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今が嫌いなあなたへ
2007/09/20 02:17
7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:りぅ - この投稿者のレビュー一覧を見る
クリエイター。そんな言葉をこの著者には送りたい。
この本のレビューについて私が何か語ることが失礼にあたる気がする。
ただ、この本を読んでいるだけでどこか感情的になり、憤りを感じることがしばしばあった。不可解な世界を漂わせ、真に何を伝えたいのか。それは解らないが、自分の中で完結した考えをした。それはそれで良いのだと思う。
私は著者の社会に対する視点が好きだ。大好きだ。
流行に身を任せた作品ではないことは一目瞭然。
もっとこの人の視点を知りたいと強く感じるものであった。
もし、このまちに住んでいたら、僕は流されてゆくだけだろう。
ひかりのまちは大嫌いで、それでも大好きだ。
浅野いにお、は病みつきになるぞ。
2006/05/23 14:41
7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:池のワニ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「星に願い」をという唄があったけど、これは、ある夜、流れ星を目にすることができたのと、見逃してまった若者やオッサンやら、子供たちの話だ。
「知ってる? マヨネーズの口って星の形してるんだよ」
と、売れない漫画家くんは彼女にいう。
「それでーー?」と彼女。
「それだけだぁ!!」と彼。
こんな何の意味もなさげに見えるシーンが、最初っから二回、三回と読み返してみてみると、やけにズシンときいてくる。
オープニングのところで、漫画家の卵の主人公を取り囲んで、若者たちがモラトリアムの青春を惜しんで騒いでいる。そのうちの「若者その3」ですよ、みたいな役を振り当てられ、一人だけ狐のお面をかぶっていて、顔が見えていないものだから、まるで人数あわせみたいに存在感のうすーい若者が、話がどんどん進んでいって、漫画家のことなんか忘れかけていたところで、そのお面をとり顔をだす。ひょっこりと。
それがなんとも、すごい出方なのだ。インパクトありすぎ。なものだから、お面の若者とはなかなか気づかない。
たぶん、人間って、みんなそれぞれに人の前では、いろんなお面を被って生きている。ホントとウソ、聞かれなくても話すことと、ぜったい打ち明けないこと。上手にごまかしたり、偽ったりしながら、みんな上手に「自分」の使い分けをしているだよぁと、ふと思う。
どこにでもありそうな、団地の町。のんびり、なごやかに物語は始まる。ほんと。どこにでもいそうな若いのや、子供、サラリーマンたちが入れ替わりしながら話はオムニバスに進んでいくんだなと、思っていました。だって、ここちよく安心させる絵だから。ほんと、ほんと。
でも。
違っていた。
と、思ったらどんどんもうガシッと本を握り締めていました。
学校に行かない子供や、家庭崩壊やら、子供の大人殺しやら、壊れた刑事や、自殺の流行、自殺さえビジネスにしょうとするのや、ストーカーやら、うんざりするような話が晴れ渡った平和な風景の中で、おだやかにおだやかに進行していく。でも、その一つひとつが奇妙にリアル。
怖い。せつない。ぞくぞくする。
一度知ったら、浅野いにお、の世界って、ひとつにまとまった感想なんていえなくて、そのぶん病みつきになりそうだ。