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ある会社の社長である10歳年上の妻が、交通事故で意識不明の状態になってしまった亮介。副社長の地位も追われ、会社を辞め、新たな会社に勤めた。
かたや北海道からタレント(なのかな)を目指して上京してきた沙希は恵まれた容姿を持ちながら、なかなか芽が出ず、銀座にある老舗のグランドキャバレーでホステスのバイトをし、生活している。
2人は彼女の勤めるお店で出会い、お互いの行き詰まった状態に共感し合うが、その日は何事もなく終わった。でも、沙希は亮介に惹かれていた。その感情は好意とともに、同情や憐憫の気持ちも含まれていたようだ。
人は、自分より不幸な人が近くにいると安心する場合もある。うまくいっていない今の自分よりも、もっと不幸せな人がいる。その人に優しくしてあげると、満足を得たり、自分のことをよく思えるからだ。沙希はそうやって、彼に惹かれ、近づいていった。
愛とは、相手の幸せを願うもの。
愛とは、お互いの未来の時間を共によりよくさせていく努力。
惜しみなく与えたり、ときには奪ったり、様々な愛の形があるにせよ、彼女のしたことは決して愛とは呼ばない。
最後の展開があまりにも急過ぎて、この女性はいつからこんなに狂っていたのかと思う。おそらく事務所をクビになったとき、自分の居場所がなくなってしまったときなのか。
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なにか小説を読まねば……という焦りに駆られて本屋に赴き、タイトルを見た時「それ」ってなんだ?と思って手に取った一冊。結果、興味を持った点が物語を通じて明確に、かつ鮮やかに表現されていて楽しめた。
10~20代がメインの青春モノが好きな自分にとって、序盤の方は登場人物の年齢層からして大人向けというか好みではないかもしれないな~と思って読み進めていたけれど、中盤以降からスラスラと進めたのは作者の筆力に引っ張られたからだと思う。
ここでは内容を書かないけど、二次元を偏愛している自分にとっては笑っちゃうんだけど他人事じゃない共感ポイントを持った人物が途中で出てきて、その人を取り巻く物語を読んだ時に「これは見事な愛だ……」ってうっかり拍手しそうになってしまった。
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全12章で構成されており東京、北海道、新潟を舞台に女性主人公、紗季と男性主人公、亮介のストーリーが展開されて行きます。
美しく丁寧な文章で読みやすい物語ですが、紗季に感情移入出来る部分が少なかった事と紗季と亮介の間にそれ程までに強い絆がある様に感じられなかった中でのあの展開には少し違和感を感じてしまいます。
文中に絶えず流れていた陰鬱感や寂寥感、そしてその中で紗季が取った数々の行動には狂気すら感じ「それを愛とは呼ばず」のタイトルに納得しつつも何とも言い難い余韻が残りました。
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自分より不幸な境遇の人を見てちょっとほっとしたりする気持ちもわかるが、それは確かに愛ではないよなぁ。。。と思いながら読んでいましたが、最後の衝撃!!!それは絶対に愛ではない!
さきさん。女優目指すくらい美人だったのに、真面目すぎだょ〜。その演技力使うところそこじゃないでしょ!ちょっとずつおかしかったけど、最終的な壊れっぷりが振り切ってましたね。
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まさに、「それは愛とは呼ばず」ですね。
読み進めている最中は、題名を気にすることはなかったのですが、最後に思わず、確認してしまいました(笑)
妻を失い、会社を追われ、故郷の新潟を離れた彼、十年在籍した芸能事務所を解雇され行き場を失った彼女、そんな二人が出会ったのが、東京の老舗キャバレー。一度きりだと思った……そんな二人が彼女の故郷である北海道で再会することに。そこにあるのは、ホントに「愛」なのか?
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驚愕の結末!…って一体何だろう!
最初はちょっとした違和感からジワジワと恐怖がが増してきて続きが気になりほぼ一気に読み切りました。
それは愛とは呼ばず
なるほどそう言う事かー
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読み終わったあと、タイトルがじんと響く。
幸せなまま、終わりにしてあげること。
それを愛とは呼ばないのか。
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暗い気持ちになったり、問題提起されたような気がして心にモヤモヤを残していくのに、桜木紫乃さんの作品が好きだ。
でもこの小説はどの人物にも感情移入ができなくて、小説の中の誰かになりきって読むから物語の中の出来事がすんなり受け入れられるんだなと思った。だから、泣いたりドキドキしたり苦しかったり、リアルな感情にはならなかった。
このお話の感想を書き留めたいのに、うまく感想が出てこなかった。悔しい…
愛しみ(かなしみ)というのにはぐっときた。
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恋愛小説かと思ったら
やはり、そこは桜木紫乃っぽい
簡単な恋愛じゃなく、サスペンスも孕む展開に
引き込まれて読み進めたラストがまた驚きː̗̀(☉_☉)ː̖́
やっぱり好きな作家さんです
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大好きな作家さんです。
桜木紫乃さんのミステリーは、一般的なミステリーと呼ぶ作品とは違う世界観でした。
人間の心のミステリーを描いているような感じでした。
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"幸福に浸って死にたい"
ある意味究極の願望
それを叶えてあげることを愛と呼べるのか?
思いもよらない結末に圧倒される
この願望を理解できる人は沢山いると思うし、私もその一人かもしれない…
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読了後にタイトルを二度見した。
一言でいえば「すごい愛」なんだけど、個人的にはこれは愛とは呼べない。
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次こそはと思い続けて芸能界に居続けたさき
凄腕経営者の妻を突然事故で亡くす亮介
どちらの置かれた立場も確かに苦しくて辛い
でもどうしても共感も出来ず、2人をまっすぐ見つめられない。
さきのその才能があったなら今までにもっと
いかせたはずと思ったり…でもそれは吉田プロや小木田の死があったからこそなのか。
幸福のまま死をと思う紗希がそれを愛と思うのは確かにそれは愛とは呼ばない。
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天気や街の雰囲気の描写がうますぎる。暗くて重い新潟の空がはっきりと想像できた。主人公の男性の境遇がきつく、また途中から出てくるもう一人の主人公である女性のこれからについても想像するとぞっとしてしまう。私はこの女性のキャラが途中からブレたように思えたが、そうではなく「最初からどこか壊れていた」が正しいのかもしれない。私が読み取れていなかった可能性もある。幸せとは何か、愛とは何か、とありがちなテーマかもしれないが、その普遍のテーマに対する一つの答えを得たような気がした。
読んでる間感じたのは、胸に重く垂れ込める不安感や真綿で首を絞められるような絶望で、これがちょっと癖になる。とにかく文が上手い。読みやすく、比喩も上手いのに鼻につく表現がないのはすごい。
半分に差し掛かって以降は一気に読んでしまった。
そして、タイトルの回収が美しかった。
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普段ミステリーは手にしないけど、気になってた桜木紫乃さん初めまして本。全体的に暗くてどんよりした、いつ何が起こるかわからない空気感。それが作品全体に緊張感を与えてくれてる。
2人の視点から語られる形式だけど、あくまでそれぞれの視点で都合のいいところだけ語ってるから、ほんとのところはわからない部分も多い。
芸能界で活躍することを夢見ていた紗希。その真面目すぎる性格がゆえに苦しい思いもしてきたんだろうけど、かなりやばい。書かれてないだけで紗希はほかにも殺人や自殺のほう助をしてきてるんじゃないかと思ってしまう。しかもそれを「愛」と捉えてるあたり。捕まっても反省することはないだろうな。あくまで自分の信念は貫いてる。
亮介はひたすら翻弄される人生。女の力でのし上がり、女によって狂わされる。ある意味自分がないのかもしれないけど、不憫な役どころ。
ラストの展開に思わず「えっ」と声が出てしまった。おもしろかった。