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実のところ、村上春樹の作品ではいちばん好き。暗くてすっきりしなくて不気味だけど、それこそこの書き手らしさだと思ってる。今でもよく読み返す短編集。
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スケッチブックを模した、村上春樹の「小説にはなりきれなかった人間観察の文章」がまとめられた一冊。
鋭いナイフが痛みもなく身体の中に侵入するかのような、淡々とした文体が描く出来事が気が付けば頭の中に飛び込んでくる、そんな迫力に満ちた文章だ。
バブル華やかなころ、『今はなき王女のための』と同じような体験をした人、多いんじゃないか?
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なかなか渋い短編集。
フィクションとノンフィクションのはざま
時間と時間の間にほっこりと読むのがよさげな、ありそうでなさそうなお話。
ハンティングナイフの、どこにでもありそうな、虚無感がお気に入り。
やんわりとした鋭角みたいな感じ。
「しかし例外は認められんのです。この不確かな世界の中で、信用ほど得がたそして崩れやすいものはないのです。」
「彼が私に向かった言った最後のことばは私の耳にまだはっきりと焼きついています。「カロ・タクシージ よいご旅行を」
そう言って彼女は膝の上で両手をあわせた。「素敵なことばだと思いませんか?そのことばを思い出すたに私はこんな風に思うんです。私の人生は既に多くの部分を失ってしまったけれど、それはひとつの部分を終えたというだけのことであって、まだこれから先何かをそこから得ることができるはずだってね」
「誰かに嘘をつくのは本当は好きじゃないんだ」と彼は別れぎわに言った。「その嘘がたとえ誰一人傷つけないとわかっていても、嘘はつきたくない。そんな風に誰かをだましたり利用したりしながら残りの人生を生きていたくはないんだ」
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私の周りに似た人はいませんでした。
が、1つ1つの少し奇妙な物語に惹きつけられました。
「今は亡き王女のための」が好きです。
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読了。
前書きがまた面白い。
「他人の話を聞けば聞くほど、そしてその話を通して人々の生を垣間見れば見るほどわれわれはある種の無力感に捉われていくことになる。我々はどこにも行けないというのがこの無力感の本質だ。(中略)事実というものがある場合に奇妙にそして不自然に移るのは、あるいはそのせいかもしれない。我々が意思と称するある種の内在的な力の圧倒的に多くの部分は、その発生と同時に失われてしまっているのに、我々はそれを認めることができず、その空白が我々の人生の様々な位相に奇妙で不自然な歪みをもたらすのだ。」
話ではレーダンホーゼン・プールサイドが秀逸。聞いた話というのが、妙にぬめっとした現実感を生み出す。
ランクは「日々見直したいもの」
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好物の村上春樹短編の中でも、特に大好物の一冊。
奇妙なことばかりに思えるけど、考えてみると生きてて起こることはみんな、このくらいふつうに奇妙なことだと思う。
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村上春樹の物語は、脳裏に一場面が妙に残る。この中の「タクシーに乗った男」は特に強く、まさに疑似体験の醍醐味。
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うーん、短文なら読みやすいかな。
書いてあることが重いのか、文章が重いのか・・・。
今度長編に挑戦します。
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物事は話し手によって大きく変わる、ということを実感しました。
心にズシリとくるというものではないですが、ふと思い出すと頭から離れない感覚がありました。
個人的に「レーダーホーゼン」が好きです。
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彼の小説は長編が有名ですが、短編集はとってもおすすめです。
人間の理解できないほど変な部分を、それでも当たり前のように肯定してみんな理解している。
そんな衝動的な感性や出来事を綴ったものだと思います。
すべて村上春樹さんが知人から聞いたノンフィクションのごとく。
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これは彼が実際に聞いた話。こんなことも現実に起こりうるんだなぁ。。と思ったり、自分にもこんな所があると思ったり。あんまり誰にも言えないけど、彼なら聞いてくれるかも。そう思った人たちが話したのかな。まぁ、小説のほうが好きかなぁ。
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■タイトルがよい。本文にて意味を知り、好きになった。■短編ばかりだが、日常だが不思議な雰囲気をかもし出すものばかりで、1つ1つが興味深い。■その中でも、人生の折り返し地点を決める『プールサイド』、バカンス先で不思議な親子に出会う『ハンティング・ナイフ』がオススメ。
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全部で9編の話が納められている小説集である。
その9編のうち、一つは「はじめに」ということで、作者本人から、この話についての但し書きがある。これらの話はすべて人から聞いた話をまとめたものだ、という。それが事実かどうかは考える必要はないが、その「はじめに」も含めてまるまる小説なのだ、と考えるべきだと思う。
全くあり得ないような不思議な話、というのでもないが、ちょっとした思い違いだとかちょっとした偶然だとか、そういう、帯にあるような「奇妙な空間」が描かれている。結論として何かが明確に示されている訳ではなく、単にその「奇妙な空間」を切り取っただけの話。
私は「今は亡き王女のための」という話がより印象深い。
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一話完結の、ショートストーリーがつまった作品集。(どことなく東京忌憚集に通じるものがある。
村上春樹作品は、これまでに数多く見てきたけれど、僕はその中でも1-2を争う位好きな作品です。「長編を読むのはちょっと…。」とか、「村上作品を読んだことがない。」という人にはオススメの作品です。
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内容(「BOOK」データベースより)
現代の奇妙な空間―都会。そこで暮らす人々の人生をたとえるなら、それはメリー・ゴーラウンド。人はメリー・ゴーラウンドに乗って、日々デッド・ヒートを繰りひろげる。人生に疲れた人、何かに立ち向かっている人…、さまざまな人間群像を描いたスケッチ・ブックの中に、あなたに似た人はいませんか。