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投稿者:pope - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレあり。ルーブル美術館に住む猫と絵の中に消えた少女のファンタジー。棒っきれだけ擬人化の姿が微妙だなと思ったらスフィンクスだったのかー。
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作品紹介にもあるように、絵本を読むような感覚で楽しめます。松本大洋作品としては及第点ぐらいの出来ですが猫好き、美術史好きなら読んで損はないかと思います。
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全てのコマが絵画のように美しいマンガ
お話も童話のようなテイストにミステリーが混ぜ合わさって読後感も良い
誰かアニメ化してくれないかなぁ
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ルーヴル美術館の屋根裏に住む猫たち。世話をしているのは、警備員のおじいさん。おじいさんの姉は、子どもの頃ルーヴルで突然姿を消した。おじいさんは、絵のなかに入ったと信じている。
そして、猫たちの中の白い子猫は大きくならない。白い子猫は?絵の中の子どもは?
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わたしにとってのよい本の基準は、それを読んで数珠つなぎ的に他の本を読みたくなる本なのだが、これもそうだ。
クローディアの秘密、あとはホームフォーザホリディ、を思い出した。後者は映画だけど。
おもしろかった。
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(01)
館があっても家がない.家がないから愛がない.が,そのような典型的な舞台や関係を嫌った猫たちがコマからコマへと飛び回っては縫うようにニュウ(ニャー?)と現われ,コマの外へ,コミックの外へと消えていく.
コミックの外は,絵の中であるかもしれない.絵画に生きる女性や男性も現れる.絵画に興味のない館関係者もいる.そしてオーバーユースやオーバーツーリズムの問題に軽く触れつつ,多くの多様な人間たちが訪れる美術館も描いている.人物たちには帰るべき家もあり,育むべき愛もあるはずであるが,そのような気配は,この漫画からは感じられない.少年漫画や少女漫画には愛がなくても普通は家が描かれる,青年漫画には家がなくても愛や性愛がどこかに感じられたりもする.家や愛を欠き,暴力といえる暴力や戦闘もないこの作品は,どのような漫画の範疇にあるのだろうか.あるいは漫画の範疇にあるのだろうか.
黒と白という対比は,白黒漫画という作画だけでなく(そして装幀やコマの外の白黒だけでもなく),作劇や物語としても著しく見えている.そして白と黒の二極以上に,その間にあるトーンが美しい.版画を思わせるようなペンの線描によるテクスチャ(*02)のほかにも,鉛筆や水彩の滲みを利用したと思われるタッチには,西洋の油絵の技法への東洋的な批評が読み取れるのかもしれない.そして枠線は相変わらず震えていて,それほど過激なコマ割りがあるわけではないし,各コマのアングルや構図は古典すら感じさせる.
黒と白という点では,セリフのための白い吹き出しの中にある黒い文字は,漫画的にコントラストが際立っているが,そこには人物や猫たちの声や泣き声だけでなく,吹き出しの外に擬音として処理されそうな雑な音たちが吹き出しに詰まっていることもある.
近代以前の美術館の展示がそうであるように,漫画も絵の羅列であるが,鑑賞者や読者はいつもこちら側にいる.はずであるが,眺めて,読んでいるとき,こちら側を忘れてしまうこともある.「絵入り」とまではいわないまでも作品に没入した体験は,誰しもが持っているはずである.そのとき,わたしたちは,登場人物にもなれるし,猫にもなれる.そして猫人間にも慣れるはずである.
ある種の漫画やルーブルに展示された絵画が秘めている可能性は,わたしたちを想像の極限にまで誘い,漫画家や画家や修復士たちは,そしてガイドも(おそらく夜警も).その局面で天使のように遊ぶ人たちである.本作の作者が使う黒色と白色とその中間色は,読者と作品とを色分けするためにあるのではなく,混ぜこぜに,綯い交ぜにするためにある.本作の読後に読者はきっとルーブルに訪れたくなる.もしかすると私たちが訪れたくなるのは,猫のいるルーブルかもしれない.
(02)
クモのサングラスに描かれた複眼の数々の小さな丸印も印象的である.クモの巣は唯一の家的な家ともいえるが,その網目のほかにも,市松模様やヘリンボーンのパターン,20世紀のルーブルへの追補となるピラミッドや舗装に与えられた方形グリッド,建物の眼としての窓の羅列,美術の世界への窓としての額縁,空の穴としての星,そして人間,猫,犬,鳥��人形の馬たちが有する両眼の大群は,漫画の背景や人物に当然のものであっても当然ではないものに見えてもくる.ゆきのこは両眼のクローズアップ(*03)で美術館に登場し,両眼のクローズアップとともに美術館から退場する.故に猫の対象の隻眼や,レジェンドの修復士の人工的な片眼が意味を放ってくる.空の眼や絵画が宿した黒い穴も忘れ難い.
美術館の外部のテクスチャが消える雪の積もった日,物語はまたひとつ転がりはじめるのだが,時間と世界をつなぐ丸い懐中時計がまた取り戻されるまでの展開はどう捉えたらよいのだろうか.
(03)
クローズアップは続かず,室内や建物の外観,都市の鳥瞰や風景への視線へと切り換えられ,透視や消失点が効いた構図は眼を奥へ奥へと,先へ先へと誘いもする.猫の自在な出現や行動のふらふらとした軌跡は,硬直しがちな直線から視線を解放してくれてもいる.しかし,動物も含めた物の影や,描かれた物,彫られた物がここに組み合わされるとき,既視,記憶,迷路などへの閉塞も対比的に印象づけられている.
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アイズナー賞をもらった作品という事で新品がどこにもなく中古を探し取り寄せて読みました。松本大洋作品は鉄コン筋クリートやピンポンで有名ですがどれもしっかり読んだことはありませんが、このルーブルの猫はファンタジーで、ルーブルの雰囲気がものすごく伝わってきたし、綺麗な作品でした。でも、なんかざわつくというか、読みながらなんだか怖さもある不思議な本でした。この本で松本大洋さんのイメージが変わったし絵に独特の良さがあって漫画でもあり、アート作品でもあります。下巻も読みました。
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松本大洋というマンガ家が、なぜか、わたしんちではブームです。なにがいいのかよく分からないのですが、雰囲気がいいのでしょうね(笑)ブログとかにも書きました、よろしければ覗いてみてください。
https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202205020000/
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舞台装置やディテールが素敵!だけど、物語のテーマはGoGoモンスターと同じでやや既視感。GoGoの凄まじい完成度の高さには及ばず。でも猫が可愛い。