるが、ノベルズ版初期から第一線で活躍している大御所揃いで、どれかひとつを選ぶのも難しい。タイガの方も楽しみだなぁ。
投稿元:
レビューを見る
新本格30周年記念の超絶豪華なアンソロジー。麻耶さんは良くも悪くも相変わらず。久々のメルカトルに興奮も、やっぱり美袋が可哀想。有栖川さんは流石の安定感。綾辻さんの身内ネタ(?)は、どこまで真実なのかわからないこその面白さがある。皆さんまだまだ健在で、新本格のこれからに目が離せません。
投稿元:
レビューを見る
新本格30周年記念アンソロジーの書き下ろし7篇を収録。
『水曜日と金曜日が嫌いー大鏡家殺人事件ー』(麻耶雄嵩)…非常にらしくて嫌いじゃない。
『毒饅頭怖い』(山口雅也)…『落語魅捨理全集』シリーズ。
『プロジェクト・シャーロック』(我孫子武丸)…名探偵プログラム。
『船長が死んだ夜』(有栖川有栖)…作家アリスシリーズ。「山田風太郎記念館」に行く途中。
『あべこべの遺書』(法月綸太郎)…法月綸太郎シリーズ。
『天才少年の見た夢は』(歌野晶午)…爆弾から避難したシェルターの中で。
『仮題・ぬえの密室』(綾辻行人)…事実?フィクション?
『毒饅頭〜』と『船長〜』が面白かった。
投稿元:
レビューを見る
新本格第一世代の豪華作家陣の書き下ろしで、入門編と言えるほどに「らしい」短編が揃っている。麻耶雄嵩の『水曜日と金曜日が嫌い』はメルカトル新作で相変わらずの銘推理、長編向きの舞台と事件を短編に強制的に落とすメルカトルの手法に美袋も読者も振り回される。美袋の設定しているメルからの電話の着信音に思わず吹き出してしまった。そして最後の一行が九州旅行の時よりも衝(笑)撃的。山口雅也の『毒饅頭怖い』は読ませる文に落語のアレンジ、饅頭怖いのアレンジからの意外な方向へのシフトはにくいテクニック。我孫子武丸『プロジェクト:シャーロック』は今回のベスト級で「名探偵」のテーマに最も相応しい。あの短さであの切れ味、名探偵のシリーズを使わないからこそできた現代のミステリの一つの例示になった、同時に過去のミステリへのリスペクトも感じる。有栖川有栖の『船長が死んだ夜』は安定した本格の手本、作家アリスシリーズの新短編として衰えぬロジックと読みやすい文が楽しい。法月綸太郎『あべこべの遺書』は軽快な机上の推理、作り物めいた作品でいまひとつパッとしない感があったが、段々と真相に近づいているような感触が読者にまで伝わるのが素晴らしい。歌野晶午『天才少年の見た夢は』はいつもの彼らしい展開、やはりこの人の作品は一筋縄にはいかない。とあるネタ被りが最大の不幸だが、それを差し引いても傑作と言える。そして綾辻行人『仮題・ぬえの密室』。ここでしか成立しないミステリファンへのギフトであり、ミステリファンだから楽しめる作品。正直本当に短編の本格が苦手なんだろうなぁと思ってしまう(笑) 結局のところ、一番すごいのは奥さんの小野不由美なのではないか。究極の身内ネタだが、今回のアンソロジーの記念碑感を大いに高めているのでよしとすべきかもしれない。ラストには競い合い高め合ってきた戦友への複雑な思いが見える。
投稿元:
レビューを見る
七人の顔ぶれ、そして特別デザインしおりランダム挟み込みと新本格30周年記念出版として打ち出した企画のこのノベルズ。豪華ですね。
どれも、その作家さんらしい作品で大変満足しました。
投稿元:
レビューを見る
新本格好きを殺す気か。
萌え殺す気か……。
もはや表紙からして殺す気満々だもん……。このメンバが一冊に集まってるんだよ?? 嬉しすぎて吐き気がするレベルだわ。
掲載順は、デビューの遅い順なので、最初が麻耶くん。もう美袋くんが出てきた時点で狂喜乱舞だよね。でも逆に「名探偵縛り」ってことは綾辻どうすんのよ、とも思ったよね(笑 ほかのメンバはどうとでもなる、どうとでもしてくれそうだけど、綾辻、短編で名探偵ものって無理じゃね? って思ってたら、本人もそう書いてた。
麻耶くんはまあ、メルが出てきていつも通りのオチだったし、法月さんと有栖川もそれぞれ、綸太郎と火村の短編。相変わらず「推理小説」としてはしっかりしてるけど、印象に残らないよな、法月さんの話は。アリスのほうは安定して読めて面白かった。免停くらってる火村に笑ったけど。
山口さんは落語だけど、オチが奇偶っぽい。我孫子さんがちょっと変化球かなって思ったけど、よく考えたらこの中では我孫子さんの話を一番読めてないからなぁ。でも面白かった。歌野? いつも通りだよ。
正直綾辻の話は賛否別れそうな気がする。――ような気がする。
けどまあ、たぶんこの本を手にてるような人は新本格好きの綾辻好きだろうから許せるというか、喜べると思うんだな。話のなかで嘘つきよばわりされてる麻耶くんがかわいそう。
個人のレビューだから好き勝手、敬称略で書いてるけど、作家の名前って「商品名」なイメージがあるんだよなぁ。だからよく手に取るものはちょっと乱暴なものいいになってしまう。綾辻や有栖川、歌野ってなってるのはよく読むからなんだろう。ただ麻耶くんだけは「麻耶くん」って書いちゃうの、綾辻のエッセイの影響だと思います。
そんで最後のオチな。いや、名前が出てこないな、そりゃ大学時代だし、同年代とはいえ学校が違ったからしょうがないかと思ってたら、まさかのオチ要員。卑怯すぎる。まあ飽くまでも「小説」ではあるんだけど、「お前かよ!」ってツッコミをいれました。
そういえば、挟まってたしおりは有栖川でした。たぶんそれぞれデビュー作から引用して、七種類あるんだろうな。ほかのも見てみたい。
投稿元:
レビューを見る
新本格ミステリ30周年記念の豪華な7名の作家によるアンソロジー。十角館の殺人による衝撃は今だ衰えず、という感じかな。あの作品があったからこその、30周年な訳で。個人的に近年は新本格の作品を殆ど手に取らなくなったけど、久しぶりに新本格作家達の短編を読んで「ああ、新本格って、やっぱり面白いな」と改めて思ったりもした。
どの作品も面白く外れなし。こういう良質な短編集を読むと単純に幸せになれるよね。個人的に好きだったのは、我孫子さんの作品と綾辻さんの作品。単純にこの二人が好きだという事もあるんだけど、両者共に自分の持ち味を存分に発揮していると思った。まぁ、綾辻さんのは完全に新本格ファン向けの話なので、正直好き嫌いはあるのかなと思ったりもするけど、個人的にはドストライクでした。
投稿元:
レビューを見る
新本格30周年記念のアンソロジー。このあたりの世代の作家さんにどっぷりはまった身としては、これもう珠玉の一冊です。全部書下ろしで、どれもこれもが読みごたえのあって楽しいこと!
お気に入りはやっぱり綾辻行人「仮題・ぬえの密室」。これは厳密にはミステリというのもちょっと違うかもしれません。でもミステリについての物語なのは確かだし、ミステリに対する愛情はもうこれでもかってくらいに詰まっていると思いました。ほぼノンフィクションのような実名小説。これがまったくの真実であってもいいかもしれないと思えます。登場する人たちがみんな楽しそうで幸せそうで、読んでいるこっちもものすごく幸せな気分になりました。嗚呼、ミステリって素晴らしい。
投稿元:
レビューを見る
8月に参加した絢辻氏の読書会にてこの作品の刊行を知り、楽しみにしていました。作家さんそれぞれの色が濃く表れていて、とても楽しく読めました。ラストを飾る絢辻氏の作品、こういうテーマで書き上げるのはさすがです。◯◯◯先生リスペクトですね。
投稿元:
レビューを見る
それぞれ個性ある作品の集まったアンソロジー。
とても楽しかった。そして、綾辻さんが最後、というのもすごく楽しめた。最後にぴったり。
読んだことのない作家さんもいたので、ちゃんと読みたくなった。
どの作品も、ほんとに楽しめた。その中で個人的にはやっぱり麻耶さんの作品が好きだなぁ。最後の締め方がほんと好きだなぁ。
兎にも角にも、贅沢な短編集だった。
投稿元:
レビューを見る
新本格30周年記念ということで、通常では考えられない豪華執筆陣と、作家同士のいい関係性を表すようなお遊び要素もありのお祭り本で楽しめた。ただ惜しむらくは、面白かったけれども初期の新本格的な犯人当て小説が思いの外少なかったこと。