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住吉さん行くのに乗る電車です。
昭和8年から平成29年までを短編で繋いでいます。
えらいコテコテの大阪弁やなぁと思いながらよみはじめましたが、ほのぼのとした中でちょっとした事件も起こり、とても面白かったです。
読んでたら急にちく満そば食べたくなりました。
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関西の人、いや大阪人であっても梅田起点文化圏の人には、存在程度走っていても今一つメジャーじゃない、阪堺のチン電。その電鉄会社の中で85年間一線で走り続けた車両を擬人化して、沿線に関わる風景を短編小説とした作品集。
俺自身は梅田文化圏よりなんだけど、妻がばっちりチン電文化圏に生息しているんで、結婚してからは、この辺も詳しくなり、しっかり楽しませて頂きました。
そういう生い立ちの小説だから…いや、それ以上の部分で、ストーリーも思わせる趣旨も、伏線の張り方も、クライマックスも、時代選択も、あらゆる部分がローカルである。
例えれば関西ローカル時代の、上岡龍太郎が吼えまくってた時のナイトスクープ的なマニアックさ。
このマニアっくなローカルっぽさが、好きならきっとたまらんだろうと思うし、嫌いな人にはちょっと臭いんじゃないかなぁ。(俺は好き)
NHKBSで関西のみ、もしくはテレビ大阪でドラマ化してくれたら、きっと面白いと思う…いや、ラジオドラマの方がエエかもなぁ、NHK大阪かOBCで!
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第一章二階の手ぬぐい。中々一筋縄でいかない構成にしている。質屋の二階につるされたタオルをめぐる推理。どんでん返しではなくいわゆるオチの妙。最後の落とし方が必要だったかな、あるいは弱すぎる。
第二章防空壕に入らない女。文字通り防空壕に入らない女の話。最後の落ちが今一不自然というか、思わせぶり。未完成を感じる。第三章財布とコロッケ。ほのぼのとした話。しかし少し無理があるかな。第四章二十五年目の再開、第二章の続きになる、なるほど面白い構成だ。第五章宴の終わりは幽霊電車、詐欺師をとっちめる話第六章鉄っちゃんとパパラッチのポルカ、マンションに張り込んでいた記者にまつわる騒動。エピローグ。この小説書きおろし小説だ。各章を読んでも一応のオチがあるが、全体の章が阪堺電車177号を中心としてつながりがあり、最後のエピローグでその種明かしめいたものを再度書いてある。構成としては面白いが回りくどく今一わかりにくい。わざわざ阪堺電車を持ってきた意味が、しかも阪堺電車を擬人化までして作り上げる必要があったのだろうか?構成オチがいまいち成功していないのかなあ?各章の落ちも少し強引すぎたので、もう少し書き方があったのではと、批評家気分で思ったのだが、軽く読み切るには面白い小説ではある。
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85年の歴史の中の連作。
それぞれの人生がつながるので、とても面白い。
電車のことも詳しく書いてあるので、そちらも興味深く読めました。
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阪堺電車の沿線に住んでいるので手に取りました。日本で最も古い現役路面電車の語る大阪下町プチミステリー。なじみのある土地が舞台なのて楽しめました。
連作形式だけど、伏線が張ってあるわけでもなかったのが惜しい気がしました。最後に膝を打つ感じが欲しかった、というのは贅沢?
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大阪から堺へかけて走っていた路面電車、阪堺電車の周辺で起きた市井の人々の心温まる物語による短編集。戦前から現代へ、物語と電車が世代を繋いでいく構成は、現代史・地域史として、とても面白く、小学校の教材によいのでは、と思う。こういうストーリーテリングによる教材の方が、興味深く知ってくれるだろう。
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うわっ、電車がしゃべってる。「きかんしゃトーマス」みたいやなと思ったら、ずっと電車目線なわけではありませんでした。
戦前、戦時中、戦後、バブル期を経て現代に至るまで、80年以上にわたって走り続けた路面電車177号の周辺で、本当にこんなことがあったかもしれないと思わされます。普通の人情話かと思いきや、ちょっとしたミステリー仕立てになっている。
大阪といっても、淀川より向こう、ずいぶん南。特にこてこての大阪弁なので、大阪弁に抵抗のある人にはツラそう。大阪に思い入れのある人なら懐かしさ満点。淀川より北育ちの私もなぜか懐かしい。
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阪堺電車177号に関わる人々の事件が、連作として描かれる。時代は戦前から戦後、そして現代まで。事件には、前の章で登場した人物や、その子孫が登場し、あたかも、読み手も長年人々の生活や事件を見守ってきた阪堺電車177号となったかのように、沿線の人々の歴史、人生をみることができる。
事件は最後の最後にどんでん返しや、ようやく真実があかされたりと、読んでいて実に楽しかった。
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期待以上に良かった!
時代の移り変わりも良かったし、連作短編なので色々と登場人物が絡んでいて面白かった。
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ちんちん電車をストーリーテラーに据えて語られる物語は昭和平成の世相をそれぞれ反映している。でもそこは、ちんちん電車。車窓を流れる風景ものんびりと沿線住民の生活にしっかりと寄り添う。
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よくできた連作短編集だと思うけど自分には合わなかったなーという感じ。
古い年代から新しい年代に短編が繋がっていく構成で、自分にはその繋がりを把握するのが少し面倒でストレスだった。最後に全ての関係者が集まって大団円になる必然性も足りないと思う。
一つ一つの謎についても、次の短編に謎が持ち越されたりして、モヤモヤするところがある。一応短編ごとにきちんと解決がもたらされることぇ完結させてもらわないと、謎を出し惜しみされているような感じがしてしんどい。
他方で、謎が持ち越されることが偶然の再会によって解決されたりするのはほれなりにカタルシスがあっていいなーと思うのもあり、全部を嫌なものだと切り捨てることにも躊躇いがある。
なんというか、やりたいことはよくわかるのだけど、もう少し上手にやってもらえたら素直に楽しめるんだよなー。
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・阪堺電車で85年間走った177号電車(モ161型)はおそらく廃車も近く、これまでにあったことを思い出していた。
・個人的に地元の話ではある。あんまり乗る機会はなかったけどエリア的には南の方以外は自転車でほぼカバーしてた範囲内。なので、題材だけで親近感はある。
・かすかにミステリ仕立てのハートウォーミング系な6つのお話。
・同じ人が他の話でも出てくる。全編をつなげるのは強いて言えば雛子はんかな。
・著者のことは知らんかったけど表紙カバーの絵には記憶があった。たぶん、と本棚を探ったらやっぱり森博嗣はんの絵本『猫の建築家』の絵を描いた佐久間真人はんやった。
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ラジオドラマ化されるということで購入。
大阪を走っている路面電車、阪堺電車。その中で一番古い電車がストーリーテラーとなって、その時代時代に起きたことを描いていく連作短編集です。
一応、電車が案内人ですが、各短編では、重要な役割として描かれています。ちなみに小説に出てくる161形177号の電車は、存在しません。(176号までは存在します)
ちょっとしたミステリーあり、復讐あり、人情ありなど様々なジャンルを味わうことができ、面白かったです。
最初に登場した人物も後々、再登場しており、その辺も楽しむことができ、飽きさせませんでした。
また、中盤になると、各短編集の結末が、えっ?と驚くような結末を迎えたり、伏線が後々に解決されたりと進めば進むほど読みたくなるような作りになっていて、面白かったです。
個人的には、馴染み深い電車ではありませんが、ちょっと乗ってみたくなりました。
ラジオドラマが楽しみです。
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阪堺電車177号という、路面電車にまつわる
人々の悲喜こもごもを、時間軸に沿ってたどる、
という体裁の連作短編集。
デビューして、85年間の現役生活を終えて、
間もなく解体される177号が、自分の意思を持って
長い歴史を振り返りっていく...という始まりなので、
ファンタジーに分類してはみましたが(^ ^;
戦前から戦中・戦後、そして現代に至るまで、
様々な時代のさまざまな人々が登場して、
それぞれのストーリーを紡いでいく。
一つひとつの作品は、ミステリ色が強かったり、
社会派要素があったり、人情話だったりと、
多彩なラインアップとなっている(^ ^
時代を超えて、ある登場人物が
複数の作品にまたがって出演してたりもする。
「オチ」が着いたと思ったら、その先にもう一展開あったり、
反対に「オチがない」と思ってたら、次の作品で
「その後の展開が分かる」仕掛けになってたり(^ ^
とにかくあれこれ工夫した作りになっている...が、
読みやすい文章と、的確な時代・背景描写、
若干の鉄ちゃん成分と、イヤミの無い関西弁のセリフと、
魅力たっぷりでたいへん楽しく読める作品です(^ ^
エピローグもほっこりできて心地よい読後感(^ ^
ネタバレが怖いので、詳しくは書けませんが...(^ ^;
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阪堺電車、現役最古のモ161形177号を巡る人々との連作短編集。関西弁飛び交う人達との優しい、温かい話がいっぱい。じんわりとして、ホッコリします。