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三津田信三の最新作。
どちらかというとキャラクター性の強いホラーで、角川ホラー文庫の『死相学探偵』シリーズを彷彿とさせる仕上がりになっていた。そして猫が可愛い。
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怪異から逃れるために忌物寺を訪れた少女は、祟りなす忌物を蒐集する若い住職(イケメン)から、忌物にまつわる怪談を聞くことに。各話とも異なる趣向で語られ、静かな怪異譚から強烈なスプラッタまであるが、キャラ要素強めでコミカルな会話もあり怖さは薄まっている。
ふつうは怪異を引き起こす物にまつわる因縁話が出るものだと思いますが、当作品は淡々と怪談話に徹するスタイルであり、忌物を当てる要素がちょっとしたアクセントに。
少女がまずい状況にあるらしいのに、緊張感少なく詳細がなかなか明かされないのは、理由があるとはいえもやもやするものがあった。最後の攻防は古典的というか様式美というか。
『一口告げ』が好みです。
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これはホラー。で、新シリーズ。(一応、収録されてる5話で綺麗にまとまってますが、続編アリの締め方してますしね)
得体の知れぬモノに怯え助けを求める少女・由羽希と、彼女が駆け込んだ遺仏寺の住職・美形の僧侶天空。黒猫先生可愛い。
短編集なので全体的にサラッと読めて、連作らしく第5夜に総まとめのように怪異をぶち込んでくるのが良いですね。第3夜の『一口告げ』、怪異の真相が見えたときのゾッとする感じが好みでした。全体を通して、天空の存在が一番得体が知れなくて恐ろしいと思いましたよ~。
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従来の三津田信三ものとは、少し違うホラーです。
怪異を語るのは同じですが、それぞれに特に結末はつきません。
なんとなく、もやもや感が残りますが、それはそれで、良しです。
新たなシリーズの始まりになるのでしょうか。
楽しみです。
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新シリーズの連作ホラー短編集。所有するだけで祟られる品物(忌物)が集まる朽ちかけたお寺。救いを求めにそこに訪れた女子中学生が、住職から忌物に纏わる怪異譚を毎夜聞かされる事になる。
怪異譚は怖かった。いつもながら擬音の使い方が巧く、ゾクッとさせられた。但し、関西弁の住職と全く主張の無い少女との会話(一応謎解きを兼ねている)が、怪異譚のムードと合っていなくてチグハグな印象を受けた。三津田さん、最近あまり調子が良くないな。
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50点
中学生の由羽希が曰くありげな「忌物」に関わる謎を解きながら自分に降りかかった怪異を住職の天山天空とともに解決する連作短編。
由羽希視点で話は進みますが、小説の冒頭の導入が説明調で平坦に続き、さらに私は主人公に感情移入が全くできなかったために非常に読み辛かった。
忌物をテーマにした怪談は比較的面白かったものの、そこから本編へ有機的に繋がる訳でもなく、本編に戻った途端やはり面白くなくなる印象。
シリーズ作ということではありますが、主要キャラクターも少なくシリーズ作である必要が残念ながら感じませんでした。
三津田さんのホラー本格ミステリは非常に好きですし、『のぞきめ』なども面白いと思うのですが、
短編集は特に外れが多い気がします。その原因が今一つはっきり掴みきれてないのが消化不良
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いつもはホラーよりのミステリだったり、逆にミステリよりのホラーだったりする作品が多い作家さんこれはよりホラー路線というかいかにも「怪談」という感じですかね。なんとなく部分的にでも合理的な解釈というかミステリ的な真相みたいなものがあったりするんですが、今回は「結局よくわからないなんとなく怖いもの」というお話が多かったように思います。
そしてメインストーリーですが、なかなかに深刻な状況で大変なことになってるにもかかわらずなんともライトな雰囲気で怖さをあんまり感じさせません。良くも悪くも。
そして「いかにもなシリーズ一作目」という終わり方ですねえ。
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【収録作品】砂歩き/後ろ立ち/一口告げ(前編)/一口告げ(後編)/霊(タマ)吸い/にてひなるもの
かなり怖い話だが、天空と黒猫先生の存在が安心感を与えてくれる。
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新シリーズ開幕のようです。所有するだけで祟られてしまう「忌物」を巡る連作ホラー。これは続編もまた何とも楽しみ! でもやはり怖くって、なかなか読み進めなかったのでした……(苦笑)。
ひっそりとした恐怖を感じさせられるものや、なんともパワフルな祟りを引き起こしてくれるものまで、登場する忌物はいろいろあって楽しい……ていうか、怖い。どの物語もじわじわ怖かったのだけれど、そのあとの最終話、あれは何っ! それまでのが全部融合したような恐ろしさ。後ろ向きってのがやはり一番怖いかなあ……それで走ってこられたら。一瞬笑えそうな気もしますが。やっぱり怖いよね。
しかしそんな中で。黒猫先生の存在が救いでした(笑)。悪しきものも祓ってくれそうな癒しのパワーを感じます。
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何かに怯えて遺仏寺に助けを求めに行った由羽希は、寺に着いた時その理由を忘れていた。そこは持っているだけで祟られる忌物が集められた寺で、彼女は数日間、それらにまつわる怪異譚を聞かされることになるのだが…
ホラーっぽいミステリかと思ったらストレートにホラーだった。理由のわからない不条理な怪奇現象はなかなか怖いが、「霊吸い」はスプラッタすぎて別の意味で怖い。
個人的にはもう少しミステリっぽい方が好み。
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三津田先生の作品にしてはめちゃくちゃ俗っぽくて登場人物がまるでライトノベルのようでしたし、お話の内容はネットの怖い話でこういうの見たな…という感じでした。ちょっと残念
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「砂歩き」という怪異に取り憑かれている中学生の少女由羽希が怪異から逃れるために、遺仏寺にて天山天空という住職から、所有するだけで祟られる「忌物」に纏わる話を聞くという短編集。
ミステリーではなくホラー小説のため、犯人当てはできないし、救いのない話が多いが、所有者に怪異をもたらす原因となる「忌物」を当てる楽しみ方はできる。
中には、何が忌物なのかを当てるのが主題の短編もある。
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怪異に追われ、助けを求めて走る由羽希。幼き頃の記憶に残る遺仏寺を這々の体で目指していた。しかし、必死の思いでたどり着いた寺は廃寺のように荒れ果てており、とても誰かがいる雰囲気ではない。絶望していると、堂の中から声がかかるが……。
***
姿の見えぬ怪異に追われ、遺仏寺に救いを求め長い道のりを奔走する由羽希。息も絶え絶えにたどり着いた寺は、お世辞にも手入れが行き届いているとは言えないほど、荒れ果てていた。やっとたどり着いたのに、人の姿がまったく見えぬ寺の有様に絶望していると、一匹の黒猫がやってくる。幼き頃に可愛がっていた黒猫の存在を認め、一息ついていると本堂の中から男の声が聞こえた。目元の涼しい、鼻筋が通った美形の坊主の登場に放心していると、中に入るように促された。いわれるがまま、堂内に入るとそこには破損した様々な品々が足の踏み場もない程広げられている。呆気にとられていると、坊主はそれらは持っているだけで障りを生じさせる、曰くつきの品々『忌物』であると告げた。そして、何とかその忌物をよけつつ、腰を落ち着けた由羽希はここに来たいきさつを聞かれ、語ろうとすると、言葉が出てこない。確かな意思と何かしらの出来事があって来たはずなのに、脳裏をかすめる言葉は、「分からない」の一言だけであった……。 怪異に追われ逃げてきた中学生、由羽希と由羽希が逃げ込んだ遺仏寺の主、天空、そしてその寺に住み着く黒猫、黒猫先生が登場人物。前述したように、天空は鼻筋が通っている美形の坊主であるらしいのだが、そんな彼がなかなかの曲者。助けを求めて逃げ込んだはいいが、ぞんざいな扱いを受ける事に由羽希は不満を覚える。とはいえ、話しているうちにどうにか助けてもらえる方向に話が進んだ。交換条件付きではあるのだが。そして、その条件とは天空が全国から集めたり、送られてきたりした『忌物』に纏わる怪談話を文章に書き起こすというものだった。ついさっきまで怖い思いをしながら、長い道のりを着たというのに、まだ怖い思いをさせようというのか。なんとも酷い坊主である。しかし、この条件をのむ以外に救いの道はないようで、不承不承で『忌物』の怪談を書き起こすことに同意する。気を良くした天空は、翌日から『忌物』に関する話を、由羽希に語り始めた。語られた内容はいくつかあったようだが、文章にて読者が読むことができたのは『後立ち』『一口告げ』『霊吸い』の3つ。どれも背筋がゾッとする、まさに鳥肌が立つ話ばかりだった。この話の中で一番のお気に入りは『後立ち』この話が一番不気味で不可解で怖かった。日常に何気なく、しかし確かに異様な姿で紛れ込むその物体。その異様さに気づいた時から捕らわれてしまう。気にしたくないが、気になって仕方がない。確認しなければいいのに、確認しないと怖くて仕方がないという、揺れ動く感情に感化され、ハラハラと落ち着かない気持ちになった。じわじわと静かに、だが着実に迫りくる忌物に思わず早く楽にしてくれと願ったほどだった。天空が顛末の主たる部分を語り終わった後、オマケとばかりに語られた話も非常に恐ろしかった。そして、この本のメインイベントとも言うべき、由羽希自���が思い出せない、彼女の体験談。この話が、また怖い。非常に怖い。今まで聞いてきた話の怖い所だけを抜粋して、混合させたような話だった。彼女の体験談が語られるより前に、読んでいる話で予備知識を得て、それが脳内で爆発した。終盤、やっと由羽希を苦しめる怪異との対決の場面では、迫りくる怪異との攻防にひやり。また、この対決のシーンが面白く、怪異が古典的な怪談でよくある手法を用いており、私の中ではなかなか大盛り上がりだった。この小説は語れる部分が多くありすぎて、どこの感想を述べるか悩んだ。非常に悩んだ。天空の話を聞くために寺に通う道中、由羽希に迫り来る脅威の部分も面白かったし、その道中で起こった脅威が実は……。という部分も非常に面白かった。オチもなるほど!となって面白かった。この小説は続編が出そうな雰囲気。まだ続編は出ていないのだが、今から楽しみ!
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「砂歩き」と思われる怪異に憑かれたと思った由羽希は母の実家の地域にある遺仏寺に助けを求めに訪れる。住職の天山天空は持っているだけで祟る品物「忌物」を扱う専門家と名乗り、怪異の原因は祖母の櫛と指摘。助ける代わりに忌物に纏わる怪異譚を記録する手伝いをしろと言われた由羽希は夜な夜な話を聞く事になる。後ろ向きのスリッパが部屋に少しずつ迫る「後ろ立ち」や電話から聞こえる奇妙な一言「一口告げ」は日常に潜む怪異が手を伸ばしてくる塩梅が絶妙。「霊吸い」は毛色違って浮いた印象。各章締めの天空の語りが軽くて怖さも消えるな、と思っていたら由羽希の話に入ってからが本番。すいません舐めてました。それまでの怪異譚もまた上手く取り込まれていて怖さ倍増。お約束の展開で先も読めるのに怖かったよ。
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面白かった。
短編集かと思ったらそうではなかった。
スリッパの忌物とか、一体どんな怖い話やろ?って思ったらそこそこ気味悪く不気味で良かった!
三津田さんの話はどれも好きなので新しいシリーズもの嬉しい!