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わが子を救いたい。
たとえ〝犠牲者〟を生んでも。
医療サスペンスの女王が描く、最先端・再生医学の闇。
帯文とのリンクは中盤以降。
序盤はとにかく退屈。
主人公である長谷部友美の幼稚さに辟易したこともあり、読みかけの状態で一年近く積んだまま、それでも処分しなかったのは「赤ちゃんポスト」と「再生医学」のキーワード。
題材としては確実に面白いはずなのに、最後まで盛り上がりに欠ける印象。
わが子の命でわが子を救うという利己主義的な規範倫理と、中絶や胎児の尊厳という命の境界をめぐる生命倫理。
宏子の行動はある意味自家培養で、だからこそ人が踏み込んではいけない領域のようにも感じるけれど、わが子を助けるためなら手段を厭わない親の愛情という観点では一概に断罪しきれない面もある。
とはいえ、なんの思い入れもない男性の子どもであれば「自分の子」ではないとする思考回路は簡単には理解できない。
この点で、石葉宏子と未婚の友美の倫理観は果てしなく相容れない。
その理由を宏子は母性としたけれど、はたして本当にそうなのだろうか。
そして一連の宏子の行動とその裏にある事情を知った友美が、自身の恋人と描く将来設計になにか影響を受けるのかといえばそういうわけでもなく、ここがリンクしないのだとしたらこの対比にどんな意味があったのかと思う。
もともと上昇指向で出産願望も強くはなかった友美が、宏子の狂気じみた母性愛に触れてやっぱり子どもはいてもいなくてもいいと感じるのって普通じゃない?
もうひとつの流れである、新聞記者としての友美の成長もいまいち納得いかず。
これ成長してる?
自分の足で取材して伝えたい事件をひとつ見つけましたというだけで、最後まで人間的な魅力は皆無だったような…(言ってしまえば登場人物全員に魅力はなかった)
iPS細胞をはじめ再生医学の研究は日々進んでいくし、いつかきっと倫理的にぎりぎりの領域にまで踏み込んでしまうんだろう。
そうなったとき、各国の倫理観の違いから命の選別が始まらないといい。
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題名で引っかかり買いました。
もっとグロイ話が出てくるかと思ったのですが、
倫理やルールの話でした。とても難しい問題ですね、iPS細胞とかES細胞とかも出てきて 早く助けてあげられる人たちに届けばいいなと思いました。
そして、母親って強いですね。
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帚木蓬生の「エンブリオ」に題材が似ているが、おどろおどろしい内容ではなく、読者に考えさせてくれる。医療サスペンスというより、社会小説と言ってよいのではないか。2017.10.7
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あ、つまんない
半分ほどで、タイトルから想像できる筋書きが読めた。だからイマイチであるってことではない。薄っぺらいんだな、渦中の人の描き方が。
アイデア一本のお話なのかもしれない。でも、もう少し登場人物に愛がほしいな。悪いけどつまんない。
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たぶん、毎回同じ事を呟いてしまうんだか。。
凄く題材が良くて本当に引き込まれる話しなんだけど(どの本も)
最後の締め方が·····いつも勿体ないのです。
医療や細胞やウィルスや、とても興味湧く話しなんだけど
何故か終盤が··········。
でも、この手の話しも仙川さんの文体も好きなので読みますが·····。
何処か後一押し!!と毎回思ってしまいますm(*_ _)m