投稿元:
レビューを見る
阿部先生ほど、「独創的」、そんな褒め言葉が合う漫画家もいない
絵柄も、キャラも、ストーリーにもオリジナリティが曝け出されている
腕力がある、それは確かだが、藤田和日郎先生や鈴木央先生、尾田栄一郎先生や板垣恵介先生のように襟首を単純なパワーで掴んで引き摺り込むでなく、増田英二先生や松井優征先生、赤松健先生や大高忍先生のようにテクニックで体勢を崩させ、引っ張り込むでもない、異質のタイプ・・・そもそも、読み手の喉元に向かって伸ばしてくるのが手じゃなく、触手っぽい。体全体に巻き付けて、ジワジワと体力を消耗させてから、じっくりと作品内に閉じ込めてくるよう
ともかく読んでると、背中を不安が這い上がってくる
怖い、より、気持ち悪い、と感じる作品内容だからか?
舞台が港町っぽく、水棲生物が頻繁に出て来る事もあってか、クトゥルフ神話を思い出してしまうのも大きな要因かもしれん
どのストーリーも、不可思議で常識外れ、非日常のオンパレードだが、個人的に「これは頭一つ出てるな」と感じたのは、二件目・爆死病
恋愛ものなのだが、これまた、救いがない、でも、死ぬ気で恋する女の子の『本気』をここまで鮮明に描くか、ってくらいにリアル
最も好きなキャラは、面倒くさがりやの眼帯ギプスなポリスメン
投稿元:
レビューを見る
変な夢を見た。と思っていたら現実だった。そんな匂いのエピソードが詰め込まれた連作短編集。日に日に大きくなっていく女の子や、街に潜む侵略者の噂など、どこかで見たような人らも次々登場。とかく現実離れした世界観の中にあって、お巡りさんの「若い奴は面倒だ」という一歩引いた感想が、物語を妙な現実感に繋ぎ止めていると思いました
投稿元:
レビューを見る
哀しくて、ばかばかしくて、幸せで、奇妙な世界。これはつまりマンガの形式をとった散文詩なのかもしれない。読んでときどき吹き出して、たまに自然に顔がにやついている。寂しい気もするし面倒くせえと思いもする。それが青春だからだろう。作者の作品はどれも傑作だけど、またしても新しい傑作。
投稿元:
レビューを見る
なんだか不穏そうな短編を集めたオムニバスということで、空が灰色だからという漫画を思い出して心がざわざわしてしまったので購入。
絵のタッチがとても素敵です。魚になった五男を探しにいく兄弟たちの話が一番好きだな。
潜水艦から六人の兄弟たちが水底の魚を見つめる絵がなんとも言えず幸せそうでほっこりした。
潜水艦が壊れて沈んでいく絵でお話は終わるけど、あれは兄弟たちもみんな魚になっちゃったんだろうか。
生首の友達の話もよかった。ほんとに生首になった友達が喋ってたのかもしれないけど、なんとなく後半ぜんぶ友ちゃんの妄想のような気もする。
一巻ということは二巻以降も出るのかな!期待
投稿元:
レビューを見る
大好きな作家さんの読み切りということで。
読んでみて、相変わらずこの作者さん独特な世界観というか雰囲気というか、それらが目一杯詰まっていた印象。
話に何か深い意味があるようなないような。
雰囲気だけのようなそうでもないような。
でも、なんか、発想とか展開とか、癖になる。
投稿元:
レビューを見る
日常のすぐ隣に怪異が潜む町『橙町』。
この町では、親友の生首がお喋りするし、海産物型のエイリアンが侵略しにくるし、女子高生が巨大化したりする。
キュートにシュールな阿部洋一の世界。
読み切り連作なのが良い感じです。
これなら、連載が中途になってもあまりガッカリしないで済むよね…。
投稿元:
レビューを見る
阿部洋一の新刊。出ていたのに気がつかなかった・・・。連作短編なので「バニラスパイダー」より話が締まって面白い。第6話の女教師や、日常に非日常が紛れ込んでくるシカケ、どことなく松本零士「大純情くん」を思い出す。
投稿元:
レビューを見る
阿部洋一氏の作品『橙は、半透明に二度寝する』の1巻を読了。 今年の7月に 阿部洋一氏の「阿部洋一短編集 オニクジョ(2015)」を読んでから、ずっと気になってました。 で、読んでみたら・・・世界観が最&高!過ぎる!! 特に・・”イカスミ滴る同級生”がGood!! 2巻もいずれ、絶対に読もう。 しかし・・・表紙が良い・・・ 傑作。