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「それを愛とは呼ばず」、このタイトルの意味が明かされるのは本当のラストである。その驚愕の意味とは…。
新潟で有名な実業家の夫となったものの、妻を失い会社からも追い出されるかたちとなった54歳の伊澤。偶然出会ったタレントくずれの29歳の紗希は、なぜかそんな伊澤に好意を寄せ、目の前に現れるようになる。
伊澤が紗希に感じる漠然とした危機感、違和感がそのままこちらの印象になり、終始重苦しい気分になった。
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2017/11/09
暗くも切ない感じな話かなぁと思っていたら、スリラー的な怖さ?というのかな。
亮介の方に感情移入していると気付いた時にはもう遅かったなー。
亮介ー!うしろうしろ!的な。
そいつ絶対やばいやつ!って思いながら読んでいた。
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愛しいと書いて「かなしい」と読ませるのには訳があって、最後に一気に謎が判明する。ホントびっくりの展開だった。
桜木紫乃さんの作品は暗くて苦手だったが、これもかなり暗さが際立つが最初から引きこまれて衝撃のラストに呆然。
途中腑に落ちない点が一気に線で繋がって、女の怖さが倍増。彼らは幸せだったのだろうか。
とても心に突き刺さるお話。
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この前ブルースを読んだとき 桜木紫乃ちょっと変わったと思ったケド これもまたブルースとは違う方向で 桜木紫乃変わったと思った。ブルースほど明確にどこが変わったとは言えないけど 桜木紫乃の描く世界の色が変わった気がする。これって新たなステージに移行したってことなのかな?
それにしても紗希って こんなコワイひとだったとは 迂闊にもエンディングまで気がつかなかった。この最後には驚かされたわ。途中ちょっとイかれた女性くらいのイメージだったけど。いきなりホラーになったね。
ホラーといえば 小木田もね 笑。
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伊澤亮介は54歳、伊澤コーポレーションの副社長。10歳年上の章子が社長である。章子が事故で意識不明に・・・
さて、物語が始まります。3.5かな。なかなか面白いです。
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行き場を失った二人の男女が、偶然邂逅した東京のキャバレー。北海道で再会したことで運命の指針は意外な舵をとる。驚愕の結末を迎える愛の行方を描く異色サスペンス。
ラストで知るタイトルの意味に、大きな打撃を心に受ける。思い返せば、彼女のその異常さはずっと表面化していたはずなのに、亮介と同様、そこが男の甘いところ。してやられた感一杯の読後感である。
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題名に惹かれて購入したけれど…
愛とはいろんな形があるけれど
なんだかよく分からない愛の形
私には理解できたかった
字が大きくて読みやすかったのは良かったけれど…
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如何にも桜木紫乃。って感じの本です。
掴みどころない本です。
白川紗希が最後に伊澤亮介に言わせた言葉。
「幸福、ということですよ」
ここじゃないですかね、愛とは呼ばず。
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ホテルローヤルを読んでみたいけど、少し気後れしてしまいなかなか手に取ることの出来ない本の作家さん。
この本からなら入りやすいかなぁなんて思って手に取りました。
この感じ、やっぱり好き。
一般的にはぜったいにいけない事なのに、そこになんとかして善を見つけ出したくなる内容。
紗希のこころ持ちは愛なのかもしれないけど、それが
あのような形になってしまった時点で愛とは呼べないのでは…と感じました。
しばらくモヤモヤが続きそうだ…
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桜木紫乃さんの小説は結構読んでいるけれど、メインの土地が北海道ではない作品を読んだのは初めてような気がする。
とは言え北海道も多く出てくるのだけど、札幌のような都会ではなく山深いリゾート地が舞台で、メインで出てくる土地は新潟なので栄えている感じはあるものの大都会ほどではなく、やはり桜木さんの小説特有の地方の少しうらぶれた雰囲気が漂っている。
そして私は桜木作品のそういうところが好き。
新潟で手広く事業を展開していた10歳上の妻・章子が突然の事故で植物状態になってしまった夫の亮介。
会社を追われて故郷を離れた54歳の彼は、東京でたまたま入ったキャバレーで、そこで働く美しい女・紗希と出逢う。
紗希は10年所属していた芸能事務所を解雇されたばかりの29歳で、芸能の道を諦めて新しい人生へと踏み出したところだった。
行き場をなくして岐路に立たされた亮介と紗希は、お互いの孤独に引き寄せられるようにして北海道で再会し、そしてひとつの事件が起きる。
亮介と紗希の関係は、単純な恋愛感情で結ばれているわけではない。実際付き合っているわけではないし、肉体関係も恐らくない。
お互いがお互いに自分を写して、孤独を癒し合う関係…と言うのが一番近いように思う。
不思議に引き寄せられるのは、相手の中に自分の淋しい部分を見出しているか、もしくは相手よりは自分の方がまだ孤独ではないと確認して安心できるせいなのか。
きっと単純な恋愛感情ならばこんな風にはならなかったのだろうな、と思う。
紗希はとても容姿が美しい。美しいだけで大成するとは限らない芸能界で散ってしまうものの、彼女は彼女なりに10年間必死にやってきたせいもあって、真面目さやひたむきさが少しおかしな方向に伸びてしまっているところがある。
適当さを許せない紗希の性格は、彼女自身のことを追いつめ、そして事件が起きてしまう。
亮介と紗希がそれぞれメインになったエピソードが順番に描かれていく連作短編集。
ラスト近くで驚く展開があったので桜木さんの小説の中では賛否が分かれそうな気がする。
個人的は流れを読むと納得出来るラストでした。シンプルに、面白かった。
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ホラーでないはずなのに、沙希の言動に狂気を感じながら読み進めていった。
ラストでまさに「それを愛とは呼ばず」のとおりだと思わされた。
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自分よりも悲しみが深そうな人間のそばに行けば、わずかでも明日に日が差すような気がした。このかんじがよくわかる。そして、自分よりも嘆きたい人間を思いつく限りの前向きな言葉で励ましていると、吐いた言葉によって気持ちが「浄化」してゆく、とも。心理描写がするどくて気持ちがはまった。
不遇な目にあい、行き場を無くした、亮介と紗季は偶然出会う。幾度と会い、気持ちが通いその後の展開の恋愛ものかと思えば。。春奈が出てきた一気にゾクッとした空気になった。これはホラー・・?
四人?でバーベキューをしている場は異空間で。
小木田は確かに狂ってはいるが、悲しい方向に話は進む。春奈をすんなり受け入れたところは紗季も空虚ということ・・
真があって全うな娘にうつった紗季が小木田と春奈の件で狂っていく。亮介は、なんだか自分(わたし)に似ていて感情移入した。
エゾカンゾウの花をぐぐった。花言葉は「憂いを忘れる」
その下に埋もれているのは、愛ではないでしょうか、と紗季。それは愛とは呼ばない・・とおもう。
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初めての桜木作品でした。
亮介の章子さんがいない哀しみ、不安、所在なさが痛いほど伝わってくる。
一方、紗希の良く言えば一途、率直に言えば得体の知れない不気味さが作品全体のスパイスになっていると思います。
全体的にゆったりした時の流れを感じさせる展開にも関わらず、最終章の急展開に頭が追い付きませんでした。知りたい部分が全て想像させるか「文脈で察して」と放り出されてしまったような感じがして個人的には消化不良でした。
(作者のファンの方にはこの曖昧さがいい、となるのかもしれませんが…)
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ある会社の社長である10歳年上の妻が、交通事故で意識不明の状態になってしまった亮介。副社長の地位も追われ、会社を辞め、新たな会社に勤めた。
かたや北海道からタレント(なのかな)を目指して上京してきた沙希は恵まれた容姿を持ちながら、なかなか芽が出ず、銀座にある老舗のグランドキャバレーでホステスのバイトをし、生活している。
2人は彼女の勤めるお店で出会い、お互いの行き詰まった状態に共感し合うが、その日は何事もなく終わった。でも、沙希は亮介に惹かれていた。その感情は好意とともに、同情や憐憫の気持ちも含まれていたようだ。
人は、自分より不幸な人が近くにいると安心する場合もある。うまくいっていない今の自分よりも、もっと不幸せな人がいる。その人に優しくしてあげると、満足を得たり、自分のことをよく思えるからだ。沙希はそうやって、彼に惹かれ、近づいていった。
愛とは、相手の幸せを願うもの。
愛とは、お互いの未来の時間を共によりよくさせていく努力。
惜しみなく与えたり、ときには奪ったり、様々な愛の形があるにせよ、彼女のしたことは決して愛とは呼ばない。
最後の展開があまりにも急過ぎて、この女性はいつからこんなに狂っていたのかと思う。おそらく事務所をクビになったとき、自分の居場所がなくなってしまったときなのか。
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なにか小説を読まねば……という焦りに駆られて本屋に赴き、タイトルを見た時「それ」ってなんだ?と思って手に取った一冊。結果、興味を持った点が物語を通じて明確に、かつ鮮やかに表現されていて楽しめた。
10~20代がメインの青春モノが好きな自分にとって、序盤の方は登場人物の年齢層からして大人向けというか好みではないかもしれないな~と思って読み進めていたけれど、中盤以降からスラスラと進めたのは作者の筆力に引っ張られたからだと思う。
ここでは内容を書かないけど、二次元を偏愛している自分にとっては笑っちゃうんだけど他人事じゃない共感ポイントを持った人物が途中で出てきて、その人を取り巻く物語を読んだ時に「これは見事な愛だ……」ってうっかり拍手しそうになってしまった。