紙の本
貴重な世代から世代への贈り物
2006/06/26 10:07
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:仙道秀雄 - この投稿者のレビュー一覧を見る
長男がそろそろそんなことを考える時期になっているので、参考になるかもしれないと思って買って読んでみた。
70歳の著者森清さんが、5人の孫のことを頭に描いてこの本を書いたという。若い世代への贈り物という面もあるはずだ。
読んでみて思った。8割くらいはわたしの日々感じていること。残り2割は気付いていても言葉化していなかったもの。少し引用してみる。
前川製作所という会社は、個人と組織との関係についてこんな考えをもっている。
139頁より
まず個々のメンバーに単独の生活能力がないと駄目だ。そのうえで群れを作れ、と。
群れの方向が全員に合意されていないと、群れの力は小さくなってしまう。
あくまで一人でも生きていけるもの同士が群れをつくること、そして群れとしての方向性が全員に合意されていることが重要。
ヒトはある段階を経て体験と思索で成長する、その成長の環境を整え支援するのが組織であり、経営者、先輩である。
以下感想。
「ヒトはみな成長する。成長とは善いものであり、良いものである。」といった信念が根本にあるに相違ない。経営陣がこのような信念を持ち続けてきたからこの会社は説得力のある組織論が作れたのだろう。さらに「成長には体験と思索が不可欠である。」という別の信念もあるのだろう。
このように「成長」、「善いもの」、「良いもの」、「体験」、「思索」と関連づけることで、世界が大肯定される。素晴らしい信念だと思う。
昨日中三の長男にこの本のことを少し説明したあと渡した。
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投稿者:Otto - この投稿者のレビュー一覧を見る
内容のほとんどが具体例で、分かり易くしているものもあれば、しつこいものもあった。結論を言ってしまえば、働くとは生きること、ただそれだけの内容だった。
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ジュニア新書なだけあって読みやすいです。でも、内容はまだ会社の選び方や雰囲気、インターンシップについてなどを何にも知らない学生に分かりやすく説明してあって、何人かの実例も紹介されています。著者も大学には行かずに就職した方なので、学歴中心に物を見ず、色々な道を指し示してくれています。中学生にもオススメ。
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[ 内容 ]
長年にわたって「働くこと」について研究してきた著者による仕事案内。
働くことの意味を考えながら、職業体験やインターンシップの実践法、職業資格の生かし方、正社員と非正社員の違い、マニュアルの意義など、働くための基本的な知識を解説します。
これから社会に出ていく若者のための働き方入門。
[ 目次 ]
第1章 働くって、生きるって?(働くってのは、まず「朝に起きること」と考えよう 進路は生き方で決めよう。生き方は理想を目標に。働きは理想に近づく手段 ほか)
第2章 働きの体験(ボランティアで働こう。ボランティアは生きた学習だ 中学生の「職業体験」―その学び方 ほか)
第3章 どこで、どんな職場で働くか(多世代が働いている元気な会社 自社を新しくし、社会変革にも力を尽くす ほか)
第4章 働き方の基本を考えよう(さあ、ともかく働いてみよう。まずは仕事を覚える 仕事は盗んで覚える ほか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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本書は、長年にわたって働くことについて研究してきた著者による学生への仕事案内であり、若者のための働き方入門である。
著者は仕事において重要なポイントを5つあげる。
(1)現場に学ぶ姿勢を大切に
まずは「見る」ことが大事であり、現場から学ぶ姿勢が大切である。
(2)現実を見る目を養う
空想にあまり走らず、厳しい現実を直視する。
(3)現物を大切にする感性を高める
実際に教えてくれるのは現物である。現物を手にすると、発見が多い。
(4)原理を知るように努める
物事には必ず原理がある。原理が分かると問題解決しやすいし、応用がきく。
(5)原則を踏まえる
原則に基づくと誤りが少ない。
働き始める前に色々な世代の価値観や方法論を知ることは大切である。なぜなら、少子高齢化社会が到来しているので、ますます上の世代の方々との価値観の共有化が若者にとって必要になってくるからである。本書は1933年生まれの著者が長い間働くことについて考え、実践し、苦労してきたことをまとめ、普遍的な働き方、生き方について書かれた本である。どの世代の人間も、お互いに理解し合い、協調しながら働けるようになれば、日本の未来は明るいだろう。
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1. 現場に学ぶ姿勢を大切に
2.現実を見る目を養う
3.現物を大切にする感性を高めよう
4.原理を知るように努めよう
5.原則を踏まえること
働くことは朝、起きることを肝に銘じよう。
学びは働きの変形。働き始めれば、今よりも学ばなければならない。学び方を身につけておこう。
身体障害者でもしっかり働いているんだから健常者が贅沢言うな。
仕事中でも、大きく息を吸い、ゆっくりと息を吐く。すると気持ちが鎮まる。
緒方貞子さんは、学者出身。だから行動は様々なデータを分析し、評価してどれを取るべきかを決める手法を取る。政治的判断も必要だが、理に反することはしない。しかも、その意志決定は難民である人間を救うことにこだわった。
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働くってのはまず朝起きること、と定義してみる。その理由を読むだけでも価値ある一冊。15歳以上の若者(あるいはもっと若くても良いかも)に読んでほしい。あるいは、そばの大人が口頭で教えてあげて欲しい。
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図書館のティーンズコーナーにて発見。1章1節の「働くってのは、まず『朝に起きること』と考えよう」に同意したため借りてきた。働くこと=生きることという考え方はいい。職業体験や就活、中小企業の紹介など具体的な内容に移るにつれ、時代が違うと感じた。仕事に対して前向きでやる気のある人向け。いやいやながら職業体験をやることになった中学生や、望まない会社でインターンシップをやらざるを得なくなった大学生などには向いてない。やる気があることを前提として、生きて働く上での選択肢を考えさせる感じ。中高生が読んだ感想を訊いてみたい。
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所々参考になる表現はたくさんあったし、内容も間違ったことを言っているのではないが、
私の中にある「働くとはなんだ」という問いに真っ直ぐに答える本だったとはいえない。
やはり具体的に働いてみて「働くこと」が分かってくるのだろうけれど。
様々な分野で働いている人がそれぞれ感じる「働くこと」についてまとめた本があれば、そちらのほうが自分には参考になったのかなと思うし、そういう本があれば是非とも紹介していただければと思います。
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じいちゃんが孫に向けて思いを書いたみたいな「念」を感じる本。内容もなかなかに充実している。こういう老人の話には力がある。
いちばん心に残ったのは「働くとは朝に起きること」みたいな内容のとこ。もちろんそうじゃない人もいるけど、多くの務め人にとっては「なるほど」なんじゃないかな。
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1つ1つのメッセージに頑張る勇気をもらえるような書。
・時代がどう変わっていくかを見抜く力を持つ
・働くところの不正と戦う
・状況を改善していく努力
・どうであろうと、どうなろうとぼくは、私は生き延びると覚悟してその力を養っておくこと
・それには1つの専門能力の基礎と応用しやすい基本的な働き方を身につける
社会人四年目を終える私にとって復習のようだった。
いつでもご機嫌、いつでも笑顔は心がけたい。
これからフリーで働くのであれば、何でも引き受けて働く、生きていくという覚悟を持つ。
やる気は充実している。
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以前、中古を購入し、長らく本棚に飾ってあったものを読んだ。
著者の森清さん自身が紆余曲折の人生の末、大学の先生にまでなった人だ。苦労されているからだろうか、平易な語り口の中に、人格の光る言葉が埋め込まれている。
一番心に残ったのは、障害者への眼差しだ。
健常者は、働くことが生きることであり、仕事を通して創造し、社会に貢献する。しかし、障害者は生きていることそのものが働くことなのだ。
「健常者は障害者に働くこと、生きることを学ぶのがいい」
障害者から学ぶ姿勢。そこにしか障害者差別をなくす道はない。
森清氏は2018年1月に亡くなった。
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働くとはどうゆう事なのか、働く事への気持ち構えを学ぶ事が出来た。自分は大学3年生なので、もうちょい早く読んどけば良かったなあと後悔。
正直ちょっと古く昭和の働き方哲学みたいな感じで、今のアメリカ風の働き方哲学とは違う。だけれども、これはこれでなかなか大切な気持ちの持ちようだと思った。きちんと挨拶をして相手から学ぶ姿勢を取り続ける。当たり前のことなんだけど、なかなか難しい。
岩波ジュニア特有なんだけど、毎回毎回1度は韓国植民地(併合)時代関連の話を入れてくるのは何でなんだ?
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長年にわたって「働くこと」について研究してきた著者による仕事案内。働くことの意味を考えながら、職業体験やインターンシップの実践法、職業資格の生かし方、正社員と非正社員の違い、マニュアルの意義など、働くための基本的な知識を解説。これから社会に出ていく若者のための働き方入門。
充実した生活(スローワーク:働きすぎない)を送るための4法則は、「緩、素、笑、悠」である。
緩=生活の中にゆるやかな時間をもつこと(仕事に優先順にをつけ、効率を上げる)
素=自分の考えをしっかりともつこと
笑=笑顔でいること
悠=今の辛さ、厳しさの中で希望を失わないこと
社会貢献する仕事に意義をもってとりくんでいる人たちも少し紹介されてて、刺激を受けた。