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「砂歩き」と思われる怪異に憑かれたと思った由羽希は母の実家の地域にある遺仏寺に助けを求めに訪れる。住職の天山天空は持っているだけで祟る品物「忌物」を扱う専門家と名乗り、怪異の原因は祖母の櫛と指摘。助ける代わりに忌物に纏わる怪異譚を記録する手伝いをしろと言われた由羽希は夜な夜な話を聞く事になる。後ろ向きのスリッパが部屋に少しずつ迫る「後ろ立ち」や電話から聞こえる奇妙な一言「一口告げ」は日常に潜む怪異が手を伸ばしてくる塩梅が絶妙。「霊吸い」は毛色違って浮いた印象。各章締めの天空の語りが軽くて怖さも消えるな、と思っていたら由羽希の話に入ってからが本番。すいません舐めてました。それまでの怪異譚もまた上手く取り込まれていて怖さ倍増。お約束の展開で先も読めるのに怖かったよ。