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少しずつ被害者の正体と言うか、人となりと言うか、生い立ちと言うか、そう言ったものがわかっていく仮定を飽きずに読むことができるのは書き手の力量だと思う
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作家アリスシリーズ。
今までのお話とは一気に雰囲気が異なり、アリスが主体となって話が進行していく。
アリスの苦闘を自分がワトソンになった気になって読めた気がする。
火村先生が登場した時はアリスもほっとしたかもしれないが自分もほっとした。
自分はアリスの立場はなれないなぁ、なんて。
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ひとりの男がホテルの一室で亡くなった。自殺か?他殺か?そこを始点に押し寄せてくる肉厚な物語。息つく暇もなく読んだ。面白かった。幸せな読書体験。
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20190926読了
めちゃくちゃ面白かった。
かなりの長編なのに1日で読んでしまった。引き込まれる。面白い。
一般的な長編ものは大抵事件が起こる前の導入から始まるものだけれど、それもなく、事件も他殺か自殺かわからないものを調べるというもにで、場合によっては冗長で退屈なものになりかねないと思うけれど、本当に面白かった。
一人の男の人生を丹念に辿ろうと思えば、この鍵の掛かった男の人生が特に波乱万丈であったことを考えても、やはりこのくらいのボリュームにはなるのかもしれない。
優しく温かく上品な筆致で、悲しく切ない人生を描かれ、特に最後の遺書のくだりなどは泣いてしまった。
アリスの探偵業もとてもよかった。いつも「お前ならできる」とかなんとかからかわれながら、神経衰弱の間違い札をめくる役割のアリスが「お前は本当によくがんばったよ」ときたもんだ。
軽口を叩き会うのが男性同士の友情なのかな、と女性である私はよく思うけれども、そういう関係の中でのこういうてらいない声かけが、本心で大事な友人だと言い表してるようでグッときてしまった。
大阪中之島への興味も尽きない。大阪、ほとんど知らない土地だけれどいつかいってみたいな。
2020013再読
初読の時も思ったんだけど、男性はこの梨田さんの苦境?のようなものに対してどういう感想を持つのだろう。
山田夏子の気持ちはなんとなくわかるけど、
梨田さんについてはわかんない如何にもこうにも気になる。
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長かったけど、どっぷり「梨田稔」という鍵のかかった男の世界にハマりました!
分厚いから…と読むのを躊躇うことなかれ!あっという間に読了です。
大阪には一度も訪れる機会がありませんが、この小説の舞台となった中之島に行ってみたいです。
そして作中に出てきた、実在する本たちを色々調べたりもしました。そこも良かったです。アリス刑事、よくぞ調べました☆そしてその情報をパズルを組み立てるがごとく組み立てる火村先生が素敵☆
ドラマ見てからハマりましたが読んで良かった原作の一つになりました。
ただ、親子関係については早々に、これは人工授精では⁇と思ったし、情報の出し方もちょっとご都合主義的な部分を感じて、個人的にはそこがちょっとマイナス点。
結末は切なくて、梨田稔という人生はなんだったのか、山田夏子さんと再会してほしかったと、実在しない登場人物にかなり感情移入しました。
遺言の最後の最後に、息子に宛てた文章には涙が出ました。
それにつけても憎たらしい犯人でした。逆恨みもいいとこの動機で、本当に腹が立ちました。あの遺言書があって良かったのか…考えさせられる場面でもありました。
また火村シリーズ読みたいです☆
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分厚い本だったからか
読むのに時間がかかった。
かといって内容に退屈する訳でもなく
鍵のかかった男と称される謎多き男、
梨田の隠された正体が少しずつ
明かされる展開はおもしろかった。
終盤は気になって読み進めたし、
読後感も悪いものではなかったが
殺人の動機はうーんという感じ。
他シリーズも読んでみようかな。
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図書館で借りた本。
ミステリー作家、有栖川有栖に大御所作家から持ち込まれた依頼は、あるホテルで男性の死体が見つか理、自殺で処理されようとしているが、自殺するような人では無かった。調べて欲しいとのことだった。調べていくうちに男性の過去の秘密がわかっていく。彼は何者で、なぜホテルで亡くなったのか。意外な真実にたどり着く。
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梨田稔の謎がだんだん明らかになっていくのは面白かった。謎が解明されて達成感があったが、事件の本質である犯人あてはここからだった。1冊で2度美味しい本だった。
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ホテルに長期滞在していた男が部屋で死んだが、自殺か他殺かの謎を追う。
依頼も警察からではなく、終盤までアリスが探偵役を担う点は珍しい。
手詰まりになりそうな所に新たな発見があると驚いたりして共に探索している気分になる。
誰が何の情報を得ているかは大事だな。
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密室ものかと思ったら、素性の知れない男の話だった。
なるほどこれは面白そうだと読んでみたら、ある男の一生を探る人間ドラマだった。
700ページがあっという間。
真相は「やるせない」の一言に尽きる。
幸せな未来が消えたのは間違いない。
だけど、そのやりきれない思いを救う最後の一行で泣いた。
中之島に行ったことがあるので「ああ、あそこね」となる場面がいくつも出てきて楽しい。
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中之島のホテルで首を吊って死んでいた男。彼は5年に渡りホテルに滞在していた。彼の死に疑問を抱いた作家より彼の死は果たして自殺か否かを調査するように頼まれたアリスは、男の素性を調べ始めるのだった。
提示される謎はシンプルです。まずは自殺か他殺か? つまり事件としてまだ成り立っていない箇所からのスタートになります。謎としては地味かもしれません。しかしそこを魅力的に見せてしまうのはさすがと言うべきでしょうか。調査もホテルの支配人や従業人、そして当日ホテルに滞在していた人々から話を聞くこと。薄皮を一枚一枚剥がすように男の真相に近付いていく様も地道の一言です。読みながらいつもの有栖川有栖の作品とは違うものを味わっていました。地道な調査による事実を重ねる手法は宮部みゆきなどの社会派の手法も思わせました。この題材を作家アリスシリーズ(火村シリーズ)という「本格ミステリ」で書いた意味はどこにあるのだろうとの思いも抱きました。しかし明らかにされる事実と事実が繋がり合う偶然、そして偶然と偶然が繋がり合って必然となった時に、本格ミステリの快感がありました。そしてラストにそこしかないという着地点に至る道筋の美しさ、本格ミステリの魅力を充分に堪能しました。
有栖川有栖は以前より東京により戯画化された大阪でない大阪の魅力を伝えてくれていますが、今回もまた中之島を通して大阪の魅力も語られています。大阪小説としての魅力も大きくあるでしょう。中之島が好きな身としては嬉しいですね。
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読み応えあった。
なかなか最初は焦ったかったけど、火村登場がいいタイミングなのと、そこからのスピード感。
アリスの活躍も良かった!けど、2人揃ってるのがやっぱいい。
途中から筋はよめたものの、犯人は最後まで分からなかったなぁ。
そこまでしなくても良かったのに、と思わずにはいられない。
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死者をひたすらに、深く、深く探っていく。いつもは事件が起こり警察の要請を受けてから動く、火村・アリスコンビが、今回はいつもと少し違った捜査方法で、事件の真相に迫っていきます。
アリスは面識のない大物作家、影浦浪子の招待を受け、文壇のパーティーに出席する。影浦がアリスを招待した目的は、ホテルで自殺したとされる梨田稔という男の、死の真相を探ってほしいというものだった。
生前、5年近くホテルのスイートルームに住み、ホテルの支配人夫婦や常連客とも馴染みの深かった彼は何者だったのか。興味を持ったアリスは火村と共に調査を開始しようとするが、折りしも火村は大学の試験監督のため身体を空けられず、アリスは単身、調査を開始する。
いつもは切っても切れない火村とアリスの名コンビ。しかし今回は、小説の半分以上。400ページ近くアリス単独の調査で進みます。
ひたすら足と聞き込みで、梨田の人生を追っていくアリス。
「鍵が掛かった男」梨田の秘められた過去が、アリスの粘り強い調査で少しずつ明らかになってくる。
この調査の過程はとにかく地味で、そしてなかなかの長さもあるものの、シリーズファンなら、いつもと違う調査といつも通りのアリスの語り口で、自然と読んでしまうのではないかと思います。
火村から『お前は本当によくがんばったよ』という言葉(この発言、女性火村ファンはクラっとしそう)を引き出すアリスの調査は少しずつ、封印された梨田の過去と罪を明らかにしていきます。そして真打ち火村が後半に満を持して登場。梨田の過去と事件の真相をめぐる物語は、佳境へと向かう。
アリスの調査と火村の推理で、徐々に梨田の人生が形作られていきますが、彼の数奇な運命と、人生の要所で迫られた究極の選択、そして孤独と救いは、ある意味では事件の真相以上にドラマチックに映ります。
梨田の死亡事件については、有栖川作品らしくロジックで解き明かされるのだけど、単にロジックだけでは割りきれない、被害者の人生もこの『鍵の掛かった男』では描かれ、二重の意味で面白く読めました。
そして梨田の人生の最期を知る人物の複雑な感情も、改めて人生の数奇さと、人の感情の割りきれなさを映すようで印象に残ります。
現場となったホテルのある中之島の風景も読みどころの一つ。自分は国際美術館や、朝日放送、朝日新聞なんかに行ったことがあるので、自然と土地の様子や雰囲気も思い浮かぶのだけど、中之島や淀屋橋回りの川や橋の風景の描写も、風情が感じられました。土地勘がある人なら、より楽しめそうな作品。
本格ミステリとは関係の薄い、被害者の人生にひたすら焦点を当てるこの『鍵の掛かった男』。
有栖川さんの作品では、やや異色ではありますが、いつもの有栖川さんと一味違った本格ミステリが楽しめたと思います。
2016年版このミステリーがすごい! 8位
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ホテルの長期滞在者が自殺。その自殺に納得いかない小説家がアリスと火村先生に調査を頼む。最初は火村が忙しいのでアリスだけで調査。アリスなりに少しづつ情報を集める。火村合流してからの調査のスピード感。さすが。
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前半部分は有栖川が活躍しながら、中之島のホテルで首吊を吊って亡くなった男の事件と人生の謎を明らかにしていく。
"ワクワクドキドキ"という話ではないけれど、徐々に明らかになる過去に引き込まれていった。
中之島を歩いたことがあると、物語の至る所に表現されている雰囲気が分かる。