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びっくりした。
2019/08/22 12:37
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投稿者:はるりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
美術が好きなわけじゃないので、ゴッホも、教科書で見たことがあるって、感じでした。
ゴッホの絵を見て、なんとなく感じていたことを、サラッと解決してくれました。
何となく、暗い感じがするなぁと思っていたけど、幸福感がないってほうが、しっくりする。だから、売れなかったっていうのも、解ります。
ゴッホの最後に驚きました。
彼の人生よりも、弟の方が悲劇な気がするけど。ゴッホの絵が、どういうきっかけで売れるようになったのか、そこが気になりました。
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原田さんといえば、のアート史実にフィクションを付加した魅力的な小説。
19世紀パリのアート事情の中で、ゴッホをめぐる弟テオ、日本人美術商 林忠正とその片腕 加納重吉(は、架空の人物らしいが)またテオの妻ヨーが生き生きと描かれている。
ただひとつ、フィンセント ファン ゴッホその人についてもう少し彼の内面に踏み込んで描かれていたら読後のもっと満足度が上がったかもしれないと感じた。
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原田マハ本領発揮の、美術をテーマとした長編。
ゴッホが日本の浮世絵を愛していたことから、日本人の画商2人と、ゴッホの兄にして画商・テオと、そしてゴッホの絆を描いたストーリー。
『さよならソルシエ』読んでいたから、だいたいの空気感がわかるのが良かった。
今やん百億円という値段がつく絵画が、なぜ当時はまったく売れなかったのか。
ただただ不思議。
でもゴッホにしたら、異国で自分が憧れる国の人と出会えたら、それはすごーく素敵な話だなあ。
なによりあのゴッホを、現地で日本人の友人が抱えていたかもしれないって、すごくロマンがある。
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『たゆたえども沈まず』荒波に飲み込まれそうになったら小舟になって沈まぬように抗わずたゆたえばよいのだ。また素晴らしい物語に出会えて幸せ。強くなってください。心に響いた。
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星月夜、セーヌ、たゆたえども沈まず、今もなおゴッホは生き続ける。闘い続け追い求める先に手にいれたもの。生きる価値や意義など何処にあればよいのだろう。
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19世期終わりのパリ。
浮世絵をヨーロッパに売り込み、大きな商売をしようとする林と、助手の重吉。
伝統的な絵画を扱う一流の画商として生きながら、無名の画家である兄・ヴィンセントを精神的に経済的に支えようとするテオ。
真実の美の力というものがあるのかわからないけれど、その力に対峙する4人の立つ位置、見つめるものは、驚くほど違う。
大好きな原田マハさんのアートもので、ゴッホ兄弟の数奇な運命に、さらに日本人のピュアな青年との友愛と、その時代のアートの先端が集まった花の都・パリ。
面白くないわけがない。
…などと感想を書きかけたままにしてしまって、例によってふわふわな感想ばかりだけれど、作中セーヌ川畔の描写で、『パリは光の角度が違う』というような記述があり、へえ!と驚いた。
人やモノが集まり活気がある首都だから輝いて見える、ということだけではなかったんだ。
はぁぁ、こういう事があるから、現地に行ってみないとわからない事って、本当にあるんだなぁ。
さらに脱線するけれど、南の国ではものすごく綺麗に見えたルビーが、日本で見ると全然たいしたことない色だったりする。本当に違う。
それは、紫外線が違うからだという。
であれば、ゴッホが描こうとした色や光は、パリで見ないと?ゴーギャンの絵はタヒチに行かなきゃ?なんて事を、パスポートもとうの昔に切れたきりの身で、ちょっと妄想を楽しみました。
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前に読んだ「殺されたゴッホ」と被っているシーンもあってイメージを膨らませて読めました。テオとフィンセントの強い絆に感動します。
日本の浮世絵が印象派の画家やゴッホに与えた影響が少なからずある事が、検索しながら見た絵画に垣間見えて今更ながらこの事実に感動です!
本の表紙の(星月夜)、観てみたいです。
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ゴッホの話だったんだ。
ゴッホが日本びいきだったという話はうれしいけど、「ちょっと盛りすぎてませんか?」と、なんだか罪の意識まで出てくる。
自画像の話がなかったのはナゼだろう・・・?
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小説なので 全てが実話ではないけれど 兄弟が必死に生きた姿に感動しました。これを読んでから「ゴッホ展」観に行けば良かったなぁ
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ゴッホ激動の半生とそのゴッホを最後まで支え続けた弟テオと、ヨーロッパにジャポニズム旋風を巻き起こした林忠正の関係を書いた話。
ゴッホだけでなく前衛派と言われる画家達の絵が日本の浮世絵に影響を受けていたなんて全く知らなかった。
林さんの働きがなければゴッホ達の素晴らしい絵は無かったかも知れないと思うとなんとも言えない。
そして今で言えばゴッホと名前を出すだけであの画家ねーとすぐ分かる有名ぶりなのに、ゴッホの生きた時代は彼を全くもって認めなかった世の皮肉。
浮世絵も日本人からすればただの落書き程度が、ヨーロッパで認められた途端に高い価値があると言い出して、日本美術の素晴らしさを広めた林さんを逆賊扱いする皮肉。
時代の波と言うのは本当に人の力ではどうにもならない動きをするものだなとしみじみ思った。
この話を読んでからゴッホを見たら、きっとただ絵を見に行くよりもっともっと深く心に響く鑑賞になると思う。
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誰が主役なのかよくわからなかったけれど、フィクションとノンフィクションを織り交ぜて、何とも趣のある作品になっていた。パリの情景がもっと描かれていれば、想像しやすく日本との対比もしやすかったのに。
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信念と恐怖、矜持と不安。自分が信じる道をただひたすらに前を向いて歩き続けているように見える4人の男たちにとって、その道ははたで見ているよりもはるかに険しく不安定で細く暗い。
なのに、なぜそんな道をまっすぐにブレずに歩き続けられたのか。
この小説を読むまで、ゴッホについての知識はあの強烈な色彩の絵と代表的な絵、浮世絵の影響と彼を支え続けた弟の存在、ゴーギャンとの生活そして耳と狂気と自死、その程度だった。ゴッホのあの絵の後ろに日本人がいたことなど全く知らなかった。
日本が文明開化の波の中で大きく動いていたその時代に、遠く離れたフランスでも大きな波にもまれたゆたいつつも、沈まぬようにもがいていたゴッホと彼を支え続けた3人の男たち。彼らの夢を、葛藤を、そしてその慟哭を、125年の時を超えて原田マハが鮮やかに蘇らせてくれた。
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原田マハさんは大好きな作家さんですが、まだ未読の物も多く、この本でやっと17冊目です。
『たゆたえども沈ます』
本当に良い本でした。
これまでもたくさんの素敵な本に出合ってきました。
じわじわと感動が押し寄せてくる本。
思わず涙する本。
などなど。
この本は…
圧倒的な強さで迫ってくる、気迫を感じる本でした。
そして、ラストでは胸がつまって、思わず感涙。
心が激しくが震えるような感じ…
私は美術というものにとてつもなく疎い。
絵心も全くなく、美術にも興味がありませんでした…
そんな私の世界を少し開いてくれたのが原田マハさんの【楽園のカンヴァス】でした。
やっとこさ、入口にたったばかりの私に原田マハさんは、『たゆたえども沈まず』で、”もう少しこちらへ”といざなってくれたのです。
この本では、ゴッホと弟テオ。
ゴッホの才能を認めていた林忠正、加納重吉との交流が描かれています。
フィンセント・ファン・ゴッホの名前は知っていますし、有名な作品をいくつかは知っていました。
でも、その程度の知識でした。
弟テオの存在など全く知りませんでした。
生前のゴッホはその才能を認められることなく、37歳でこの世を去っています。
そして、ひたむきに兄ゴッホを支えた弟テオは兄の後を追うように33歳で亡くなっています。
ゴッホとテオは、二人でひとり。
お互いに必要としあい、離れられないのに、お互いの存在に苦しむ。
そんな二人の関係に胸がしめつけられました。
林忠正は19世紀末、パリに拠点を置き、日本美術の普及に尽力した人物。
ゴッホと交流があったかどうかは定かではないようですが…
原田マハさん自身
「今回は、ミステリーやホラーといったジャンルの要素を極力排してみました。直球勝負の物語が読者に届くと本望です」
「誰もが知るゴッホの悲しい生涯を思うとき、この作品をいまの私たちが美術館に足を運びさえすれば見ることができるのは、本当に奇跡としか言えません。そのことに勇気づけられて、この作品を書くことができました」
と、インタビューに答えています。
少し前にテレビで桂南光さんが『たゆたえども沈ます』を紹介されていました。
ちょうど京都国立博物館でゴッホ展が開催されているときでした。
展示作品も紹介され、日本に居たら行きたかった…
原田マハさんの言葉にもあるように、私たちは”見ることができる”。
いつか機会があれば足を運びたい。
そして、”見ることができる”幸運に浸りたい…
今、強く願っています。
この本の中で胸に刻まれた言葉たち。
パリに拒絶されていると感じるゴッホに忠正が言った言葉。
セーヌに受け入れられないのなら、セーヌに浮かぶ舟になればいい。
嵐になぶられ、高波が荒れ狂っても、やがて風雨が過ぎ去れば、いつもの通りおだやかで、光まぶしい川面に戻る。
だから、あなたは舟になって、嵐を過ぎるのを待てばいい、たゆたえども、決して沈まずに。
そして、いつか私をはっとさせる一枚を書き上げてください。
そのときを、この街で待っています。
悩むテオに重吉が言った言葉。
考え込んでも、どうにもならないことだってあるさ。どんなに嵐がやって来ても、やがて通り過ぎる。それが自然の摂理と言うものだ。
嵐が吹き荒れているときに、どうしたらいいのか。ーーー小舟になればいい。
強い風に身を任せて揺れていればいいのさ。そうすれば、決して沈まない。…だろう?
タイトルの「たゆたえども沈まず」は、パリ市の紋章に刻まれている言葉
Fluctuat nec mergitur
ラテン語で どんなに強い風が吹いていても、揺れているだけで沈みはしない という意味。
日本語の「たゆたう」は
物がゆらゆら動いて定まらない。ただよう。
心が動揺する。ためらう。
たゆたう…
美しい言葉ですね。
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星3.8ぐらい。 自称絵描きの兄を支えるサラリーマン弟。現代のきょうだいリスクを地でいくゴッホ兄弟。実在日本人画商を絡めたはいいが、薄味にとどまっているのが残念。ゴッホはセーヌ川でなくて跳ね橋の小川とか池沼がふさわしい。
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うわー!ゴッホきたよ、ゴッホ!!
マハさんがついに書きましたよ、ゴッホを!!
それにしても、なんて悲しい・・・というわけで、読みながらも、胸が詰まって、なかなか先を読み進むことができませんでした。。。
それにしても、凄い想像力。
実際に林とゴッホの間に交流があったのかはわかってないとか・・・読んだ後で知って、思わず「おいっ!」ってツッコミたくなっちゃいましたwww
このぶんだと加納重吉も架空の人物じゃ・・・と思ったら案の定(^_^;) いやー、まいった、まいったwww
ゴッホ、いいよね~。やっぱり、マハさんが言うように、ゴッホの絵に浮世絵のような日本美術を感じるからなのかな?
日本人の感性に近いから合う、ってことなのかな?
あ、そうだ、太田美術館のチケットもらってたんだっけw
明後日までに、浮世絵観に行かなくっちゃ!www